片桐重延 監修 片 桐 重 延 ・室 岡 和 彦 共著
R〈 日本複 写 権 セ ン ター委 託 出 版物 〉 本 書 の全 部 ま たは 一 部 を無 断 で複 写 複 製(コ ピー)す る こ とは,著 作 権 法 上 で の例 ...
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片桐重延 監修 片 桐 重 延 ・室 岡 和 彦 共著
R〈 日本複 写 権 セ ン ター委 託 出 版物 〉 本 書 の全 部 ま たは 一 部 を無 断 で複 写 複 製(コ ピー)す る こ とは,著 作 権 法 上 で の例 外 を除 き,禁 じられ て い ます 。 本 書か らの 複 写 を希 望 さ れ る場合 は,日 本 複 写権 セ ン ター(03-3401-2382)に ご連 絡 くだ さ い。
序
文
平 成6年 度 よ り実 施 され た 新 しい 高校 数 学 で は,コ
ン ピ ュー タに 関 す る取 扱 い
が い ま ま で 以 上 に重 視 され て い る。 そ れ は,こ れ か ら コ ン ピ ュ ー タに つ い て,ま た,コ
ン ピ ュ ー タ に関 連 す る 「数 学」 につ い て学 ぼ う とす る人 々 に と って学 びが
い の あ る もの で あ る。 元 来,日 本 の数 学 教 育 は,戦 後 長 い 間大 学 進学者 の ため の, あ るい は,将 来 特 に数 学 を 必 要 とす る人 々 の た め の もの で あ った。 しか し,数 学 が情 報 化,高
度 技 術 社 会 の た め に さ まざ ま な か た ち で 関与 して きた 現在,も
はや
単 に,将 来,数 学 を特 に必 要 とす る人 々 や,理 工 系 を 志 す 人 々 の ため の もの で は な くな り,よ り広 い意 味 で の 知 的ユー ザ ー とい わ れ る人 々 が 数 学 を 学 習 す る時 代 が きた の で あ る。 この こ と は,「 中 等 教 育(中 学 ・高 校)に
お ける数 学 的 リテ ラー
シー は,情 報 化,高 度 技 術 社 会 にお け る一 般 知 識 人 が もつ べ き標 準 的 な 教 養 を 目 指 す こ とに な る」(数 学 教 育 の会)の 指 適 に も端 的 に示 され て い る。 ま さ に,コ ン ピ ュ ー タ関 連 の 数 学 は,こ れ か らの 生 涯 学 習 の 基 盤 と して の 数 学 で あ る とい って も過言 で はな い。 本 シ リー ズ(全10巻)は,コ
ン ピ ュ ー タ関 連 の 数 学 を次 の 各 分 野 に分 けて 企 画
した。 そ れ は既 刊 の 「数 学 と コ ン ピ ュー タ シ リー ズ(全8巻)」 向 け に 発 展 させ,新
の思 想 を よ り現 代
しい中 等 数 学 の 考 え を 取 り入 れ た もの で あ る。
第 一 は, 第1巻
コ ン ピュ ー タ言 語 と処 理
第2巻 BASICに
よ る数 学 の 問 題 解 法
第3巻
よ る高 校 数 学
の 内 容 で,コ 数 学A,数
BASICに
ン ピュ ー タ関 連 の 数 学 を 学 ぶ た め の 基 盤 と新 しい数 学,特
学Bの 内 容 に準 処 した もの で あ る。BASIC言
に高 校 の
語 は,こ れ らの教 科 書 の
ほ とん どで 使 用 さ れ て い る言 語 で あ り,こ れ か らも教 学 教 育 用 言 語 の主 流 と して 導 入 され る で あ ろ う。
第二 は 第4巻
行 列 と線 形 計 算
第5巻 数 値 計 算 第6巻
確率統計
に そ の特 徴 が見 られ る よ うに,こ れ か らの高 校 数 学,あ
る い は,大 学 初 年 度 の 数
学 に取 り入 れ られ る で あ ろ う,行 列,線 形 計 算,数 値 計 算,確 率 統 計 の 基 礎 を 目 ざ した。 主 題 の性 格 上,や
や難 解 な 問題 も含 ま れ る が,全 体 を と お して 読 めば 高
校 生 に も理解 で きる よ うに心 が け たつ もりで あ る。 い うま で もな く,高 校 現 場 で 数 学Cを 中 心 に これ か らコ ン ピュ ー タ関 連 の数 学 を教 え よ うとす る先 生 方 や,大 学 で これ らの 数学 を平 易 に学 習 しよ うと い う人 々 に と って も有 効 に利 用 で き る で あ ろ う。 第 三 は, 第7巻
い ろ い ろな 曲 線 と図 形 処 理
第8巻
数 式 処 理 と関 数
第10巻 Mathematicaに
よ る離 散 数 学 入 門
に お い て取 り上 げ た数 学 ソ フ トウ ェア に よ る数 学 の展 開 で あ る。 数 学 ソ フ トは い ま や ます ます 発 展 し,こ れか らの数 学 で欠 く こ とので きな い分野 にな りつつ あ る。 図 形 処 理 や数 式 処 理,関 数 と グ ラ フの扱 い につ い て は,単 に中 等 数 学 の み な らず 数 学 教 育 や数 学 の研 究 に お い て も有 効 な手 段 に な る。 こ こで は,代 表 的 な数 学 ソ フ トにつ いて取 り上 げ,間 題 の解 法 を試 み た。 他 に 第9巻 は,コ
コ ンピ ュー タ に よ る グ ラ フ ィ ック ス
ン ピュ ー タ グ ラ フ ィ ック ス を そ の基 盤 か ら誰 にで もわ か る よ うに や さ し く
解 説 した もので あ り, 第10巻 Mathematicaに
よ る離 散 数 学 入 門
は近 年 め ざ ま し く発 展 して き た数 学 の一 分 野 で あ る離 散 数 学 につ いて,分 か りや す く解 説 した。 ま た,数 学 の代 表 的 な ソ フ トで あ る,Mathematicaの 利 用 法 を紹 介 す る と共 に,Mathematicaを
基本的な
用 い て具 体 的 な 問 題 を解 決 す る よ う
に した。
以 上,こ
れ か らコ ン ピュ ー タを学 習 す る人,コ
ン ピ ュ ー タ に関連 す る数 学 を学
習 し,教 育 し よ う とす る人,数 値 計 算 に習 熟 し数 学 の社 会 にお け る有 効 な活 用 を 図 る人,さ この 全10巻
らに,数 学 の ソ フ トウ ェ アを有 効 に利 用 しよ う とす る人 々 に と って, の書 が座 右 の銘 の ご と く,有 効 に活 用 され る こ とを願 って や ま な い。
な お,多 忙 な中 を この シ リー ズ の執 筆 に あ た られ た 白石 和 夫,高 橋 公,飯 田 健 三,室 岡 和 彦,佐 藤 公 作,志 賀 清 一,金 子 伸 一 の 各 氏 にお 礼 を 申 し上 げ る とと も に,本
シ リー ズの 出 版 を企 画 ・推 進 して くだ さ った 東 京 電 機 大 学 出 版 局,お
よび
終 始 ご助 言 くだ さ っ た前 編 集 課 長 朝 武 清 実 氏 に深 甚 の謝 意 を表 した い 1997年4月
監修 片桐 重延
は じめ に 離 散 数 学 と 呼 ば れ る 数 学 の 一 分 野 が 近 年 め ざ ま し く発 展 し て き た 。 こ の 原 因 と し て,探
究 の き っ か け,あ
で あ る。 ま た,離
る い は基 本 的 な 題 材 が 日常 生 活 に 結 び つ い て い る か ら
る。 例 え ば,コ
散 数 学 は コ ン ピ ュー タあ るい は情 報 化 社 会 に密 接 に関 連 して い ン ピ ュ ー タ の 構 能 拡 大 に 伴 っ て 離 散 数 学 に は 新 し い 研 究 分 野,新
し い 問 題 解 決 方 法 が 生 ま れ,情
報 化 社 会 で は そ れ ら が 身 近 な も の と して 扱 わ れ る
よ うに な って きた。 こ こ で は,従 来 か ら あ る 身 近 か な 題 材 を 中 心 に 離 散 数 学 を ま と め,Mathematica を 用 い て 問 題 を 解 決 す る よ う に し た 。 ま た,発 わ り に,あ
る い は 参 考 に ま と め た 。Mathematicaは
世 界 地 図 やTEX,グ
各 章 は,お
章の終
の 基 本 的 な 利 用 は,数
ラ フ ィ ッ ク ス や 音 で あ る 。 本 書 も こ の3つ
や 式,
に絞 った。
お よ そ 次 の よ う に 構 成 さ れ て い る。
で は,Mathematicaの
基 本 的 な 利 用 法 を 網 羅 的 に 紹 介 し た 。 リ ス トや
ア ル コ リズ ム と い っ た 離 散 数 学 だ け で な く,各 取 り上 げ,こ
の 章 だ け でMathematicaの
離 散 数 学 は,日 を 用 い,日
や,各
豊 富 な パ ッ ケ ー ジ を 持 ち,
ラ フ 理 論 な ど も扱 え るが,そ
デ ー タ や リ ス ト,グ
第1章
展 的 な 内 容 は 第6章
種 の グ ラ フ ィ ッ ク ス,微
基 本 的 な 扱 いが で き るよ うに した 。
常 的 な 問 題 か ら始 ま る こ と が 多 い 。 第2章
常 的 な 題 材 を 数 や 式,リ
分積分 も
ス トで 表 す,い
で はMathematica
わ ゆ る モ デ ル化 に つ いて ま と
め た。 第3章,第4章 て 考 え,順
で は,数
や 式,リ
ス トな ど を 用 い,数
え 上 げ お よ び数 列 に つ い
列 ・組 合 せ や 意 列 な ど に ま と め る と き の 方 法 をMathematicaで
した 。 応 用 と して 展 開 式 の 係 数,音
の 周 波 数,フ
ィ ボ ナ ッ チ 数 列,カ
扱 っ た 。 ま た,よ
り 数 学 的 な も の と して 母 関 数 を 取 り 上 げ た 。
第5章
半 で デ ー タ 解 折,つ
で は,前
半 で は,シ
紹 介 オ スな どを
ま り 記 述 統 計 をMathematicaで
ミ ュ レ ー シ ョ ン を 紹 介 し,確
率 の 考 え 方 との 比 較 を 試 み た。
行 い,後
第6章
で は,数
の 仕 組 み を 中 心 に,Mathematicaを
の 構 造 の 調 べ 方 を 紹 介 し,よ Mathematicaの
使 い 方,離
用 い て 集 合,論
列
り数 学 的 な 探 究 を す る 際 の材 料 と した。 散 数 学 を 最 初 か ら学 ぼ う と す る 人 た ち に と っ て 少
しで も 役 に たつ こ と が で き れ ば 幸 い で あ る。 な お,本 住 商 エ レ ク ト ロ ニ ク ス 株 式 会 社 CAE第2事 ま た,プ
理,行
ロ グ ラ ム や 脚 注 の 作 成 に つ い てCAE技
書 を 執 筆 す る に 当 た っ て は,
業 部 営 業 第2部 術部 揚
課 長 小 澤 和 夫 氏, 軍(ヤ
ン ・ ジ ョ ン)
氏 に 一 方 な ら ぬ ご 協 力 を 頂 い た 。 厚 くお 礼 を 申 し上 げ る 次 第 で あ る。 1997年3月
著 者 しるす
目
次
第1章
Mathematica
1.1
立 ち上 げ と終 了
1
[1]
立 ち上 げ
1
[2]
終
2
了
1.2 数 の 計 算
1.3
2
[1] 厳 密 値 と近 似 値
2
[2] 近似 値 の計 算
5
[3]
6
べ きの 扱 い
[4] n進
数
[5]
数
関
整
7 7
数
10
[1] 立 式 と代 入
10
[2] 組 込 み 関数
11
[3]
リス トの 扱 い
13
1.4 式 の 計 算 [1] 整式 の 因数 分 解 [2]
1.5
式 の展 開
14 14 15
[3] 整 式 の計 算
15
[4] 分 数 式 の計 算
16
グラ フ ィ ッ クス
18
[1]
デ ー タの グ ラフ
18
[2]
陽関数 のグラフ
19
[3]
陰 関数 の グ ラ フ
22
[4] 媒 介 変 数 表 示 の グ ラ フ [5]
極方 程式の グラフ
[6]
領
[7]
多数 の グ ラ フ
[8]
3次 元 の グ ラ フ
23 24 26
域
27
28
1.6 方 程 式 の 解
30
[1] 代 数 的 な 解
30
[2] 数 値 的 な 解
32
1.7 微 分 ・積 分
34
[1] 微 分係数
34
[2] 導 関 数
36
[3]
36
積
分
38
1.8 論 理 と プ ロ グ ラ ム
[1] 真偽 の判定
38
[2] 条 件 と論 理
39
[3] 反 復 と再 帰
40
練習問題
42
第2章 離散化の アイデア 2.1 数 で 表 す
44 44
[1] 測 定 の 方 法 [2]
2.2
Mathematicaの
利 用
45
[3] 単 位 の 変 換
47
[4] 数 の表 示 方 法
48
コ ー
ド
化 50
2.3
数式化 [1]
52
昼 の長 さの モ デル 化
52
[2] 再 帰 関 係 の表 現
54
2.4 集 合 と行 列 [1]
集
57
合
57
[2] 集 合演 算 と計 算 方 法
60
[3] 行 列表 現
64
[4] 移 動 の表 現
66
練習問題
70
第3章 数え上 げの方法 3.1
い ろ い ろな 数 え 方 [1] 兵 士 と石(1対1対
3.2
3.3
72
応)
72
[2] 指 で数 え る(積 の法 則)
73
[3] 分 類 して数 え る(和 の 法 則)
75
[4] 必 要 な もの を数 え る(鳩 の 巣 原 理)
77
順
列
79
[1] 辞 書 式 に並 べ る
79
[2] 樹 形 図 で 数 え る
80
[3] 順 列 を 作 る
82
[4] 重 複 順 列
83
組合せ
86
[1] 組 合 せ の個 数
86
[2] 組 合 せ を作 る
89
[3] 重 複組 合 せ
90
3.4 多 項 式 と組 合 せ [1]
式 で表 す
92 92
[2] 2項 定 理
94
[3] 展 開 式 の 係 数
96
練習問題
98
第4章 数列を作る 4.1
Mathematicaの
数 列
101
[1] 奇数 を 作 る
101
[2] い ろ い ろ な数 列 [3]
Mathematicaの
103 数 列
106
4.2 音 と 数 列
108
[1] 音 を作 る
108
[2]
12音 階 を 作 る
110
[3] 調 和 音 を作 る
112
4.3 再 帰 的な 式 [1]
預
金
[2]
ハ ノ イ の塔
114 115
[3] 数 学 的 帰 納 法
117
[4]
119
フ ィボ ナ ッチ数
[5] 母関数 4.4
114
122
カ オ ス とフ ラ クタ ル
124
[1] 反 復 法
124
[2]
カ オ ス
126
[3]
フ ラ ク タ ル
128
練習問題
130
第5章 データ処理 と確率 5.1 デ ー タ の 表 し方 [1]
統計 グラフ
[2] 代 数 値 5.2
5.3
相
132 132 136
関
140
[1] 相関図
141
[2] 相 関係 数
142
[3] 身 長 と体 重 の相 関 関係
143
モ デル 式 と予測
145
[1]
直 線 モ デ ル を作 る
145
[2]
2次 関 数 モ デ ル
148
5.4 確 率 の 実 験 [1]
5.5
151
起 こ りや す さ
151
[2] 確 率 の表 し方
153
[3] 確 率 の利 用
155
シ ミ ュ レー シ ョ ン
159
[1] 乱数 の利用
160
[2]
160
モ ン テ カ ル ロ法
練習問題
164
第6章 離散構造 6.1
指 数 の構 造 [1] 指 数 の原 理 [2] 複 素 数 の指 数
[3]
(−1)1/3の 意 味
165 165 167
168
171
6.2 数 の性 質 [1] 小数 の数字
171
[2] 連 分 数 で 表 す
173
[3] 整 数 の性 質
175
178
6.3 集 合 と論 理 の仕 組 み [1] 集 合 演 算
178
[2] 論 理 演 算
178
[3] 論理 式 の利 用例
181
182
6.4 数 ベ ク トル と 行 列 [1]
数 ベ ク トル
182
[2]
行
列
186
[3]
参
考
190 194
練習問題
196
問 お よ び練 習 問題 の 解 答
索
(1) 問の解答
196
(2) 練 習 問 題 の 解 答
210
220
引
第1章 Mathematica
Mathematicaは る 。Mathematicaで
数 学 を 探 求 す る た め に 開 発 さ れ た,世
界 的 に通 用 す る ソ フ トウエ ア で あ
数 学 を学 べ ば数 学 だ け で な くコ ン ピュ ー タ科 学 の 考 え 方 を知 る こ と も
で き る 。 こ こで は,数,関
数,式
に つ い てMathematicaの
特 徴 と う ま い 使 い 方 を 示 し,
論 理 や プ ロ グ ラ ム につ いて もふ れ る こ とに す る。
1.1 立 ち 上 げ と終 了
Mathematicaの
立 ち 上 げ と終 了 の や り か た に つ い て ま と め て お こ う。
[1] 立 ち上 げ コ ン ピ ュ ー タ の 電 源 を 入 れ,Windowsを
立 ち 上 げ, Mathematicaの
ン を マ ウ ス で ダ ブ ル ク リ ッ ク す る とMathematicaの ラ フ な ど を 扱 うの は,図 以 下,1.2節
1.3の 画 面 で,こ
アイ コ
画 面 が 現 れ る 。 数,式,グ
れ を ノ ー トブ ッ ク と い う。
以 降 の や り方 で 計 算 や グ ラ フ を 作 っ て い け ば よ い 。 た だ し,最
の 計 算 で は カ ー ネ ル(計
算 な ど を す る プ ロ グ ラ ム)を
初
コ ン ピュ ー タ に読 み 込 む た
め 多 少 の 時 間 が か か る。 起 動 して か ら終 了 す る ま で を セ ッ シ ョ ン と い う 。
[2] 終
了
Mathematicaを (1)
終 了 す る と き に は,次
ノ ー トブ ッ ク(画
面)右
の 手 順 で 行 う。
上 の フ ァ イ ル(F)に
して ク リ ッ ク す る 。Exit(Windows)ま
マ ウ スで カ ー ソル を移 動
た はQuit(Macintosh)が,図
1.1の ダ イ ア ロ グ の 中 に 現 れ る 。
図1.1
(2)
マ ウ ス でExitの
(3)
こ の ノ ー ト ブ ッ ク(画
(4)
要)の
ダ イ ア ロ グ
と こ ろ を ク リ ッ ク す る。
不 要 な らn,必 y(必
Fileの
面)を
要 な らyを
コ ン ピ ュ ー タ に 保 存 す る か 聞 い て く る。 キ ー ボ ー ドか ら入 力 す る 。
場 合,"test1.ma"な
Mathematicaが
ど と適 当 な名 前 を つ け て保 存 す る。
終 了 す る。
1.2 数 の 計 算 数 の計 算 を 身近 か な題 材 で ま とめ よ う。 [1]
厳 密 値 と近 似 値
分 数2/3や
平 方根√2な
どで 表 され た,代 数 的 な意 味 を もつ数 を厳 密 値 とい う。
一 方 ,0.6666667,1.414213を
そ れ ぞ れ の厳 密 値 の近 似 値 とい う。
〔例 題1〕
半 径 が2cm,中
心 角 が120° の 扇 形 の 面 積 の 厳 密 値 を 求 め よ。
〔解 〕 面 積 4Pi/3と
〓の 式 を
入 力 す る。 と
SHIFT
RETURN
キ ー を同 時 に
押 す(以 後 SHIFT る)とIn[1]:=が
とす
RETURN
この式 の前 の 行 に 現
れ る 。 結 果 がOut[1]=の
図1.2 扇形の面積
次 の 行 に現 れ
る。 Mathematicaの 囲 ま れ たIn[]:=の
ど を書 き込 ん だ 後,
入 出 力 は,図1.3の
よ う に ノ ー ト ブ ッ ク 上 で 行 う 。 青 い]で
行 か らOut[]=の SHIFT
結 果 ま で の 行 を セ ル と い う。 数 や 式 な
+ RETURN
を押 す と コ ン ピ ュ ー タ が 計 算 を 開 始
す る。
図1.3
ノ ー トブ ッ ク
この 操 作 を入 力 と い い,入 力 した結 果 は入 力 セ ル で 自動 的 に 囲 まれ る。 ま た, 入 力 した も の を計 算 して,結 果 を表 示 す る部 分 を 出力 セ ル とい い,入 出力 セ ル を 合 わ せ て 囲 む セ ル を単 にセ ル と い う。 図1.1のNewを し くな る。 次 に厳 密 値 の 近 似 値 を求 め て み よ う。
ク リ ッ クす れ ば セ ル は新
+
〔 例 題2〕
〔例 題1〕 の 面 積Sの
〔解1〕
↑キ ー で4Pi/3の
最 後 に SHIFT
式 を手 直 して10桁 の近 似 値 を求 め よ。
行 に カ ー ソ ル を 移 動 さ せ,次
の 下 線 部 分 を 追 加 す る。
で近 似 値 が 得 られ る。
RETURN
(1.1) 〔 解2〕
〔例 題1〕 で 次 の 厳 密 値4Pi/3を
得 た と き,%を
利 用 し,次
の式 で近似
値 を求 め る。
〔 解1〕
の よ う に,前
に 使 っ た 式 そ の も の を 手 直 し(追 加,削
用 す る こ と を リプ レ イ(Replay)機 を ア ンサ ー(answer)機
除,修
正)し て 利
能 と い い,〔 解2〕 の よ う に,%を
使 う方 法
能 と い う 。 リ プ レ イ や ア ン サ ー 機 能 は,長
い式 を何度
も使 う と き に 便 利 で あ る 。 表1.1 計算 の記 述 方 式
Pi(=π)の い,Pi,Sqrtの
よ う な 数 を 組 込 み 定 数,Sqrt[]の
よ うな 関 数 を 組 込 み 関 数 と い
よ う に 大 文 字 で 書 き始 め る。 関 数 名 の 正 し い ス ペ ル は 「?」 で オ
ン ラ イ ン ヘ ル プ を 呼 び 出 す 。 例 え ば,?S*〔注1〕 や?*qr*な
どで探 す とよい。 こ
れ を情 報 エ ス ケ ー プ と い う。 〔注1〕*は
ワイ ル ドカ ー ドでSに
続 く,ま た は,qrの
前 後 の 文 字 列 を表 わす 。
+
問1 次 の 式 の厳 密 値 と10桁 の 近 似 値 を 求 め よ。 (1) 半 径2の 球 の体 積 (2) 一 辺 の長 さが3の 正 三 角 形 の面 積
問2 円 周 率 πを1000桁
[2]
まで 求 め る に は,ど うす れ ば よ いか 。
近 似 値 の 計 算
Mathematicaで
は,あ
ま た,N[式,n]でn桁
る 数 に 小 数 点 を つ け た 式 は6桁
の近 似 値 で表 す。
の近 似 値 を求 め る。
例1.
例2.
これ らの 結 果 は第7桁 目 を 四捨 五 入 して い る。 例1の 表 し方 を固定小 数点 表示, 例2の 表 し方 を 浮 動 小数 点表 示 ま た は科 学 的表 示 とい い,1.07374を 109を 指 数 部 分 とい う。 〔 例 題3〕√2の
近 似 値 を で きる だ け多 くの方 法 で求 め よ。
〔解1〕N[]を
用 い る。
〔 解2〕//Nを
〔 解3〕
後 ろ に つ け る。
〓を代 入 す る。
仮 数 部 分,
表 示 の 桁 数 はN[式,n]で
はn桁,式//Nで
は6桁
に な り,有
桁 下 の 数 を 四 捨 五 入 す る 。 特 に,N[Sqrt[2]]とSqrt[2]//Nは
効 桁 よ り も1 同 じ結 果 に な
る。 〔 注 〕 あ る近 似 値12.34567の
有 効 桁 数(精 度)が6桁
で あ る こ とを 示 す 。 また,四 捨 五 入,切
問3 40!=1×2×
[3]
で あ る と は,12,3456ま
で正 しい 値
り捨 て,切 り上 げ の こ とを丸 め と い う。
… ×40は 何 桁 の数 か。 そ れ を簡 単 に知 る方 法 を示 せ。
べ き の 扱 い
正 の 数a>0,b>0に
つ い て,a3や(ab)0.5な
ど を べ き と い い,次
の性質 が成
り立 つ 。
(1 .2)
Mathematicaで
ま た,次
は,こ
れ ら をa^−1,a^0,a^(1/2)の
の 指 数 法 則 が 成 り立 ち,PowerExpand[a^p*a^q]な
よ うに表 す。
どで 確 認 で き
る。
(1.3) 式(1.2)と
式(1.3)に
〓につ いて 厳 密 値,6桁
〔 例 題4〕 〔 解〕
関 連 して厳 密 値 と近 似 値 が 次 の よ う に得 られ る。 の近 似 値 を そ れ ぞ れ求 め よ。
〓の 厳 密 値 はそ れ ぞれ (1.4) 〓の近 似 値 は そ れ ぞ れ
問4 式(1.3)の4つ
の 式 が 成 り立つ こ とを 確 認 せ よ。
n
[4] n進
数
例 え ば13=8+4+1=23+22+1と と い い,こ
の 数 を1101と
な る。 こ の よ う な 手 続 き を2進 表 し2進 数 と い う。 同 様 に し て3進
法,4進
法,2を
底
法 な どが
考 え ら れ る。 特 に8進
法 の こ と を オ ク タ ル,16進
数 は3af9の
よ う に 数 字10,11,…,15の
法 の こ と を ヘ キ サ デ シ マ ル と い う 。16進 代 わ り に そ れ ぞ れ ア ル フ ァベ ッ トa,b,…,
fを 用 い る 。 Mathematicaで 数 でbと
は10進
い う数 をn^^bと
〔例 題5〕1234,お
数 をn進
数 に 直 す と きBaseForm[x,n]を
して10進
数 に変 換 す る。
よ び12.34を16進
進 数71.65を10進
数 に 直 せ 。 ま た2進
用 い,n進
数1100011,お
よ び8
数 に 直 せ。
〔解 〕BaseForm[x,n]を
用 い る。
(1.5)
^^bを
用 い る 。
(1.6)
問5 分 数1/3の
[5]
整
た16進 法 で求 め よ。
数
整 数m>n>0が n]で
厳 密 値 お よ び近 似 値 を2進 法 で,ま
あ っ た と き,m÷nの
表 す 。 ま たm,nの
商 をQuotient[m,n],余
最 大 公 約 数 をGCD[m,n],最
り をMod[m,
小 公 倍 数 をLCM[m,n]
で表 す。
〔例 題6〕3つ
の 数1989,1996,2003の
最 大 公 約 数 と最 小 公 倍 数 を 求 め よ 。
〔 解〕
よ っ て,最
問6
大 公 約 数 は18,最
小 公 倍 数 は12307680
数111111111,148148148,98765432の
2,3,5,7,11,13の
最 大 公 約 数 と最 小 公 倍 数 を求 め よ 。
よ う に,2以
上 の 正 の 整 数 で1と
れ な い 数 を 素 数 と い う 。 素 数 はPrime…
そ れ 自 身 で しか 割 り 切
と い う組 込 み 関 数 で 求 め る こ とが で き
る。
〔 例 題7〕
素 数 を 小 さ い 順 に10個
求 め よ。 〓(1.7)
〔 解〕
式(1.7)でRange[10]は,1か [Range[10]]で
は,1番
ら10ま 目 の 素 数2か
で の 素 数 の リス トを 表 す の で,Prime
ら10番
目 の 素 数29ま
で の 素 数 リ ス トを
作 成 す る。 整 数 は,素 Factor
数 の 積 と し て1通
Integerで
り に 表 す こ と が で き,こ
れを素 因数 分解 とい い
求 め ら れ る。
素 因 数 分 解 を 利 用 し て 分 数 の 問 題 を 考 え よ う。
〔 例 題8〕
整 数106−1=999999を
素 因 数 分解 せ よ。
〔解 〕
よ っ て,
〔 例 題8〕
の 結 果 か ら次 の こ と が 導 か れ る 。 〓の と き,
〓と な る 。
(理 由)
(1.8)
式(1.8)の
両 辺 に106を
形 式 的 に か け て,
よ っ て,
(1.9)
問7 107−1=9999999を
[6]
素 因 数 分 解 し,分 数1/239を
循 環 小 数 に 直 せ。
複 素 数 の 扱 い
2次 方 程 式x2+4=0やx2+2x+4=0を 虚 数 単 位i=√−1を
満 た すxは
作 る こ と で,そ
実 数 で は 存 在 し な い が,
れぞれ
の よ う に 解 が 求 め ら れ る。 こ う し た,a+biでb≠0と
な る 数 を 虚 数 と い い,実
数 と い う。Mathematicaで
は 虚 数 単 位iをIで
数 と虚 数 を あ わ せ て 複 素
表 し,I^2=−1と
な る数 とみ て
虚 数 の 計 算 を 実 数 と 同 様 に し て 行 う。
〔 例題9〕
次 の計 算 を行え。
(1) 〔解 〕
(2)
(3)
(1)
(2)
(3)
こ れ ら は,{(2−3I)(1+I),(1−I)^4,Sqrt[−3]}と 〔注2〕Mathematicaで
は,掛
け算a×bは*ま
して 一 度 に 求 め ら れ る 。 た は 空 白 を 用 い て,a*bま
た はa
bの
よ う に 表 す 。 た だ し,2aや0.5f(x)は2a,0.5f[x]
問8
次 の 計 算 を 行 い,そ
(1)
で よ い。
れ が 成 り立 つ 理 由 を い え 。
(2)
1.3 関
数
関数 を数 と同 様 の 手順 で作 り,数 を代 入 して近 似 値 を求 め よ う。 [1]
立 式 と代 入
〔例 題10〕 半 径r,中
心 角a°の扇 形 の 面 積fの 式 を 求 め,r=2,a=120°
の とき
の 値 を求 め よ。 〔 解 〕f(r,a)=πr2a/360で
面 積 はrとaの
関 数 に な る。
10桁 の 近 似 値 は次 の 入 力 で 得 られ る。
図1.4 扇形の面積 問9 図1.4で,弧 し,r=2,a=120°
と弦 で 囲 まれ た 半 月 形 の 面 積gを,半
径rと 中 心 角a(°)の
関数 で表
の と きの値 を6桁 の 精 度 の 近 似 値 で 求 め よ。
関 数 を 記 述 す る と き の 入 力 例 と 主 な 規 則 を ま と め て み よ う。
規則1.
Sqrt[x],Sin[pi a]
組 み込 み 関数 の先 頭 は大 文 字 で書 き,変 数 を 大 か っ こ[]で 規 則2 . 3角 関 数 の 変 数 は ラ ジ ア ンで 扱 う 。
規則3 . 変 数 の主 な規 則 は次 の とお り。 x,yは 積x*yを,xyは1つ
の 変 数xyを
意 味 す る。
く くる。
3aは3*a=3aを,3/2aは
3/2aを,3^2aは9aを
意 味 す る。
変 数 にx_ の よ うに_ をつ け る と数 値 の 代 入 が で き る。
規則4 . 代 入 は次 の 方 法 で 行 うこ とが で きる。 (a) 式 先 行 〔 注1〕
(b)
(1.10)
/.の 利 用
(c) 代 入 先 行 〔注2〕
〔注1〕
「;」 はOut[]
〔注2〕r=2,a=120と
して 代 入 先 行 で 近 似 値 を 求 め た と き,そ
はClear[r],Clear[a]と
問10
[2]
半 径rの
の 出力 を押 さ え る。
し,rの
球 の 体 積fをrの
の 後r=.,a=.あ
る い
値 を ク リ アす る必 要 が あ る。
式 で 表 し,r=2の
と き の 近 似 値 を10桁
の 数 で 求 め よ。
組 込 み 関 数
Mathematicaが の 他 に,指
用 意 して い る 関 数 を 組 込 み 関 数 と い い,関
数 関 数a^x,対
ArcSin[x],そ
数 関 数Log[a,x],三
の 逆 関 数ArcSinh[x]
数Abs[x]=│x│
角 関 数Sin[x],逆
三 角関数
な ど が あ る。 三 角 関 数 と逆 三 角 関 数 を 使 っ
た 問 題 を 解 決 し よ う。 〔 例 題11〕3辺 〔 解 〕3辺
の 長 さ が そ れ ぞ れ4,5,6の
の 長 さ をa,b,c(0<a<b<c)と
は次 の 式 で 表 さ れ る。
三 角 形 の 最 も大 き い 角 を 求 め よ 。 す れ ば,余
弦 定 理 か ら最 も大 き い 角t
(1.11) し た が っ て,
(1.12) Mathematicaで
は,次 の 式 とa,b,cの
値 を 入 力 してtの
値 を ラ ジ ア ン で 求 め る。
(ラ ジ ア ン)
(度)〔注3〕
図1.5
三 角 形 の 辺 と角
問11 〔 例 題11〕 の三 角 形 の 面 積fを 次 の式 で 入 力 し,そ の近 似 値 を10桁
(1)
で求 め よ。
(2)
主 な 組 込 み 関 数 の 記 述 方 式 を あ げ て お こ う。 表1.2 関 数 の 式 と意 味
〔注3〕
π ラ ジ ア ン は180°,Mathematicaで
は,[,Degree]で
度 を表 す 。
〔注4〕Sin[0.6435]=0.599999は, 〔注5〕E(e)はMathematicaに xの グ ラ フ のx=0に
ArcSin[0.599999]=0.6435と
同 じで あ る。
お け る 自 然 対 数 の 底 で 無 理 数2.71828…
お け る接 線 の 傾 き が1で
で あ る 。y=e
あ る。
[3] リ ス トの 扱 い 次 の よ う に,{}で
く く っ た い く つ か の 数 や 式 の 集 ま り を リ ス トと い う 。 特 に
数 か ら な る リス トを 数 ベ ク トル と い う。 リス ト も関 数 と 同 じ考 え 方 で 処 理 が で き る。
Table[nの
式,{n,4}]で,nの
〔例 題12〕 〔解1〕
半 径1,2,3,4の リ ス ト{1,2,3,4}を
〔解2〕Tableで
式 にn=1,2,3,4を
代 入 し た リ ス トを 作 成 す る。
円 の 面 積 を そ れ ぞ れ 求 め よ。 直 接 利 用 す る。
リ ス トを 作 る。
(1.13)
図1.6
半 径1∼4の
円
問12 上 底,下 底 の 長 さが そ れ ぞれ 次 の値 で,高 さ が6の 台 形 の面 積 を 求 め よ 。 表1.3
台形 の デ ー タ
図1.7
高 さ6の
台 形
1.4 式 の 計 算 整 式 を 因 数 分 解 す る の にFactorを た 複 素 数a+biを き,入
用 い る 。 ま た 整 数 ま た は 分 数a,bで
ガ ウ ス の 整 数 と い い,こ
力 の 最 後 にGaussianIntegers−
表 され
れ を 係 数 に し た 式 に 因 数 分 解 した い と
>Trueを
つ け る。
[1] 整 式 の因 数 分 解
Mathematicaで
整 式
x2−2/3x−1/3 の因 数 分 解 は次 の よ うに して行 う。
因 数 分 解 を 利 用 した 応 用 課 題 を 考 え よ う。 〔 例 題13〕xn−1を 〔 解 〕n=3,4,5に
因 数 分 解 し,1+x+x2+…+xnを つ い て 試 み,nの
分 数 式 で表 せ。
場 合 を推 定 す る。
した が って 次 の 式 が 予想 さ れ,そ れ が 正 し い こ と は数 学 的 帰 納 法 で 証 明 で き る。
(1.14) (1.15) 式(1.15)の
両 辺 をx−1で
割 れ ば 次 の 式 が 得 ら れ る。
(1.16)
問13 n=3,5,7に
つ い てxn+xn-1+…+x+1を
整 数,ガ
ウス の整 数 の そ れ ぞ れ の 範 囲 で
因 数 分 解 せ よ。
[2] 式 の展 開 〔 例 題14〕(x+1)nをn=2,…,5に 〔 解1〕Tableで
つ い て 展 開 し,そ
多 項 式 の リ ス トを 作 り,そ
の係 数 の 特 徴 を 調 べ よ。
れ らを 展 開 す る。
(1.17)
(1.18) 〔 解2〕
各 式 をExpandで
結 果 は,式(1.18)と Mathematicaで 5}と
個 々 に 求 め る。
同 じ に な る。 は 昇 べ き の 順 に 式 を 展 開 す る。式(1.17)で,{n,1,5}は{n,
す る こ と もで る 。 ま た,Expandは
次 の よ う に して も よ い 。
[3] 整 式 の計 算 xの
整 式f(x),g(x)に
つ い て,f(x)をg(x)で
表 す。 商;PolynomialQuotient[f(x),g(x),x] 余 り;PolynomialRemainder[f(x),g(x),x]
割 っ た 商 と余 り を 次 の 式 で
ま た,整 式f(x),g(x)の
最 大公 約 数,最 小 公 倍 数 を次 の式 で表 す。
最 大 公 約 数;PolynomialGCD[f(x),g(x)] 最 小 公 倍 数;PolynomialLCM[f(x),g(x)]
〔 例 題15〕
整 式f=x3−5x2+6x,g=3x2−5x−2に
(1) fをgで
の式 を 求 め よ。
割 った と き の 商 と余 り
(2) f,gの 〔 解 〕(1)
つ い て,次
最 大 公 約 数,最
小公倍数
商;
余 り;
(2) 最 大 公 約 数;
最小公倍数;
最 小 公倍 数 の入 力 式 の最 後 に//Factorを
つ け る と因 数 分 解 した式 に な
る。
問14 xの
[4]
整 式 に つ い て,x3+1をx2+ab+bで
割 っ た と き の 商 と余 り を 求 め よ 。
分 数 式 の計 算
分 数 の 計 算 と同 様 に して,分 数 式 の 四 則計 算,展 開 も行 う こ とが で きる。 〔 例 題16〕
(2)
(1) 〔解 〕
次 の分 数 式 を 計 算 せ よ。
(1)
(2)
〓を通 分 せ よ。
問15
仮 分 数8/5を 帯分数1+3/5に
〔 例題17〕 分数 式
直す操 作と同 じことを分数 式に も行 うことがで きる。
〓を整 式と
〓の 和 に直 せ 。
〔 解〕
よ っ て,
(1.19)
Mathematicaで
〔 例 題18〕
は,Seriesで
分数式
分 数 式 を 多 項 式 に展 開 す る こ とが で きる。
〓をxの 多 項 式 に 直 し,係 数 の特 徴 を調 べ よ。
〔 解〕
(1.20) こ こ で,o[x]8は,8次 〔 例 題18〕
は,式(1.18)と
以 上 の 多項 式 を示 す。 よ く似 て い る。 こ の 展 開 を 多 項 式 展 開 と い う。
(1.21) (1.22)
式(1.21)の
係 数 は,重
複 組 合 せ の 個 数3Hn,式(1.22)の
係 数 は,フ
ィボ ナ ッ
チ 数 列 に な っ て い る。
問16
〓を 多項 式 に展 開 し,
〓の展 開 式 を推 測 せ よ。
1.5 グ ラ フ ィ ッ ク ス デ ー タ の折 れ線 グ ラ フや 関数 の グ ラ フ,基 本 的 な図 形 の表 示 につ いて考 え よ う。 [1]
デ ー タ の グ ラ フ
デ ー タ を点 や 折 れ線 グ ラ フに表 して み よ う。 これ らは離 散 的 な量 を表 現 す るた め に利 用 さ れ る。 特 に,乱 数 はRandomを
用 いて 次 の よ う に作 る こ とが で き る。
Random[]
0か ら1の 範 囲 の 実 数 値 の 乱 数 を作 る。
Random[Real,{2,5}]
2と5の
間 の実 数 値 の 乱 数 を作 る。
0と1の
間 の 乱 数 を100個
Table[Random[],{100}]
1か ら6の
Random[Integer,{1,6}]
〔例 題19〕1か 点(n,r)を
ら5ま
で の 整 数 の 乱 数 を500個
プ ロ ッ ト し,そ
整 数 の乱 数 を作 る。
作 り,n番
目 の 乱 数rに
つ い て,
の特 徴 を調 べ よ。
〔 解〕
1,2,3,4,5の
作 る。
(1.23)
値 だ け が 式(1.23)で
作 ら れ る こ と が 図1
図1.8
乱 数 の 点
.8か
らわ か る。
問17
コ ン ピ ュ ー タ で10回
〔例 題20〕8個
さ い ころ投 げ の 実験 を した い。 ど うす れ ば よ い か。
の デ ー タ,2.6,3.4,4.2,5.0,5.8,6.6,7.4,8.2か
(1,2.6),(2,3.4),…,(8,8.2)を
ら作 ら れ る 点
結 ぶ 折 れ 線 を 描 き,そ
の 特 徴 を 調 べ よ。
〔 解〕 〔 注2〕
(後 ろ の デ ー タ)−(前
の デ ー タ)は
一 定 の 値0.8で
図1.9
問18
8個
ラ フは 直 線 に な る。
点 を結 ん だ グ ラ フ
の デ ー タ1.5,3.4,4.9,6.0,6.7,7.0,6.9,6.5を
ら折 れ 線 を 作 り,そ
あ り,グ
も と に し て,〔 例 題20〕
のよ うに点 か
の 特徴 を調 べ よ。
デ ー タa1,a2,a3,…
か ら 点(1,a1),(2,a2),(3,a3),…
を 作 っ た と き,デ
ー タ と グ
ラ フ の 間 に は 次 の 関 係 が あ る 。
[2]
・a2−a1
,a3−a2,a4−a3,…
・a2−a1
,a3−a2,a4−a3,…が
陽
関 数
の
グ
ラ
が 一 定 の 値 の と き,グ 一 定 の 値 で 増 加(減
ラ フ は 直 線 に な る 。 少)す
る と き放 物 線 に 近 い 。
フ
y=2x2,y=√x,y=sinxな
ど,y=f(x)の
関 数 の グ ラ フ を 表 示 す る と き に は,x軸,y軸,xの か じ あ 決 め て お く必 要 が あ る が,Mathematicaは
形 の関 数 を 陽 関 数 と い う。 陽
範 囲,yの
範 囲 な どをあ ら
こ れ ら の 多 く を 自 動 的 に 行 い,
こ れ を デ フ ォ ル ト値 と い う。 た だ し,目
盛 り の 幅 は,(x軸):(y軸)が
式(1.24)の
よ う にAspectRatio−>Automaticを
黄 金 比(1+√5)/2:1に
な って お り,
つ け る とx 軸,y軸
の比 を
1:1に
で き る。
〔 例 題21〕
次 の グ ラ フ を−3≦x≦3で
(1)
描 け。
(2)
〔 解〕
(1.24)
図1.10 y=2x2の
x が あ る値aに
近 づ い た と きf(x)の
と き,Mathematicaで い う。 ま たxの
図1.11 y=√x+3の
グ ラ フ
はInfinityが
値 が 無 限 に 大 き い か,ま 現 れ,y=f(x)の
値 を 無 限 に 大 き く す る とf(x)の
の よ う に 表 し,f(x)の
漸 近 線 はy=bで
グラ フ
た は小 さ くな る
漸 近 線 はx=aで 値 が 一 定 の 値bに
あ ると
近 づ く と き次
あ る と い う。
(1.25)
〔例 題22〕
〓の グ ラ フ を 描 き,漸
近 線 を調 べ よ。 〔注3〕
〔 解〕 xを 無 限 大 に し た(x→
∞)の
と き のyの
値 は 次 の よ う に 入 力 す る。
(1.26)
関 数f(x)の
合 成 関 数f(f(x)),逆
関 数f-1(x)を
求 め よ う。
〓の グ ラ フ
図1.12
〔例 題23〕 め,そ
関 数f(x)=x2+2xの
合 成 関 数f(f(x)),逆
の グ ラ フ を 描 け 。 必 要 に よ っ て はClear[f]を
関 数f-1(x)の
式 を求
入 力 して お く こ と。〔注4〕
〔 解〕 合成 関数
〔 注5〕
(1.27)
逆関数 (1.28)
し た が っ て 逆 関 数 は, f(x)とf((x))お 1.13,図1.14に
合成関数;
逆 関数;
よ びf(x)とf-1(x)の な る。
グ ラ フ は,次
の入 力で それ ぞれ図
図1.13
f(x)とf(f(x)) 図1.14 f(x)とf-1(x)
〔注1〕PlotStyleは,ListPlotの
常 用 オ プ シ ョ ンの 一 つ で, PointSize[0.01]は,点
の表
示 サ イ ズ の指 定 す る。 〔注2〕PlotJoinedは,ListPlotの
も う一 つ よ く使 わ れ る オ プ シ ョ ンで,離
散 されて い る
点 を線 で 結 ぶ。 〔注3〕PlotRangeでy軸 PlotRange→Allな
の 範 囲 を−4≦y≦4と
し た 。 他 にPlotRange→Automatic,
どが あ る。
〔注4〕Clear[f]で,fの
定 義 を ク リアす る。
〔注5〕Simplifyは,多
項 式 を 簡 略 す る 。 「//」 は,右
こ の 式 はSimplify[Nest[f,x,2]]と 〔注6〕GridLinesは,2次
側 の 関 数 を 左 側 の 式 に 働 きか け る 。
同 じ意 味 に な る 。
元 グ ラ フ の 目 盛 り の 格 子 を 表 示 さ せ る オ プ シ ョ ンで あ る 。
の 合 成 関 数f(f(x)),逆
問19 関 数f(x)=1/2−x
関数f-1(x)を
求 め よ。
[3] 陰 関 数 の グ ラ フ 円(x−2)2+(y+3)2=3な い,ImplicitPlotを
ど,f(x,y)=cの
形 に表 さ れ る関 数 を 陰 関 数 と い
用 い て そ の グ ラ フ を 描 く こ と が で き る。 た だ し,最
よ うな 前 手続 きが 必 要 で あ る。 〔 注7〕
初 に次 の
〔例 題24〕
円x2+y2=1,楕
〓,〓の グ ラ フ を 描 き,特
円
徴 を調 べ よ。 〔 解〕
〔注8〕
図1.15
結 果 は 図1.15の
(1.29)
円 と 楕 円
よ う に 円 と 楕 円 は 中 心 が 一 致 し,楕
円 の 軸 の 長 さ が2,3に
な
る。 〔注7〕
陰 関 数 作 図 の 専 用 パ ッ ケ ー ジ"ImplicitPlot"を
後 に は バ ッ ク ・ ク ォ ー ト(`)を 〔注8〕AxesLabelは,座
つ け る(ク
読 み込 む 。 パ ッ ケ ー ジ の名 の 前
ォ ー ト(')で
は な い)。
標 軸 の ラ ベ ル を 指 定 す る オ プ シ ョ ンで あ る 。
〓,〓の グ ラ フを描 き,両 者 の 関 係 を 調 べ よ。
問20 双 曲 線
[4] 媒 介 変 数表 示 の グ ラ フ 円,双
曲 線,サ
イ ク ロ イ ドな ど は 次 の 媒 介 変 数(パ
ラ メ ー タ)tを
れ る 。 こ う し た 関 数 を 媒 介 変 数 表 示 と い う。
円
〓放物線
〓 リ サ ジ ュ ー〓
用 いて表 さ
〔 例 題25〕 〔 解〕
上 の媒 介 変 数 表 示 の 円 と放 物線 の グ ラ フ を描 け。
(1) (図1.17)
(2)
それ ぞれ の グ ラ フ は
図1.16,図1.17の
よ う に な る。
図1.17 図1.16
問21
方 物 線
円
上 に あ げ た リサ ジ ユー〓
の グ ラ フ を 描 け 。 た だ し,tは0か
ら2π
と す る。
[5] 極 方 程 式 の グ ラ フ x座 標,y座
標 で平 面上 の点(x,y)を
Oか らの距 離rとx軸
決 め る方 法 を 直 交 座 標 と い い,原
の正 の方 向 との な す 角 θを 用 い て(r,θ)で
め る方 法 を 極 座標 と い う。 極 座 標 上 で 半 径aの 円 はr=aで,こ 式 と い う。
点
平 面 上 の点 を 決 れを 円の極 方程
〔 例 題26〕 原 点Oか
らの距 離 が3でx軸
の 極 方 程 式 を 求 め,グ 〔解 〕
との なす 角 が45
°(π/4 ラ ジ ア ン) の 直 線
ラフ を描 け。
こ の 直 線 上 の 点 をP(r,θ)と
す れ ば,OP=r,∠POx=θ
だ か ら図1.18か
ら,
よ って 極 方 程 式 はr
図1.18
図1.19は
(1.30)
極方程 式の作成
図1.19
極 座 標 と直 線
次 の入 力 で描 く こと が で き る。
直 交 座 標(x,y)と
極 座 標(r,θ)と
の 間 に は,
(1.31) と い う 関 係 が 成 り立 つ か ら,式(1.30)を 変 数 表 示 に 直 し,〔 例 題25〕
式(1.31)に
代 入 し,次
の 形 式 に して 入 力 して も よ い 。
の よ う に媒 介
(1.32)
〓の グ ラ フ を0≦t≦6π
問22 極 座 標
[6]
領
用 い る と,い
〔例 題27〕y=x4−4x2と
くつ か の 関 数 ま た は 図 形 で 囲 ま れ た 領 域 を 表 示 す る。
そ の 接 線y=4x+1で
図1.20
問23
の特 徴 を調 べ よ。
域
FilledPlotを
ま た,必
で 描 き,そ
4次 関 数 と接 線
要 に 応 じ てRemove[FilledPlot]を
図1.21の
三 角 形 の 内 部 をFilledPlotで
囲 ま れ た領 域 を 示 せ。
入 力 す る。
表せ。
図1.21
三 角 形 の 内部
[7] 多 数 の グ ラ フ い くつ か の グ ラ フ を 同 時 に 描 く に は1つ
の 座 標 系 に 表 示 す る 重 ね 書 き と,座
標
系 も別 に して 描 く ア ニ メ ー シ ョ ンが あ る 。 こ れ らの グ ラ フ を 作 っ て み よ う。 (1)
重ね書き
円 や 線 分 な ど の 図 形 の 重 ね 書 き はPlotとTableを 〔 例 題28〕2次
関 数y=x2−4xの
グ ラ フ を,x軸
用 い る。 方 向 に ±1,±2,±3平
た グ ラフを 重 ね て 描 け。 〔 解 〕x2−4x=(x−2)2−4だ
か ら,y=(x−2+k)2−4でk=−3,−2,…,2,3
とす れ ば よ い。
図1.22
放 物線の平行移動
行移 動 し
問24
指 数 関 数y=k・2xで,k=1,2,4,8,16と
(2)
して グ ラ フ を 描 き,特
徴 を調 べ よ。
ア ニ メ ー シ ョン
Doを
用 い て グ ラ フ を 多 数 描 く ア ニ メ ー シ ョ ン を 行 っ て み よ う。
〔 例 題29〕
〓を 用 い て,y=1+x,y=1+x+x2,…
,y =1+x+x2+…+x5の 〔 解 〕Do,Plotを
各 グ ラ フを 描 け。 用 い て 次 の よ う に 入 力 す る と 図1.23の
よ う に グ ラ フ が5つ
で
き る。
(1.33)
図1.23
問25
2-x,2・2-x,22・2-x,23・2-x,24・2-xの
1+x+x2+…+xn-1の
グラ フ
グ ラ フ を ア ニ メ ー シ ョ ン で 描 き,そ
の 特 徴
を調 べ よ。
[8]
3次
元 の グ ラ フ
空 間座 標 上 の 方 程 式z=f(x,y)の 〔例 題30〕 錐 を3次
底 面 半 径2cm,中 元 グ ラ フ で描 け。
グ ラ フ を描 こ う。
心 が(0,0,0),高
さ3cmで
頂 点 が(0,0,3)の
円
〔 解1〕
こ の 円 錐 の 母 線 上 の 点(x,y,z)は,
を満 た す か ら,次
の よ う に入 力 す れ ば よ い 。
(1.34) 〔 解2〕
円錐 の 中 心0か 2:(2−r)=3:zと
ら の 距 離 がrの な る か ら,次
図1.24
と き の 高 さzは,図1.24の
よ う に,
の 式 が 成 り立 つ 。
円 錘 上 の点
底 面 に平 行 な 半 径rの 円 を空 間座 標(x,y,z)で
表 す と,
(1.35) パ ラ メ ー タr,tを
用 い て 入 力 す る と 図1.25が
得 られ る。
図1.25
問26 餅 型 の曲 面
円 錘 の3次
元 グ ラ フ
〓を 媒 介 変 数 表 示 で 表 して3次 元 の グ ラ フを描 け。
1.6 方 程 式 の 解 2次 方 程 式 や 連 立 方 程 式 の解 とそ れ を 求 め る方 法 につ いて 考 え よ う。 解 に は式 で 表 さ れ た解 と数 値 解 が あ る。 [1]
代 数 的 な 解
4次 ま で の 代 数 方 程 式 の 解 は複素 数 の式 で代 数 的 に 表 せ る。 代 数 方 程 式 の 解 を 式 で 求 め,そ (1)2次
の特 徴 を調 べ よ う。
方程式
2次 方 程 式ax2+bx+c=0をxに 〔 例 題31〕xの2次
つ い て 解 い て み よ う。
方 程 式ax2+bx+c=0,2x2−3x+4=0の
め よ。 〔 解1〕Solveを
用 い て解 を求 め る。
解 をそれ ぞれ求
/.でa,bに
数 値 を代 入 す る。
(1.36)
〓と な る 。
解 は, 〔 解2〕Rootsを
問27次
用 い て も解 が 得 ら れ る。
の方 程 式 の 解 を 求 めよ 。 必 要 に 応 じて//Simplifyを
(1)
追 加 す る と よ い。
(2)
(2) 2項 方程 式 方 程 式xn=aの 〔 例 題32〕2項 〔 解1〕Solveを
(−1)1/3は
形 の方 程 式 を2項 方 程 式 と い い,代 数 的 に解 く こ とが で き る。 方 程 式x3=−1の
解 を求 め よ。
用 い て解 を求 め る。
何 か?ComplexExpandを
用 い て そ の 意 味 を 知 る こ と が で き る。
(1.37)
を−1の
立 方 根 と い う。
問28 x8=16を
解 き,ComplexExpandを
用 い て 解 をa+biの
形 で表 せ 。
(3) 連 立 方 程 式 2元1次
の 連 立 方 程 式,n元1次,さ
らにn元2次
方 程 式,定
数 を含 む 連 立 方
程 式 な どの解 を代 数 的 に解 いて み よ う。 〔 例 題33〕
次 の連 立 方程 式 の解 を代 数 的 に表 せ 。 た だ しaは 定 数 とす る。
(1)
〔 解〕
(2)
(1)
(2)
2元2次,2元3次
な ど の 連 立 方 程 式 を 解 く こ と は 難 し い がMathematicaで
は
容 易 に そ れ らの 解 を 求 め る こ と が で き る。
問29 次 の連 立 方程 式 を 解 け。
(1)
(2)
[2] 数 値 的 な 解 指 数 方 程 式 や三 角 方 程 式 を超 越 方 程 式 と い う。 超 越 方 程 式 や5次 以 上 の代 数 方 程 式 の 解 はふ つ う代 数 的 に解 け な い ので 数 値 的 に求 め る こと に な る。 ま た,代 数 的 に解 け る方 程 式 も数 値 的 な解 な ら求 め る こ とが で き る。
(1) 代 数 方 程 式 の近 似 解 〔例 題34〕 方 程 式x5−4x+2=0の
解 を求 め よ。
〔解 〕
(1.38) この結 果 は,解 が代 数 的 に求 ま らな い こ と を示 す。 そ こで近 似 値 を求 め る。
〔注1〕//TableFormで,結
果 を1つ
ず つ 並 べ て表 示 す る。
問30 方 程 式x6+x5+x4+x3+x2+x+1=0の
解 の近 似 値 を求 め,そ の意 味 を調 べ よ。
(2) 超 越 方 程 式 指 数 方 程 式,対 数 方 程 式,三 角方 程 式 な どを超 越 方 程 式 とい い,解 は複 素 数 の 範 囲 で無 限 個 あ る。 超 越 方程 式 をMathematicaで
解 い て み よ う。
〔 例 題35〕 次 の方 程 式 の解 を求 め よ。
(1)
(2)
〔 解 〕 (1)
解 はlog23に
な る。
(2) こ の 方 程 式 は 代 数 的 に 解 く こ と が で き な い 。 そ こ で,y=2xとy=3x+2の グ ラ フ か ら お お ま か な交 点x=−1,3を
求 め る(図1.26)。
図1.26
図1.26か
y=2xとy=3x+2の
グ ラ フ
ら次 の 手 順 で 近 似 解x=−0.417608,3.71715が
〔注2〕FindRootは,ニ
求 め られ る。
ュ ー トン法 を使 って 数値 解 を 求 め る。 適 切 な 初 期 値 を 選 ぶ こ と
が大 切 で あ る。
問31 方 程 式sinx=
問32 方 程 式cosx=x/3
1/2の 解 をSolveで
求 め,残
りの解 を 補 え。
の お お よ そ の解 をy=cosxとy=x/3
の グ ラ フ か ら 求 め,Find
‐Rootで 解 の近 似 値 を 求 め よ。
1.7 微 分 ・積 分
Mathematicaで
は 微 分 ・積 分 が 簡 単 に 求 め ら れ る。 ま た,極
限 を利 用 して 微
分 係 数 や 定 積 分 を 代 数 的 に求 め る こ と もで き る。
[1] 微 分 係 数 関 数f(x)=x2の
上 の 点(a,a2)に
お け る接 線 の 傾 き は,極
限 の 考 え を利 用 し
て 次 の よ う に 表 し,こ
れ をx=aに
お け るf(x)の
微 分 係 数 と い いf'(a)と
表 す。
(1.39) x=a+hと
おけば
,式(1.40)が
得 られ る。
(1.40) a =1の
と き の 接 点(1
,1)を
通 る 直 線 とy=x2の
グ ラ フ を 描 い て み よ う。
〔注1〕
図1.27 y=x2と
〔 例 題36〕y=x2のx=aに 〔 解1〕
式(1.39)を
そ の接 線
お け る微 分 係 数 を求 め よ。 用 い て 微 分 係 数 を 求 め る。 〔注2〕
〔 解2〕
式(1.40)を
問33 式(1.40)お
(1) 〔注1〕EvaluateでTableを
用 いて 微 分 係 数 を 求 め る。
よ び式(1.41)を
用 い て次 の関 数 のx=a
(2) 評 価 し て か ら作 図 す る 。
に お け る微 分 係 数 を求 め よ。
〔注2〕Limit[]で
極 限 の 計 算 が で き る。
[2] 導 関数 微 分 係 数f'(a)にa=xを
代 入 して作 られ る関 数f'(x)をf(x)の
導 関 数 とい
い,導 関 数 を求 め る こ とを微 分 す る と い う。 い ろい ろ な関 数 の導 関数 を求 め よ う。 〔 例 題37〕y=(ax+b)nの
導 関 数 を求 め よ。
〔 解〕
よ っ て,
〓(1.41)
関 数f(x),g(x)そ
の も の にD[]を
公 式 が 求 め ら れ る。 ま た,f(x)の2次 は,D〔f[2],{x,2}]で
用 い る と 和,差,積,商 導 関 数,つ
ま りf'(x)の
などの微 分 の 導 関 数f(2)(x)
求 め ら れ る。
〔 注3〕
〔 注3〕
問34
[3]
こ の 式 で 合 成 関 数f(g(x))の2次
2x,お よ びlog(f(x))をxで
積
導 関 数 を 求 め て い る。
微 分 せ よ。
分
微 分 の 逆 演 算 を積 分 とい い,得
られ た結 果 を原 始 関 数,不 定 積 分 とい う。
(1) 不 定 積 分 例 え ば,xn+1を
微 分 す る と(n+1)xnだ 〓で,こ
こ こ に,Cは
か ら,xnを
の 関 数 を∫xndxと
積 分 した と き原 始 関数 は
表 す。
任 意 の 定 数 で 積 分 定 数 と い う 。Mathematicaで
用 い て 不 定 積 分 を 行 う が,積
分 定 数Cは
はIntegrateを
つ け な い。 ま た,//Simplifyで
結 果が
簡 単 に な る場 合 が あ る。 〔 例 題38〕(ax+b)nを
積 分 せ よ。
〔 解〕
よ っ て,
(1.42)
問35 次 の 関 数 をxで 積 分 せ よ。
(1)2ax
(2)sin3x
(2) 定 積 分 y=f(x)の x=a ,x=bで
グ ラ フ がa≦x≦bで
常 に 正 で あ る と き,こ
囲 ま れ た 部 分 の 面 積S(図1.28)は
の グ ラ フ とx軸,直
線
次 の式 で 表 され る。
(1.43) こ こ にF(x)はf(x)の
原 始 関 数,つ
ま りF'(x)=f(x)と
図1.28
式(1.43)を
次 の よ う に 表 し,f(x)のaか
な る 関 数 で あ る。
定 積 分
らbま
で の 定 積 分 と い う。
(1.44) Mathematicaで
は,式(1.44)の
定 積 分 もIntegrateを
用 い て 次 の よ うに 表 す 。
(1.45)
〔 例 題39〕x3をaか
らbま
で 積 分 せ よ。
〔 解〕
よ って
Mathematicaで
は
〓I ntegrate[f[x],{x,a, Infinity}]と
し て 求
め る。
問36 次 の 各 関 数 を0か
(1)
ら∞ まで 積 分 し,そ の 値 を 求 め よ 。
(2)
1.8 論 理 と プ ロ グ ラ ム
Mathematicaで
う。Mathematicaの
条 件,反
復,再
帰 の 表 し方 を 調 べ,そ
の 応 用 問 題 を解 決 しよ
プ ロ グ ラ ム は真 偽 の 判 定 に 利 用 す る こ と が 多 い。
[1] 真 偽 の判 定 条 件 や 反 復 に必 要 な 論 理 を まず 調 べ よ う。 例 え ば,2数
の 大 小;√3>1は
真
で あ る。 こ れ を 次 の の や り か た で 確 認 す る。
数 や 式 な ど の 関 係 が 真(True)か ど の 判 定 に は 次 の よ う に 末 尾 にQが
偽(False)か
な
表1.4 判 定 用 の シ ンボ ル
つ いた コマ ン ド
が 使 わ れ る。 真 偽 の 判 定 が で き な い と き 入 力 を そ の ま ま 出 力 す る。
〔例 題40〕2001,2003,2007,2009,2011の
中 か ら素 数 を 探 せ 。
〔解 〕
よ っ て,2003,2011が
素 数 で あ る。
問37 次 の 中 で 多 項 式 は ど れ かPolynomialQを
用 い て 調 べ よ。
2x,(2x−1)6,sin(x2+x+1),tan-1(x)の
導関数 の逆数
[2] 条 件 と論 理 (1) 関 係,論 理 の記 号 式 や 命 題x,yか
ら作 られ る 同 値,大
小 関 係,論
理 は表1.5に
ま とめ られ る。
表1.5 大小 と論理の記号
(2) 条 件 を つ け る
Mathematicaで
の 整 数(Integer)に
は,記
号/;で
式 に 条 件 を つ け る 。 例 え ば,階
限 定 す る と き に は,次
乗n!を0以
上
の よ うに定 義 す る。
(1.46) い くつ か の 数 に つ い て 試 み る 。
(1.47) 式(1.47)か (3)
分
ら,nが0以
上 の 整 数 の と き に だ けg[n]
岐
条 件 を,If,あ
る い はWhichで
分 岐 さ せ て処 理 す る。
を 計 算 す る こ と が わ か る。
〔 例 題41〕
論 理 を 用 い て 次 の 関 数 を 作 り,グ
(1) 〔解 〕
ラ フを 描 け。
(2) 〔注1〕
(1)
(2)
図1.29
式(1.48)の
〔注1〕y=│x−2│の
図1.30 y=│x+1│+│x−2│
y=│x−2│
グ ラ フ は,次
の や りか た で 描 く こ と もで き る。
最 善 の 定 義 はf[x_] :=Abs[x−2]で
あ る。
問38 次 の 関数 の グ ラ フを描 け。
[3] 反 復 と再 帰 計 算 や 操 作 を繰 り返 して,リ (1)
ス トや 合 成 関 数 を作 成 しよ う。
デ ー タ の作 成
12,22,32,…,n2やa1,a2,a3,…,anな
〔例 題42〕21=2,22=4,23=8,…,210=1024を
ど の数 列 を作 る方 法 を調 べ よ う。
表 示 せ よ。
(1.48)
〔 解1〕Doを
使 う。
(1.49) 〔 解2〕Forを
使 う。
(1.50) こ れ ら は す べ て 次 の よ う な 出 力 結 果 に な る。 た だ し,紙 2, 4,
問39
8,
16, 32,
数 列22,42,62,82,102を
64,
128,
256,
512,
面 の 都 合 で横 に並 べ た。
1024
作 れ 。
(2) 反復 と再 帰 あ る 関 数 を,そ ま た,あ
れ 自 身 を 用 い て 定 義 す る方 法 を 再 帰(リ
る 関 数 の 合 成 関 数 を 次 々 に 作 る よ う な 手 続 き の こ と を 反 復(ア
シ ョ ン)と
い う。
イ テ レー
い う。 反 復 と 再 帰 は ア ル ゴ リズ ム の 中 心 的 な 役 割 を 果 た す 。
〔 例 題43〕n=1,2,…,10に
つ い て,n!を
反 復 的 お よ び 再 帰 的 に 求 め よ。
〔 解 〕(1) nに
つ い て の 反 復 で 求 め る。
〔注2〕g=g*nの
代 わ り にg*=nと
を 表 す 。g+=n,g−=n,g/=nな (2)
カ ー ジ ョ ン)と
し て も よ い 。g*=nはg*nを
再 びgと
す る手続 き
ど も類 似 の 手 続 きで あ る。
再 帰 で 求 め る。
(1.52)
問40 数 列12,22,32,42,52を
〓に つ い て,4重
〔 例 題44〕 〔 解 〕Nestを
反 復 お よ び再 帰 で 表 示 せ よ。
の 合 成 関 数f(f(f(f(x))))を
求 め よ。
用 い る。
(1.53)
(1.54)
式(1.54)の
よ うな 分 数 式 を 繁 分 数 と い い,NestListで4重
まで の 繁 分 数 に な
〓に 近 づ く。
り,各 繁 分数 に任 意 の数 を代 入 す る と黄 金 分割 比
(1.55)
〓に対 してf(f(1)),f(f(f(1))),f(f(f(f(1)))),f(f(f(f(f(1)))))
問41
値 を求 め,ど の よ うな値 に近 づ くか 推 定 せ よ。
練 習問題 1. 数 を 丸 め て 整 数 に す る 組 込 関 数 に は,Round[],
−2≦x≦2で
Floor[],Ceiling[]が
適 当 な数 を と り,そ の 特 徴 につ いて調 べ よ。
2. 分数 式 〓にn=1,2,3,4を
3. 原点Oを
代 入 した と きの 式 を求 め よ。
焦 点,直 線x=−2を
る放 物 線 は図1.31でPH=POを
準線 と す 満 たす点
P全 体 で あ る。 この こ とを 利 用 して 極 方 程 式 を作 り,グ ラ フを描 け。 ま た,媒 介 変 数 表 示 に直 せ 。 た だ し,0.2≦t≦6.1と
す る。
図1.31
4.
中 心O(0,0),半
径1の
円 と 直 線x=tの
交 点 をA,Bと
放 物 線 上 の点P
す る と き,
あ る。
(1) t=1/2の
と き の 円Oと
直 線x=tを
た だ し,2点(a1,a2),(b1,b2)を (a1,a2)を (2)
円Oの
中 心,半
径rの
描 け。 端 点 と す る 線 分 はLine[{a1,a2},{b1,b2}]点
円 はCircle[{a1,a2},r]で
弧 と 線 分x=t>0つ
ま り 弦ABで
描 く。
囲 ま れ た 部 分 の 面 積fをtで
表せ。
〓と い う関 係 が成 り立 つ。
5. 三 角 関 数 の 間 に は 媒 介 変 数 表 示x=2/cost,y=3tantの
グ ラ フ を 描 き,双
6. あ る直 角 三 角 形 が あ り,周 の長 さが36,内
曲 線 で あ る こ とを 示 せ 。
接 円 の 半 径 が3で あ る とい う。 この三 角 形
の3辺 の長 さを 求 めよ 。 7. 次 の式 を直 して 公 式 を 作 れ 。 ただ し,Trig‐>True,Expand,PowerExpandを
(1) 8. 点(0,1)に
(2)
お け るy=exの
(3)
グ ラフ の接 線 はy=x+1で
9. 2辺 の長 さ が2,4の 長 方 形ABCDが Aか
らPま で の道 の りをxと
す る と き,APの
らPま
長 さyを 条件 を用 い て表 せ。
長 方形 上 の動 点
10. 次 の 式 を 直 して微 分 ・積 分 の 公式 を 作 れ。 (2)
あ る。 これ を図 示 せ よ。
あ り,そ の 周上 の動 点PがAか
図1.32
(1)
使 う。
(3)
で 動 く。
第2章 離 散 化 の アイ デ ア デ ー タを社 会 現 象 や 自然 現 象 を観 察 して作 り,規 則 を見 つ け関 数 や コ ー ドな ど で 表 現 す る こ と をふ つ う数 量 化 とい い,特 に離 散 的 な デ ー タ につ い て行 うこ と を離 散 化 と い う。 こ こで は,離 散 的 な デ ー タを数 量 化 し,Mathematicaで
処 理 す る方 法 を い くつ か取 り上 げ る。
2.1 数 で 表 す 現 象 を数 値 で 表 す と き,単 位 をつ けて測 定 し有 限小 数 な どで表 す。 これ を離 散 的 表 現 と も い う。 ここ で は,単 位 の表 し方 と数 の扱 い(記 数 法)に つ いて考 えよ う。
[1] 測 定 の方 法 量 を測 定 す る と き,ふ つ うあ る単 位 で 測 る。 単 位 はJISで 基 準 化 され て お り絶 対 単 位 と呼 ばれ る。 主 な単 位 と記 号 を あ げ て お こ う。 表2.1 主 な 量 と単 位 〔注1〕
ま た,各
単 位 に は 次 の 「接 頭 語 」 を つ け る。 こ こ に 例 え ば10-3は0.001を
表
す 。 表2.2 接 頭 語 の名 称 と記 号
〔注1〕JISハ
問1
ン ドブ ッ ク情 報 処 理
用 語 ・コ ー ド編
あ る コ ン ピ ュ ー タ が1回
(2)
地 球 の 質 量5,990,000,000,000,000,000ト
Mathematicaの
Mathematicaを (1)
版 よ り
次 の数 値 を接 頭 語 をつ け て 表せ 。
(1)
[2]
日 本 規 格 協 会1995年
足 し算 す る 時 間 0.00000000123秒 ン
利 用
用 い て 時 間 な ど の 量 を 表 し,単
位 の 変 換 を 行 って み よ う。
日付 と 時 刻
〔例 題1〕
現 在 の 日 付 と 時 刻 をMathematicaで
表 示 せ よ。
(2.1)
〔解 〕
現 在 の 日付 は1996年4月10日,現
在 の 時刻 は21時36分7秒
〔 例 題1〕 の 表 記 法 は国 際 的 な 規 約 に従 って い る。 な お,日
(2.2)
付 と時 刻 を 表 す に
は 次 の 方 法 が あ る 。 方 法4はJIS規
格 に 特 有 で, h08は
平 成8年
を表 す。
方 法1;19960410213607 方 法2;1996‐04‐10‐21:36:07 方 法3;1996
04
10 21:36:07
方 法4;h08,04,10,21:36=07
問2 式(2.1)でDate[−4]と
す る と ニ ュー ヨー クの時 刻 に な る。−4の 意 味 を 調 べ よ。
東京 の 時刻 を 与 え る数 字 は何 か。 (2)
角
度
表2.1で,ラ
ジ ア ン(弧
度)と
も呼 ば れ,円
の 半 径rと
弧 の 長 さlの 比 で
(2.3) と 表 さ れ る 。 例 え ば,180°
は π ラ ジ ア ン,
60°はπ/3ラ ジ アンに な る。 Mathematicaで
角 度 を利 用 す る と き は,
度 の と き に だ け 数 字 の 後 ろ にDegreeを
つ
け る。 角 度 を 利 用 し て 三 角 形 の 辺 の 長 さ を
図2.1
弧
度
求 め る こ と は測 量 の基 本 で あ る。
〔 例 題2〕
平 坦 値 で2地
詳 し く測 り,AB=1.21Kmを A,Bか
らP山
点A,Bの
距離 を
得 た 。 ま た,
を 望 み ∠PAB=75.0°,∠PB
A =101.0° を 得 た 。PA,PBを
求 め よ。
図2.2
P山 との 距 離
〔 解〕 正弦定理
(2.4)
〓
か ら,
〔注2〕
リ プ レ イ 機 能 でIn[2]のSin[101
行 し16.8し 〔注2〕
Degree]をSin[75
Degree]に
変 え て実
た が っ て,AP=17.0Km,BP=16.8Km
有 効 数 字 の 桁 数 を 表 わ す 。 有 効 桁 数 を 指 定 す る こ と に よ っ て,さ
らに 精 密 な 値 が
求 め ら れ る 。 例:N[…,100]。
問3
図2.3はA,Bの2地
点 か らQ島
だ よ う す で あ る 。AQ,BQの
を望 ん
距離 を 求 め よ。
図2.3
[3]
との 距 離
単 位 の変 換
Mathematicaを 〔 例 題3〕 (1)
Q島
用 い て単位 の変 換 を して み よ う。
次 の値 を()の チ ョ モ ラ ン マ(エ
単 位 の 値 に直 せ。 ベ レ ス ト)の 標 高 29038フ
ィ ー ト(m)
(2) 山 の手 線 の電 車 の平 均 速 度 時速76Km
(m/秒)
(3)
(ラ ジ ア ン)
〔 解〕
(1)
(2)
45度
の角 度 〔 注3〕
(3)
〔注3〕
こ の パ ッケ ー ジ は,世
界 中 で よ く使 わ れ て い る各 種 ユ ニ ッ ト(Unit:単
位)シ
ス
テ ムの 交 換 専 用 の もの で あ る。
問4
マ ラ ソ ン の 距 離42.195Kmは
[4]
何 マ イ ル か 。 ま た,xKmをyマ
イルに直す式 を作 れ。
数 の 表 示 方 法
離 散 数 学 で 扱 う数 に は次 の 数 が あ り,デ ー タを こ う した数 で表 す こと を記 数 法 と い い,必 要 な と きに これ らの 中 で 最 も適 した もの を選 ぶ。
自然数; 整数; 小数 有理数 ; 分 数; 情 報科 学 で は分 数 の こ とを有 理 数,小 数 で表 した数 の こ と を実 数 と い う。 小 数 の 表 し方 に は次 の よ うに 固定 小 数 点表 示 と浮 動 小 数 点 表 示 が あ る。
固定小数点表示; 浮動小数点表示; 〔 例 題4〕 (1)
次 の値 を固 定 小 数 点 表 示 ま た は浮 動 小 数 点 表示 で 表 せ。 一 辺 が3.65mの
正 方 形 と 半 径2.15mの
円 形 の 花 壇 を 作 っ た。 この 花 壇
の面 積 は ど れ だ け か。 (2)
金 の 原 子1個
は,一
ど入 る 。 金1cm3の は10-10mで 〔解 〕(1)
辺 が2.88オ
ン グ ス ト ロ ー ム(A)の
中 に原 子 は何 個 あ る か 。 た だ し,1オ
あ る。
3.652+2.152π=27.84(m2)
立 方 体 に ちょ う ン グ ス トロ ー ム
(2)
(2.5)
(2.6) (2.7) (2)はMathematicaで
次 の よ う に な る。 〔注4〕
特 に,式(2.5)を 式(2.6)を
式(2.6)の
形 に す る 変 形 の しか た を 正 規 化 と い う 。 ま た,
四 捨 五 入 し て 式(2.7)の
4.19に 当 た る 数 を 仮 数,19に
形 に す る こ と を 丸 め と い う。 式(2.7)で,
当 た る数 を 指 数 と い う。 表2.3 数 の処 理
浮 動 小 数 点 表 示 で は,仮 数4.19で 精度 が3桁 で あ る こ と を 表 す 。 浮 動 小 数 点 表 示 は精 度 も同 時 に示 し,大 きい数 や0に 近 い数 を表 す と き に浮 動 小 数 点 表 示 を 用 い る。 問5 次 の表 の各nに
つ いて√n+1,√nを10桁
の精 度 で 求 め,√n+1−√nの
精度 を調
べ よ 。
表2.4 桁 落 ち
表2.4の よ う に精 度 が下 が る現 象 を桁 落 ち と いい,浮 動 小 数 点 表 示 で 引 き算 を
す る と き に 起 こ る こ と が あ り,注 〔 注4〕 Mathematicaで
意 を 要 す る。
は,積 を 示 す 「*」 を 「スペ ー ス」 で 置 き換 え る こ とが で き る。
ア,数 値*数 値 イ,数 値*記 号 ウ,記 号*記 号 さ らに,数 値*記 号 の 「*」 は 省 略 も で きる。
2.2
コ ー ド化
JIS規 格 で は 数 字 や 英 文 字 の 各 文 字 に 次 の コ ー ドを 割 当 て て い る 。 こ の コ ー ド 体 系 を(句 点)JISコ
ー ド と い い,例 表2.5
JISコ
ー ド は 表2.6の
英 数 字 の コ ー ド(JISコ
よ う に2進 表2.6
え ば 「A」 は2341と
JISコ
数 と み な さ れ,こ
い う コ ー ドを も っ て い る。
ー ド)
れ を16ビ
ッ ト コ ー ド と も い う。
ー ド
注)網 部 分 はASCⅡ
問6
表2.5のJISコ
ー ドと そ の2進 表2.7
数 表 示 の 関 係 を調 べ よ。
英 数 字 の コ ー ド(ASCⅡ
コ ー ド)
コー ド
ア メ リ カ で は7桁
の2進
ASCⅡ (ア ス キ ー)コ の コ ー ドは31で,こ
数 で 英 数 字 な ど を 表2.7の
ー ドま た は8ビ の2進
よ う に 表 し,こ
ッ ト コ ー ドと い う。 こ の 表 で,例
コ ー ド は0110001に
な り,表2.6の
の コ ー ドを えば
「1」
各 コ ー ド の 下7
ビ ッ トと 同 じに な る。 表2.8
MathematicaでASCⅡ 〔 例 題5〕ASCⅡ
JISコー
ド
コ ー ドを 表 して み よ う。 コ ー ドでab12の4つ
の 英 数 字 を10進
数 に 直 せ 。 ま た,2進
16進 数 に 直 せ 。 〔 解 〕ab12を
コ ー ドの10進
数 表 示 に 直 す。
10進 数 表 示 を2進 数 表 示 に直 す 。 〔注1〕
同 じ く10進
数 を16進
数 に直 す。 〔注2〕
〔注1〕%は
直 前 の 結 果 を 表 し て い る。 こ れ を ア ン サ ー 機 能 と い う。
〔注2〕%7はOut[7]を
表 して い る。
問7
コ ー ドを10進
英 字y,zのASCⅡ
数 で,ま
た2進
数 で 表 せ。
数,
2.3 数 式 化 数 の 大小 な ど順 序 の あ るデ ー タの特 徴 を 調 べ る と き,関 数 な どの式 で 表現 で き る。 こ う した 離 散 デ ー タを モ デ ル 化 す る基 本 的 な方 法 につ いて 調 べ よ う。 [1]
昼 の長 さ の モデ ル化
昼 の 時 間 は1年 で ほ ぼ周 期 的 に繰 り返 す。1995年1月1日
か ら20日 お きに とっ
た デ ー タを もと に,昼 の長 さを 関 数 で 表 して み よ う。 〔 例 題6〕 長 さdをnの
表2.9の デ ー タを も と に,1994年12月31日
か らn日 後 の東 京 の 昼 の
式 で表 せ。 また,絶 対 誤 差 の 最 大 値 を求 め よ。 表2.9 東 京 の 昼 の 時 間
〔解 〕Mathematicaで 正 弦 曲 線 に 近 い。
点 を 次 の よ う に プ ロ ッ ト し て み る と 図2.4の
よ う に な り,
図2.4
1年365日
でn日
月22日)に
目は
東京の昼の長 さ
〓と す る。 図2.4で,周
近 い 。 そ こ で グ ラ フ を81日,左
期 の1/4が
に ず ら し た 式(2.8)を
春 分 の 日(3 た て る。
(2.8) 表2.9で,dの 期2π
差 が 最 も大 き く な るnを2ヶ
≒6.28だ
所 選 ん でa,bを
求 め る 。sinxは
周
か ら,
n=1の と き,10.98=−0.9813a+b n=181の と き,15.82=0.9887a+b
Mathematicaを
表2.9の
用 い て 連 立 方 程 式 を,精
デ ー タ は,次
度4桁
で 数 値 的 に 解 く。
の関 数 で表 せ る。
(2.9)
式(2.9)にn=1,21,41,…,361を
n=121(5月1日)で
代 入 す る と,次
表2.9の
の よ う に な る。
デ ー タ と の 差 を と る と絶 対 誤 差 が 最 大 に な り,
値 は
〓(時 間) こ れ は 約12分 〔 例 題6〕
と い うわず か な差 にな る。 で は,関
す る の に,絶
数 で 表 した モ デ ル が デ ー タ と ど の 程 度 合 っ て い る か を 確 認
対 誤 差 の 最 大 値 を 求 め た 。 こ う し た 手 続 き を モ デ ル の 評 価 と い う。
〔 注1〕ListPlotは,リ ‐> PointSize [0.01]は,ポ
問8 さdをnの
表2.10は,1995年
ス ト・デ ー タを2次
元 グ ラ フ に す る コ マ ン ドで あ る。PlotStyle
イ ン トの 表 示 サ イ ズ を大 き め にす る。
に お け る札 幌 の 昼 の 時 間 で あ る 。12月31日
式 で 表 せ 。 ま た,こ
か らn日
後 の昼 の 長
の モ デル を 評 価 せ よ。 表2.10 札 幌 の 昼 の 時 間
[2]
再 帰 関 係 の 表 現
nが 自然 数 の と き,n+1の
状 態 をnの 式 で表 す こ とが 行 わ れ る。 世 界 的 に 規
格 化 され て い る定 型 用 紙A版
の縦,横
の長 さ の関 係 につ い て調 べ よ う。
〔 例 題7〕
用 紙A版
タ を も と に,An版
の 縦,横
の 長 さ は 表2.11の
の 縦 横 とAn+1版
表2.11 A版
よ うに表 され て い る。 こ の デ ー
の縦 横 の 関係 を調 べ よ。
の縦 横
図2.5
図2.6
〔 解 〕An版
の 縦,横
Anの
A版 の 縦 横
縦横 の関係
の 長 さ を そ れ ぞ れan,bnと
す る 。 図2.6か
ら次 の 関 係 が
で き る。 →
の 関 係 か ら,an+1=bn
→の 関 係 か ら,bn+1=(an/2の 式(2.10),(2.11)の 係 を 再 帰 関 係 と い い,そ 〔 例 題7〕
よ う に,n+1の
(2.10) 小 数 を 切 り捨 て) と き の 状 態 をnの
(2.11)
ときの状態 で表 す関
の 式 を漸 化 式 と い う。
で は,an,bnと
の 再 帰 式 を 作 っ て み よ う。
い う2つ
の 変 量 が 互 い に 関 係 し 合 っ て い る 。anだ
け
〔 例 題8〕
表2.11でan+1とanの
〔 解 〕a1=p1を√2で で 割 っ た 値 をp3と
再 帰 関 係 を 求 め よ。
割 っ た 値 をp2,そ し,p3も
れ を 丸 め た 値 をa2と
す る 。p2を√2
同 様 に し て 丸 め る。
〓,小 数 以 下 を切 り捨 て る とa2=594
〓, 小 数 以 下 を 切 り捨 て る とa3=420
以 下 同 様 に し てp4,p5を
計 算 し,小 数 以 下 を 切 り 捨 て る とAn版
求 め ら れ る。 Mathematicaで
〔 注2〕Floor[x]は,xを 〔 例 題8〕
は,次
の よ う に して 縦 の 値 を 求 め る。
超 え な い最 大 の 整 数 を 出力 す る。
の 手 続 き を 模 式 化 す る と 図2.7の
図2.7
再 帰 関 係 は次 の よ うな形 式 が あ る。
よ う に な る。
再 帰 と丸 め
(2.12)
の縦 の 長 さ が
表2.12 再 帰 関 係 の型
問9 定型 用 紙B版
の縦 の長 さanと 横 の長 さbnが 表2.13の
anを 再 帰 関 係 で 表 し,Mathematicaで
よ うに な って い る。 縦 の長 さ
各 値 を求 め よ。
表2.13 B版 の縦 横
図2.8
B版 の縦 横
2.4 集 合 と行 列 順 序 を逆 に して もよ い多 数 の デ ー タにつ い て,同 一 の処 理 を した り共 通 部 分 を 考 え る と きに集 合 や行 列 で モ デ ル化 を す る。 こ う した 数学 モ デ ル作 成 の基 本 的 な 方 法 に つ い て調 べ よ う。
[1] 集 A,Bを
合
集 合 と み な し,集
合 の 計 算 法 則 を ま と め よ う。
〔 例 題9〕
次 のA,Bを
使 って次 の集 合 演 算 を表 せ 。
(2.13) (2.14) (1) 交 わ りA∩B 〔 解〕 (1)
(2) 結 びA∪B
交 わ り
式(2.13),式(2.14)のAとBに (積 集 合)に
(3) 補 集 合A
共 通 す る デ ー タ(2.15)がA,Bの
交わ り
な る。
(2.15)
図2.9
Mathematicaで
は,次
A,Bの
の よ う に し てAとBの
交 わ り
交 わ り を 求 め る。
A={0,1,2,3,4,5}; B={0,1,2,6,7,8,9}; In[16]:=Intersection[A,B] Out[16]={0,1,2} (2) A,Bの
結 び ど れ か 一 方 に あ る デ ー タ が 結 び(和
集 合)に
な る。
(2.16)
図2.10
A,Bの
結 び
(3) 補 集 合 デ ー タ 全 部 の 集 ま り を 全 体 集 合 と い い,Uで U=A∪Bの
と き,Aに
属 さ な いUの
表 す。
デ ー タ がAの
補 集 合Aに
な る。
(2.17)
補 集 合 を 求 め る と き,全 A,Bの
よ う に,順
体 集 合 が 必 要 に な る。
番 が 無 関 係 な デ ー タ の 集 ま り を 集 合 と い い,結
び や 交 わ り,
補 集 合 の 計 算 を 集 合 演 算 と い う。 Aの
要 素 の 個 数 をn(A)と
表 し,カ
ー デ ィ ナ ル ス 数 な ど と い う。
例 え ば,n(A)=6,n(B)=7,n(A∪B)=10 Mathematicaで
は,こ
れ らを 次 の よ う に す る 。
Length[A],Length[B],Length[Union[A,B]] ま た,図2.9や
図2.10の
集 合 の 考 え 方 で,問
よ う に 集 合 を 表 現 し た 図 を ベ ン(Venn)図
と い う。
題 を 解 決 し て み よ う。
問10 あ る女 子 大 学 の同 窓 会 が あ り,出 席 者36人
A:結
婚 して い る人
B:職
業 を 持 って い る人
この と き,次 の人 をA,Bを
につ いて 次 の こ とが わ か った。
→25人 →14人
用 いて 表 し,そ の 最 低 人 数 を求 め よ。
(1)共
働 き
(2)専
業主 婦
図2.11
[2]集
合 演 算
と 計 算 方 法
主 な 集 合 演 算 と そ れ ら の 表 し方,お ・結 び:Aま
た はBの
・交 わ り;A,B双
よ び 個 数 の 計 算 法 に つ い て ま と め て お こ う。
要 素 か らな る 集 合 をA
,Bの
結 び と い い,A∪Bと
方 に 入 る 要 素 か らな る 集 合 をA ,Bの
表 す。
交 わ り と い い,A∩Bで
表す。 ・要 素;3はAの
要 素 で あ る がBの
・補 集 合;U=A∪Bの ・直 積;A={1
要 素 で な い。 こ れ を3∈A
中 で ,a∈B全
,2,3},B={a,b}の
体 をBの
と き,次
,3∈Bと
補 集 合 と い い,Bで
の 集 合A×BをA,Bの
表す。
表 す。 直 積 と い う。
(2.18)
(2.19) と 表 せ る。 Mathematicaで て,A,Bの
はA={0,1,2,3,4,5},B={0,1,2,6,7,8,9},U=A∪Bに 交 わ り,結
意味
び,Aの
要 素,補
つ い
集 合 な ど を次 の よ うに表 す。
式
結果
(1)
結
び Union[A,B]
{0,1,2,3,4,5,6,7,8,9}
(2)
交 わ り Intersection[A,B]
(3)
3番
(4)
3はAの
目 の 要 素Part[A,3]ま 要 素 か?
{0,1,2} た はA[[3]]2
MemberQ[A,3]
True
(
(5) Aの
6) Aの (7)
補 集 合 Complement[U,A]
{6,7,8,9}
個数
6
Length[A]
直 積A×B
図2.12
問11 上 の(1)か
Outer[List,A,B]
図2.13
補 集 合
ら(7)を
直
積
実行 し,各 表 現 が正 しい こ とを確 認 せ よ。 た だ し,次 の 式 を
前 も って 宣 言 して お く。
(2.20)
A,Bを (1)
使 っ た 主 な リ ス ト処 理 を あ げ て お こ う 。 Aの
前 半3つ
を取 り出す
Take[A,3]={0,1,2} (2) Aの
後 半3つ
を取 り出 す
Take[A,-3]={3,4,5} (3)
Aの
後 に5を
追 加 す る
Append[A,5]={0,1,2,3,4,5,5} (4) Aの
前 に6を
追 加 す る
Prepend[A,6]={6,0,1,2,3,4,5} (5) Aの
第3番
目 の 位 置 に6を
Insert[A,6,3]={0,1,6,2,3,4,5}
追 加 す る
(6)
Aの
第3番
目の位 置 を 削 除 す る
Delete[A,3]={0,1,3,4,5} (7)
Aの3番
目 まで の 位 置 を 削 除 す る
Drop[A,3]={3,4,5} (8)
Aの
後 ろ か ら3番
目 ま で の 位 置 を 後 ろ か ら削 除 す る
Drop[A,−3]={0,1,2} (9)
Aの
Join[A,B]={0,1,2,3,4,5,0,1,2,6,7,8,9}
(10)
後 にBを
続 け る
ダ ブ リを な く す Union[{2,2,3,4,4,5}]={2,3,4,5}
(11)
リ ス ト を 要 素 と す る リ ス ト で,各
要 素 の1番
目を取 り出 す
Map[Take[#,1]&,{{1,2},{3,4},{5,6}}]={{1},{3},{5}}
(12)
{}を
(2.21)
な くす
Flatten[{{1,2},{3,4},{5,g}}]={1,2,3,4,5,6}
(13)
昇 順 に並 べ る Sort[A]={0,1,2,3,4,5}
(14)
順 序 を 入 れ替 え る Reverse[A]={5,4,3,2,1,0}
次 の(15)か
ら(18)は
(15) 定 数1を
数 学 的 な 処 理 で,数
ベ ク トル の 計 算 で も あ る 。
加え る
A+1={1,2,3,4,5,6} (16) 定 数3を
掛 ける
3A={0,3,6,9,12,15} (17)
(2.22)
要 素 毎 に加 え る
A+{0,1,2,6,7,8}={0,2,4,9,11,13} (18)
(2.23)
要 素 毎 に掛 け る A*{0,1,2,6,7,8}={0,1,4,18,28,40}
(2.24)
問12 上 の(1)か
ら(18)の
操 作 が 正 しい こ とを確 認 せ よ。
リ ス ト処 理 を 利 用 し て 問 題 を 解 決 して み よ う。
〔 例 題10〕
通 勤,普
通,特
時 と 減 加 速 度rm/s2で ま で の 時 間 に(空
急,新
幹 線 の 各 電 車 は,そ
あ る。 ま た,運
走 時 間)p秒
れ ぞ れ 次 の 初 速 度υKm/
転 士 が気 づ い てか ら ブ レー キ が作 動 す る
か か る。 表2.14 電 車 の停 止 能 力
運 転 士 が気 づ い て か ら停 止 す るま で の距離sは 次 の式 で表 され る。
(2.25) 初 速 度υ と減 加 速 度rを 式(2.26)と
す る と き,各 電 車 の 停 止 距 離sを 求 め よ。
(2.26) 〔解 〕In[20]:=v={100,110,130,240};r={1.0,1.1,1.3,0.7}; In[21]:=u=v*1000/3600.0 Out[21]:={27.7778,30.5556,36.1111,66.6667} In[22]:=u^2/2/r+2u Out[22]:={441.358,485.494,573.765,3307.95} 通 勤 は441m,普 〔例 題10〕
急 は574m,新
で 扱 っ た リ ス ト(2.26)を
数 の デ ー タを一 括 ま たMathematicaで
通 は485m,特
幹 線 は3308mで
数 ベ ク ト ル と も い う 。 数 ベ ク ト ル は,多
して 扱 う の に 便 利 な 表 現 で あ る 。 は,次
停 止 す る。
の よ う な 内 積 の 計 算 もで き る 。
{1,2,3,4}.{−2,1,3,5}=1・(−2)+2・1+3・3+4・5=29
[3]
行 列 表 現
多 数 の デ ー タが あ る と き,項 目別 に分 類 して 表 の形 に表 す こ とが あ る。 こ う し た 手続 きを デ ー タ の構 造 化 とい う。 構 造化 した デ ー タの処 理 を考 え よ う。 例 え ば,あ
る学 校 で あ る学 年 の3ク ラ ス の,各 学 期 の成 績 は次 のよ うで あ った。 表2.15 1学 期 の成 績
表2.16 2学 期 の 成 績
(2.27)
図2.14
行
列
図2.14の よ うに,表 の枠 を取 り去 り数 ベ ク トル を 何 行 か 重 ね た デ ー タ の 集 ま り を行 列 と い う。 上 の表 で は,同
じ位 置 に あ る デ ー タ同士 を足 して2で 割 れ ば1,
2学 期 の平 均 に な る。 同 じ位 置 に あ るデ ー タ同士 の足 し算 を行 列 の 加 法 と い う。
(2.28)
同 じ位 置 に あ る デ ー タ同 士 の実 数 倍 を行 列 の 実 数 倍 と い う。
(2.29)
こ う して,各 教 科 の平 均 値 が 求 め られ る。
表2.17 成 績 の平 均 値
Mathematicaで
は,リ
ス ト の リ ス トで 行 列 を 作 る 。
In[23]:=a={{6.2,7.1,5.8],{6.4,6.5,7.0},{6.6,6.8,6.6}}; MatrixFormで
行 列(2.27)と
同 じ表 現 に な る 。
In[24]:=MatrixForm[a] Out[24]=6.2
7.1 5.8
6.4 Mathematicaで
6.5
7.0
6.6 6.8
6.6
の 行 列 の 加,減,定
〔例 題11〕Mathematicaで,表2.15,表2.16の 〔解 〕
行 列a,bを
数 倍 は リ ス ト処 理 で 簡 単 に で き る 。
学 期 の平 均 値 を 求 め よ。
次 の よ う に決 め る 。
In[25]:=a={{6.2,7.1,5.8},{6.4,6.5,7.0},{6.6,6.8,6.6}};
In[26]:=b={{6.4,7.1,5.6},{6.4,6.7,6.8},{6.4,7.0,6.8}};
式(2.28),式(2.29)を
次 の よ うに して計 算 す る。
In[27]:=p=(a+b)/2
結 果 を行 列 の 形 で 表 現 す る。 In[28]:=MatrixForm[p] Out[28]=6.3
問13 表2.15,表2.16に き,1,2,3学
7.1
5.7
6.4
6.6
6.9
6.3
6.9
6.7
続 き,3学
期 の 成 績 が 表2.18,そ
期 の 成 績 の 平 均 値 を 求 め よ。
の 行 列 を 図2.15の
よ うにす ると
表2.18 3学 期 の成 績
図2.15 〔注 〕Mathematicaで
は,変
数 はa,b,x1な
3学 期 の 成 績 の 行 列
ど の 小 文 字 を 用 い,組
込 み 関 数 や 定 数E,Pi
な ど との混 同 を避 け る。
[4]
移 動 の表 現
移 動 の よ うす を数 学 的 に行 列 を用 い て表 現 してみ よ う。 (1) 経 路 A市,B町,C村
を結 ぶ 交 通 経 路 が あ る。A市
は市 内 バ ス が あ り,A市
町 を結 ぶ鉄 道 とバ ス が あ る。 ま た C村 とA市,C村
とB町
とB
を結 ぶ 交 通 経 路 は バ
ス しか な い とす る。 この と きの 経 路 は図2.16の よ うに示 され る。
図2.16
A市B町C村
の経路
点 と経 路 か らな る 図2.16を
図2.17
グ ラ フ と い い,交
通,通
信,食
2部
グ ラ フ
物 連鎖 な どを表現
す る の に 使 う 。 グ ラ フ で 点 を 頂 点,ABな
ど の 経 路 を 辺 と も い う 。A市
路 の よ う な 経 路 を ル ー プ と い う。 ま た,こ
の 関 係 を 時 間 的 な 推 移 で 見 る と 図2.17
の よ う に な り,こ
れ を2部
グ ラ フ と い う。 図2.16で
はA→A,A→B,A→Cの
経 路 の 本 数 が そ れ ぞ れ1,2,1で
あ る 。 こ う し た 関 係 は 表2.19の
れ,そ
よ う な 行 列 が で き,こ
の 枠 を 取 り去 る と 図2.18の
の循環 経
形 にま とめ ら
れ を 隣 接 行 列 と い う。
表2.19 経 路 の本 数
図2.18
問14 次 の グ ラ フはA市,B市,C町
隣 接 行 列
のバ スの 路線 を 表 して い る。 これ を 行列 で 表 せ。
図2.19
(2)
方 向 つ き経 路
あ る 公 園 で は,入
図2.20
り 口Aか
ら 出 口Cま
有向グ ラフ
で の 経 路 が 図2.20の
図2.21
よ う に な っ て い る。
隣 接 行 列2
一 方 向 だ け の経 路 を含 む グ ラ フを有 向 グ ラ フ と い う。 図2.20の 行 列 で図2.21の よ うに表 す こ とが で き る。 行 列 の第i行j列
有 向 グ ラフ も
の数 を第ij成 分 と い
う。 図2.16の
よ う に,向
ij 成 分 と第ji成 〔 例 題12〕
き が な い グ ラ フ を 無 向 グ ラ フ と い い,無
分 の 値 は 同 じに な る。
次 の 行 列 に 対 す る グ ラ フ を 求 め,ル
図2.22
〔 解〕
こ の 行 列 の グ ラ フ は 図2.23の
図2.23
図2.23か
向 グラフの第
ら,ル
ー プ と両 方 向 の経 路 を調 べ よ。
隣 接 行 列2
よ う に な る。
行 列 か ら作 る グ ラ フ
ー プ の あ る頂 点 はA,両
方 向 の 経 路 はABとACで
問15 次 の 各 隣 接 行 列 を グ ラフで 表 した と き に,ル ー プ の あ る頂 点,お
あ る。
よ び両 方 向 の経 路
を 調 べ よ。
(2)
(1)
(2)
2回 の 経 路 A→B→A,B→A→Cの
よ う に,2回
の 経 路 で 目 的 地 に 行 く経 路 の 本 数 を 数
え よ う。 そ れ に は,図2.17の2部
グ ラ フ を2回
重 ね れ ば よ い。
図2.24
〔 例 題13〕
図2.24を
参 考 に して,2回
2回 た ど る 経 路
た ど る経 路 の 推 移 行 列 を 求 め よ 。
〔 解1〕 A→Aは1・1+2・2+1・1,A→Bは1・2+2・0+1・1,A→Cは1・1+2・1+ 1・0 他 の 経 路 も 同 様 に し て 求 め ら れ る。 そ の 隣 接 行 列 は 次 の よ う に な る 。
(2.30)
〔解2〕
行 列 の積 を用 い る。 In[31]:=MatrixPower[a,2]//MatrixForm Out[32]=6
3 3 3 5 2 3 2 2
問16
図2.24を
参 考 に して 図2.16の
経 路 を3回
た ど る 経 路 の 本 数 を 行 列 で 表 現 せ よ。
式(2.30)か
ら,行
列 の積 は次 の よ うに作 られ る。
(2.31)
練 習問題 1. 地 球上 で,夜 明 け は昼 と夜 の境 界 で あ り,一 定 の 速 度 で 東 に移 って い く。 地 球 の 赤 道 半 径 を6378Kmと
した と き,赤 道 上 の夜 明 け の 速度 は 毎 時何Kmに
な るか 。 ま た,毎
秒 何 メ ー トル に な るか。 2. 7進 法 で 書 く と43で あ る数 は,5か
ら9の 何 進 法 で書 く と位 の数 が入 れ替 わ るか 。
3. 120人 の 生 徒 が,英 語,数 学,国 語 の試 験 を受 け,50点 56(人)で
あ った とい う。 ま た,す べ て の試 験 が50点
の 試 験 が50点
以 上 の生 徒 が33人
以 上 の人 数 は それ ぞれ55,60,
未満 の生 徒 が25人,ど
れ か1つ
で あ った。 この と き,す べ て の 試 験 で50点
以 上 とっ
た 生 徒 は何 人 い る か。 4. 五 線 譜 の 中間 に あ る ラ の 音 の 周 波 数 は440MHzで (下)の
周 波 数hn(n=−4,−3,…,4)を 帰 関 係 で,ま 図2.25は
と き,こ C,Dと
れ よ りnオ
ク タ ー ブ上
周 波 数 は次 の よ うに な って い る。 表2.20
5.
あ り,そ
たnの
ラの 音 の 周 波 数
プ ロ ッ ト して 関 数 の よ う す を 調 べ よ 。 ま た,hnを
食 物 連 鎖 の グ ラ フ で あ る 。 例 え ば 猫 が ネ ズ ミ を 食 物 と す る こ と を1で の グ ラ フ を 行 列 で 表 現 せ よ 。 た だ し,猫,鼠,ト
す る。
再
式 で 表 せ。
カ ゲ,昆
表 す
虫 を そ れ ぞ れA,B,
図2.25
6. 次 の 図 は,A,B,C,D4地
食物連鎖
点 の経 路 の 方 向 と本 数 を示 す 有 向 グ ラ フ で あ る。 こ の グ ラ
フを 行 列 で 表 現 し,経 路 を ち ょ うど2回 経 由 す る グ ラ フの 行 列 を 求 め よ。
図2.26
第3章 数 え上 げの方法 もの の 個 数 を数 え る方 法 を調 べ,数 学 的 に ま と め よ う。 ま と め た もの は組 合 せ 論 と 呼 ば れ る分 野 に な る。 〔 注 〕3章
以 降 は,Mathematicaに
現 れ るIn[]:=お
よ びOut[]=を
省 略 す る。
3.1 い ろ い ろ な 数 え 方 数 え 方 の問 題 は,主 な もの に,数 に結 びつ け る問 題,順 列 ・組 合 せ の問 題,多 項 式 の係 数 の問 題 な どが あ り,数 え上 げ を探 求 す る と きの基 本 的 な思 考 の道 具 に な って い る。 [1]
兵 士 と 石(1対1対
応)
ジ ンギ ス カ ンが ヨー ロ ッパ を征 服 す る途 上,パ
ミー ル高 原 の あ る峠 を越 え る と
き,兵 士 一 人 に一 個 小 石 を持 た せ,峠 に置 か せ て兵 士 の人 数 を数 え,1年
後,遠
征 の 帰 路 に同 じ峠 を通 った と きに,積 ん で あ った小 石 を持 た せ,不 帰 の兵 士 の人 数 を 数 え た と い う記 録 が,ヘ デ ィ ンの 中央 ア ジア探 検 記 に あ る。 〔 例 題1〕
前 述 の記 録 で,ジ
帰 り に残 っ た小 石 が2465で
ンギ ス カ ンの兵 士 が 行 きに小 石 を1万2000個
積 み,
あ った とい う。 何 人 の兵 士 が モ ン ゴ ル に帰 っ た こ と
に な るか 。 〔解 〕12000−2465=9535(人)
図3.1
峠 に 積 ん だ 小石
〔 例 題1〕 で は,兵 士 を 小石 に対 応 させ て そ の 人 数 を 数 え た こ と に な る。 こ う した や りか た を 兵 士 と小 石 との1対1対
応 と い う。 数 を知 らな い古代 の羊飼 いが,
朝 羊 を放 す と き に石 を 対 応 させ,夕 方 に 羊 の 分 だ け石 を除 いて 迷 った羊 を数 え た 方 法 も これ と同 じで あ る。1対1対
応 で う ま く数 え るや り方 は 〔例題20〕 の 重 複
組 合 せ で も利 用 し,こ う した方 法 を 組合 せ論 的 方 法 と い う。 問1 次 の ものを数え る方 法をあげよ。 (a) あ る学校 の 自転 車通学 する人数 (b) 夏 の甲子 園47校 で行 う野球 の トーナメ ン ト戦 の試合数 [2]
指 で 数 え る(積
の 法 則)
もの を数 え や す くす るた め に,身 近 な もの を使 った り,ま とめ て数 え るな ど数 え方 を工 夫 す る こ とが あ る。 そ の典 型 例 と して,指 を 使 った 数 え 方 を 調 べ よ う。 〔 例 題2〕
片 手 の 指 を使 い,ど
〔 解 〕 指 の数,そ
う数 え れ ば,い
ろ ば ん の や りか た,2進
くつ まで 数 え られ るか調 べ よ。
数 で 調 べ る。
(a) 指 の 本数 を数 え る と5ま で 数 え られ る。 (b) そ ろ ば ん の数 え方 で は9ま で 数 え られ る。 (c) 図3.2の よ うに数 え る と各 指 の使 い方 は2通 2×2×2×2×2=32通
りず つ あ る ので,
り数 え られ る。
図3.2で 指 を全 部 広 げ た と き0と す る と き31ま で数 え られ る。
図3.2
(c)の
片手の数え方
数 え 方 が 最 大 で あ る 。(c)は2進
法 で 数 え て い る。
問2 両 手 の指 を使 って数 を数 え る の に,図3.2の
よ うな2進 法 で は い くつ ま で 数 え られ
るか 。 ま た,蛙 の 前 足4本 ず つ で い くつ まで 数 え られ るか。 片 手 の 各 指 の 使 い 方 は,互
い に 無 関 係 に2通
りず つ 数 え る(図3.3)。
こ う した
数 え 方 を 積 の 法 則 と い う。 小 指 薬 指 中 指 人 差 し指
親指
2×2×2×2×2=32(通
り)
図3.3
積 の 法 則;Aの
起 こ る 場 合 がm通
の と き,A,Bの
〔 例 題3〕
集 合A={1,2,3,4}に
指 の 使 い方
り,各
場 合 に 対 しBの
起 こ る場 合 はm×n通
は,空
起 こ る 場 合 がn通
りあ る。
集 合 φ={},{1},{3,4},A自
の 部 分 集 合 が で き る 。 そ れ は 全 部 で い くつ あ る か 。 〔 解 〕1,2,3,4を,次
の 例 の よ う に し て5桁
り
以 下 の 数 字 に 置 き 換 え る。
身 な ど
例 え ば,{4,3,1}→1413011 {2,3,4}→0111 A={1,2,3,4}→1111 空 集 合 φ={}→0000 そ の 個 数 は,2進
数 で0か
の 個 数 だ か ら,16通
りあ る。
〔 例 題3〕
ら1111ま
で は 部 分 集 合 を2進
で
数 に1対
図3.4
部分集合
1対 応 さ せ て 数 え た 。 こ れ も組 合 せ 論 的 な 考 え 方 の例 で あ る。 問3 東 京― そ れ ぞ れ8社
香 港,香
港―
と6社 が,東 京―
バ ンコクに は バ ンコ ク の 直
行 便 に は5社 が乗 り入 れ て い る。 この と き,次 の 問 い に答 え よ。 (a) 東 京―
バ ン コ クの片 道 切 符 の買 い 方
は何 通 りあ る か。 (b) 最 も安 い切 符 を 買 い たい。何 回の チ ェ ッ ク で わ か るか。 図3.5
問4 あ る人 が,3着
飛 行 機 の乗 り入 れ
の コ ー トと4着 の セ ー タ ー を持 って い る と き,次 の 方 法 は何 通 りあ る
か。 (a)
コー トとセ ー タ ーの 組 合 せ の方 法
(b)
コー トとセ ー タ ーの 一 方 だ けを着 る と きの方 法
[3]
分 類 し て 数 え る(和
の 法 則)
デ ー タの 個 数 を 数 えて 全 体 の よ うす を 知 る場 合,何 か の 指 標 で 分 類 して 調 べ る こ とが あ る。 こ う した方 法 は,後 の 確 率 や 統 計 の 探 求 活 動 につ なが る。 〔 例 題4〕
あ る学 校 の生 徒 の血 液 型 は次 の よ うで あ った。 調 べ た生徒 数 は何人 か。
A型51人,B型23人,AB型12人,O型42人,不
明な し
〔 解 〕 全 体 を調 べ た生 徒 をU,そ
の 人数 をn(U)と
表 せ ば,
n(U)=51+23+12+42=128人 〔 例 題4〕
で は,表3.1の
よ う に 全 体 をA,B,AB,Oで
れ ぞ れ の 型 の 人 数 をn(A),n(B),n(AB),n(O)と
重 複 な く分 類 で き る 。 そ 表 せ ば,次
の 式 が 成 り立 つ 。
(3.1) 表3.1 血 液 型 の 人 数
次 に,重 複 した 分 類 を行 っ た場 合 につ いて 考 え よ う。 〔 例 題5〕 (a) (b)
あ る 用 紙1000枚 A:キ
ズ が あ る;11枚,B:厚
(a)に
加 えC:材
質 不 良;2枚,キ 〔 解 〕(a)
の 不 良 品 が 次 の よ うに な った。 各 不 良 枚 数 を求 め よ 。 み 不 足 ;6枚,キ
質 不 良;4枚,キ
ズ が あ り厚 み 不 足;4枚
ズ あ り材 質 不 良;2枚,厚
み不 足材
ズ あ り 厚 み 不 足 材 質 不 良;1枚
キ ズ が あ り厚 み 不 足 はA∩Bだ
不 良 品 の 枚 数 は,図3.6か
か ら,
ら (3.2)
[枚] (b)材
質 不 良 をCと
す れ ば,
不 良 品 の 枚 数 は,図3.7か
ら,
(3.3)
[枚]
図3.6
式(3.2),式(3.3)を,数
図3.7
え 上 げ にお け る和 の 法 則 とい う。
問5 40人 の生 徒 に第1問;5点,第2問;3点,第3問;1点
の小 テ ス トを 行 い,表3.2
の よ うに な った。1問 だ け正 解,お よ び 第3問 正 解 の人 数 を そ れ ぞ れ求 め よ。 表3.2 数 学 の 得 点
問6 1か ら100ま での 自然数の中で次の数 の個数 を求 めよ。 (a) 2,3,7の どれで も割 り切れ る数 (b) 2,3,7の どれかで割 り切 れる数 問5は 重 複 が な い分 類 の例 で,問6は [4]
必 要 な も の を 数 え る(鳩
暦 の計 算 を す るた め に考 え られ て きた。 の 巣 原 理)
学 校 にパ ソ コ ンを 入 れ る と き,生 徒 の人 数 分 だ け入 れ る必 要 は な い。 それ は, 主 に,全 ク ラス 同時 に使 う こ とが な い た め で あ る。 こ う した場 合 の個 数 と組 合 せ 方 の問 題 を解 決 しよ う。 そ の原 理 を探 る と鳩 の巣 原 理 に た ど りつ く。 〔 例 題6〕
あ る学 校 で は最 大3台 の パ ソ コ ンが 同時 に プ リン タを使 うだ け で あ る
と い う。10台 のパ ソ コ ン と3台 の プ リン タを購 入 し,パ
ソ コ ンと プ リ ン タ を 直
接 つ な ぐシ ス テ ム を構 築 す るに は,各 プ リ ンタ にパ ソ コ ンを最 低 何 台 ず つ つ な げ ば よ いか。
図3.8
パ ソ コ ン とプ リン タ の接 続
〔 解 〕 次 の 手 順 で 考 え る。 ① あ る プ リ ン タ に7台
以 下 の パ ソ コ ンを つ な ぐ と す れ ば,3台
こ の プ リ ン タ と つ な が っ て い な い 。 こ の3台 を 要 求 し た と き,残 ゆ え に,各 ② 逆 に,各
り の2台
プ リ ン タ に8台 プ リ ン タ に 表3.3の
以 上 の パ ソ コ ンが
以上 のパ ソ コ ンが 同時 に プ リン タ
の プ リ ンタで は処理 が で きな い。
以 上 の パ ソ コ ン を つ な ぐ必 要 が あ る 。 よ う に8台
ず つ つ な げ ば,ど
要 求 し て も対 応 で き る。 こ こ に ○ は つ な が り,×
の3台
が プ リ ン タを
は つ な が って い な い こ と を
示 す。 ③ した が っ て8台
ず つ パ ソ コ ンを つ な げ ば よ い 。 表3.3 プ リ ン タ とパ ソ コ ンの接 続 例
〔 例 題6〕 と も2台
で は,3台
の パ ソ コ ン に2台
の パ ソ コ ンが1台
の プ リ ン タ を つ な ぐ と,そ
の中で少 な く
の プ リ ン タ を 同 時 に 使 う こ と に な る。 こ れ を 鳩 の 巣 原
理 〔 注1〕 と い う。 〔 注1〕
鳩 の巣 原 理
n個 の 巣 に(n+1)羽
の鳩 が 入 る と き,少 な くと も2羽 の鳩 が 同 じ巣 に入 る。
図3.9
問7〔
例 題6〕 で10台
鳩の巣原理
の パ ソ コ ンと4台 の プ リンタ が あ り,同 時 に4台
の パ ソ コ ンが プ
リ ン タを要 求 す る条 件 の と き,プ リ ンタ とパ ソ コ ンを 接 続 す るケ ー ブル は最 低 何 本 必要 か。 5台 の プ リ ン タが あ り,同 時 に5台 のパ ソコ ンが プ リン タを要 求 す る場 合 は ど うか。
3.2 順 列 も の や デ ー タ を 並 べ る方 法 お よ び 並 べ た 個 数 に つ い て 調 べ よ う。
[1]
辞 書 式
に 並 べ る
Mathematicaで 〔 例 題7〕
デ ー タ を 昇 順 に 並 べ る手 順 に つ い て 考 え よ う。
数1,2,4,5を
す べ て 使 っ て4桁
の 数 字 を 作 り,こ
れ を 小 さ い順 に 並 べ
よ。 〔 解 〕4桁
の 数 を 小 さ い 順 に 並 べ る と表3.4の 表3.4
表3.4の
よ う に な る。
順列
並 べ 方 を 昇 順 に 並 べ る と い い 各 数 そ れ ぞ れ を 順 列(Permutation)と
い う。 Mathematicaで で 表3.4の
は,Permutations[{1,2,4,5}]
順 列 を す べ て 表 す 。 こ こ で,例
1→4,2→5,4→2,5→1と
え ば4521は
図3.10の
あ み だ く じで
い う置 き 換 え と 考 え る こ と も で き,こ れ を 置 換 と い う。
図3.10
一 方,a,b,cと
あ み だ く じの 置 換
い う文 字 に つ い て,Permutations[{a,b,c}]で
べ た デ ー タ は次 の よ う に6個
こ の3つ
を並
の 順 列 に な る。 こ の 並 べ 方 の 順 序 を 辞 書 式 順 序 と い
う。
(3.4) 問8 あ る人 が,奈 良,京 都,大 阪,和 歌 山 に行 く こと に な っ た。 そ れ ぞ れ をN,K,O,W と す る と き,訪 問 の仕 方 を辞 書 式 に並 べ,そ
[2]
の個 数 を調 べ よ。
樹 形 図 で数 え る
順 列(3.4)を
図3.11の よ うに 並 べ る と順列 を もれ な く表 す こと が で き る。 こ
の形 を樹 形 図 とい う。
図3.11
図3.11で,① ぞ れ に1個
は3本
あ り,②
樹
形
図
は ① の そ れ ぞ れ に つ い て2個,③
は ② の それ
ず つ あ る 。 積 の 法 則 か ら次 の 式 が 成 り立 つ。
(3.5)
〔 例 題8〕a,b,c,d,e,fの6都 個 数6P3を
の
求 め よ。
図3.12
〔解 〕
市 か ら3都 市 を 選 ん で 巡 回 す る 方 法 を 調 べ,そ
6都 市 の 巡 回
巡 回a→b→c→aはabcと
図3.13
表 せ,そ
で 並 べ る 順 列 全 体 の 個 数 と 同 じ く,図3.13か
6個 か ら3個 選 ぶ 樹 形 図
の 個 数 はa,b,c,d,e,fか ら120通
ら3つ
選 ん
り にな る。
(3.6) 問9 奈 良,京 都,大 阪,和 歌 山 をN,K,O,Wと
す る と き,こ こか ら2市 を選 ん で訪 問 す
る方 法 をす べ て あ げ,そ の 個 数 を 求 め よ。 n個
の 異 な る も の か らr個 取 り 出 し て 並 べ る順 列 の 個 数nPrは
次 の よ うに 表 さ
れ る。
(3.7)( 3.8)
Mathematicaで
〔 例 題9〕30人
は,式(3.8)を
用 い て順 列 の個 数 を求 め る ことが で きる。
の ク ラ ス の 中 か ら10人
を 選 ん で 並 べ る 方 法,25人
る方 法 を そ れ ぞ れ 求 め よ 。 〔 解 〕 式(3.8)n=30とr=10お 30!/(30−10)! 109027350432000
よ びr=25を
代 入 す る。
を選 ん で 並 べ
30!/5!
2210440498434925488635904000000
順 列 の 個 数nPrは,n値
が 大 き く な る と 急 激 に 大 き く な る 。Mathematicaは
そ
れ ら を 正 確 に 表 示 す る こ と が で き る。
問10
次 の個 数 を求 め よ。
(a)
1,3,5,7,9の
(b)
メ ンバ ー が15人
(c)
い ろ は48文
[3]
順
列
数 字 で 作 る3桁
を 作
記 を選 ぶ 方 法
る
の 個 数 を 調 べ よ う。
全 部 並 べ た 順 列,お
Mathematicaで
議 長,書
字 を選 ん で 並 べ る方 法
順 列 を 作 り,そ
〔例 題10〕a,b,c,dを
よ び そ こ か ら2個
選 ん で並 べ た順 列 を
作 って各 個 数 を求 め よ。
〔解 〕a,b,c,dを
全 部 並 べ た 順 列sと
そ の 個 数 は 次 の よ う に して で き る。
s=Permutations[{a,b,c,d}]
{{a,b,c,d},{a,b,d,c},{a,c,b,d},{a,c,d,b},{a,d,b,c},
{a,d,c,b},{b,a,c,d},{b,a,d,c},{b,c,a,d},{b,c,d,a},
{b,d,a,c},{b,d,c,a},{c,a,b,d},{c,a,d,b},{c,b,a,d},
{c,b,d,a},{c,d,a,b},{c,d,b,a},{d,a,b,c},{d,a,c,b},
{d,b,a,c},{d,b,c,a},{d,c,a,b},{d,c,b,a}}
Length[s]〔
24
注1〕
の 順 列 は,順
列 の 前 半2個 Lengthで
の 委 員 会 で 議 長,副
字 か ら5,7,5の17文
Mathematicaで
2個
の整 数 の個 数
列 の 集 ま りsに
の デ ー タ を取
つ い て,Map[Take[#,2]&,s]でsの
り 上 げUnionで
求 め る。 s=Permutations[{a,b,c,d}]; t=Map〔 u=Union[t]
注2〕[Take[#,2]〔
注3〕 &,s];
重 複 を 除
く 。 ま た,順
各 順 列 の 個 数 を
{{a,b},{a,c},{a,d},{b,a},{b,c},{b,d},{c,a},{c,b},{c,d},
{d,a},{d,b},{d,c}}
Length[u]
12
〔注1〕Length[リ
ス ト]は,リ
〔注2〕Map[関 け て,リ
数f,{1s1,1s2,…}]は,関
ス ト{f[1s1],f[1s2],…}を
〔注3〕Take[#,2]&は,目
問11
[4]
ス トの 中 の 要 素 の 数 を 数 え る。
1,3,5,7,9の
重
複
数fを
標 と さ れ て い る リ ス トの 前 の2項
数 字 か ら と っ た2桁
順
リ ス ト{1s1,1s2,…}の
各 要素 にか
結 果 と して 出力 す る。
の 数 をMathematicaで
を 取 り上 げて 出 力 す る。
作 り,そ
の個 数 を求 め よ。
列
い く つ か の も の を 重 複 し て 使 っ て 並 べ る 順 列 を 重 複 順 列 と い う 。Mathematica で 重 複 順 列 を 作 り,そ
〔例 題11〕
の 個数 を求 め よ う。
ト ラ ン プ52枚
〔解 〕 ハ ー トa,ダ
か ら3枚
イ ヤb,ス
選 ん で 並 べ た と き,並
ペ ー ド c,キ
ン グdの
べ 方 と個 数 を求 め よ。
並 べ 方 は 次 の よ う に な る。
aaa,aab,aac,aad,aba,abb,abc,abd,aca,acb,acc,acd,ada,adb,adc,add baa,bab,bac,bad,bba,bbb,bbc,bbd,bca,bcb,bcc,bcd,bda,bdb,bdc,bdd caa,cab,cac,cad,cba,cbb,cbc,cbd,cca,ccb,ccc,ccd,cda,cdb,cdc,cdd daa,dab,dac,dad,dba,dbb,dbc,dbd,dca,dcb,dcc,dcd,dda,ddb,ddc,ddd
図3.14
カ ー ド3枚 の 順 列
積 の法 則 を使 って その 個 数 を求 め る。 1,2,3枚 目の選 び方 は互 い に無 関係 だ か ら, 4×4×4=64[通 り]
(3.9)
こ う し た 並 べ 方 を 重 複 順 列 と い う。 問12 次 の個 数 を求 め よ。 (a) (a+b)(c+d+e)を
展 開 した と きの 項 の 個 数
(b) 0,1,2を 何 回使 って もよ い と き で き る3桁 の数 の個 数
〔 例 題12〕
ハ ー トの 札 を3枚,ダ
図3.15
〔解 〕
ハ ー トaを3枚,ダ
イ ヤ の 札 を2枚
ハ ー ト3枚
イ ヤbを2枚
並 べ る方 法 と そ の個 数 を求 め よ 。
ダ イヤ2枚
の 順列
辞 書 式 の 順 序 に 並 べ る と 次 の よ う に な る。
p=Permutations[{a,a,a,b,b}] {{a,a,a,b,b},{a,a,b,a,b},{a,a,b,b,a},{a,b,a,a,b}, {a,b,a,b,a},{a,b,b,a,a},{b,a,a,a,b},{b,a,a,b,a}, {b,a,b,a,a},{b,b,a,a,a}} Length[p] 10 〔例 題12〕
の 数 え 方 は次 の よ う に 考 え る。
①a3枚,b2枚
が み な 区 別 で き る と しa1,a2,a3,b1,b2と
順 列 の 個 数5!通 ②
し か し,実
a1,a2,a3の b1,b2の
す る。 これ らを 並 べ る と
りに な る。
際 に は 区 別 で き な い。 並 べ 方3!=6通
並 べ 方 も2!=2通
り が 重 複 す る(図3.16)。 り が 重 複 す る(図3.17)。
③ 重 複 の 個 数 を 除 く。
(3.10)
図3.17 図3.16
ダイヤのダブ リ
ハ ー トの ダ ブ リ
同 じ もの の重 複 を許 して並 べ る方 法 は次 の式 で表 す こ とがで きる。
重複 順列1
;a1,a2,a3,…,anか
ら合 わ せ てr個 選 び,重
複 を 許 して 並 べ る 方 法 は ,
nr通 り
(3.11)
重複順列2 ;aをm個bをn個
並 べ る方 法 は,
通り
(3.12)
問13 ハ ー トと ダ イ ヤの だ け の札 で,次 の 方 法 の 個 数 を 求 め よ。 (a) ハ ー ト7枚,ダ
イ ヤ6枚 を 並 べ る方 法
(b) ハ ー トと ダ イ ヤ合 わ せ て13枚
を並 べ る方 法 。
これ まで に示 した考 え 方 で 問 題 を 解 いて み よ う。
〔例 題13〕aを3つ,bを2つ,cを2つ 〔解1〕Mathematicaで
並 べ る重 複 順 列 と その 個 数 を求 め よ。 順 列 を 作 り,そ
の個 数 を求 め る。
s=Permutations[{a,a,a,b,b,c,c}]; Length[Union[s]] 210
〔 解2〕Mathematicaの
多重 順 列 の 式 で 求 め る。
Multinominal[3,2,2]
(3.13)
210 〔 解3〕
〔 例 題12〕
の 考 え 方 ① ② ③ で 求 め る。
①a3つ,b2つ,c2つ
が 区 別 で き る と す れ ば,順
列 は(3+2+2)!通
り あ る。 ②a3つ,b2つ,c2つ
は 区 別 で き な い の で3!2!2!通
③ こ の 順列 の個 数 は〓
り ず つ 重 複 す る。
[通 り]
重 複 順 列 の 個 数 に な る典 型 的 な 問 題 を あ げ て お こ う。 こ れ ら の 問 題 も 考 え 方 ① ② ③ で 解 決 す る ことが で きる。
問14 次 の 数 を,ヒ (a) 図3.18の
ン トを もと に して 求 め よ。 よ う に,碁 盤 の 目状 の 街路 が あ る。Aか
らBに
行 く最 短 経 路 は何 通 り
あ るか。 ヒ ン ト;縦1区 (b) (x+y)11の
画 をa,横1区
画 をbと す る。
展 開式 でx4y7の 係 数 を 求 め よ。
ヒ ン ト;(x1+y1)(x2+y2)(x3+y3)…(x11+y11)の
係 数 を 考 え る。
図3.18
問15 次 の個 数 を 求 め よ。 (a)
モ ー ル ス信 号 ・と−5つ
で何 通 りの信 号 が で き るか 。
(b) 16進 数 の4桁 の最 大 の数 は10進 数 で い くつ か。
3.3 組 合 せ n個 の 異 な る ものか らr個 取 り出 す組 合 せ とそ の個 数 に つ い て 調 べ よ う。 [1]
組 合 せ の 個 数
い ま,人 口 な どの 調査 の ためa,b,c,d,e,f の6都 市 か ら3都 市 を選 ぶ ことにな っ た と しよ う。 表3.5の20通
りの 中 か ら選 べ る。
表3.5 3個 と る組 合 せ
〔 例 題14〕a,b,c,d,e,fか 〔 解1〕
ら3つ
選 ぶ 方 法 と そ の 個 数 を 求 め よ。
樹 形 図 で 調 べ る と次 の よ う に な り,そ
図3.19
〔 解2〕a,b,c,d,e,fか こ こ で,例
え ばabcと
abc acb bac bca 他 の 場 合 も 同 様 に3!通 ,b,c,d,e,fか
の 個 数 は20通
り。
組み合せ の樹形図
ら3つ 選 ん で 並 べ る方 法 の 個 数 は6P3=120通 い う組 合 せ を 選 ぶ と き,そ cab
の 順 列 は 次 の6通
り。 りあ る。
cba
り ず つ あ る。a
ら3つ 選 ん で 並 べ る 方 法 の 個 数 は [通 り]
〔 解3〕Mathematicaで,組
(3.14)
合 せ の 関 数 を 使 う。
Binomial[6,3]
20
n 個 の 異 な る も の か らr(≦n)個
を選 ぶ 組 合 せ の個 数 は
(3.15) 次 に,組 合 せ の 個 数 の 典 型 的 な 問題 を取 り上 げ て み よ う。
〔例 題15〕a,b,c,d,e,fを
頂 点 と す る 凸 六 角 形 の 辺 お よ び 対 角 線 は何 本 あ る か 。
図3.20
〔 解 〕 辺 お よび 対 角 線 は,6個
凸六角形
の デ ー タか ら2個 選 ぶ 組 合 せ だ か ら,そ の 個数 は,
[通 り]
問16 凸8角 形 か ら三 角 形 は何 個 で き るか 。 また,そ の 中 で3辺
と も この8角 形 の 辺 を 共
有 しな い もの は何 通 りあ るか。
組 合 せ の 個 数 を 求 め る 問 題 で,選
〔 例 題16〕6を4個 〔解1〕6を
ぶ も の に 着 目 し て 解 決 し て み よ う。
の 自然数 の和 で表 せ。
大 き い 自 然 数 の 順 に 並 べ る と3+1+1+1,2+2+1+1の
パ ター
ンが あ る 。 各 場 合 の 個 数 を 求 め る 。 3+1+1+1の
形 の 和 は 次 の よ う に な り,そ
の 個 数 は4!/3!=4通
り。
3+1+1+1,1+3+1+1,1+1+3+1,1+1+1+3 2+2+1+1の
形 の 和 は,2と1を2つ
通 り で き る。 全 部 で4+6=10通 〔 解2〕6を1の
ず つ 並 べ る重 複 順 列 だ か ら,
りあ る。
和 と す れ ば6=1+1+1+1+1+1で5つ
例1;3+1+1+1は(1+1+1)+1+1+1で5つ
の+が の+か
あ る。 ら3個
の+を
選 ん で い る。
例2;1+2+2+1は1+(1+1)+(1+1)+1で5つ
の+か
ら3個
の+
を選 ん で い る。 し た が っ て,全
部 で5C3=10通
り あ る。
〔 例 題16〕
の 問 題 を 整 数 の 分 割 問 題 と い い,こ
問17 7を4個
の 自然 数 の和 で表 す方 法 は何 通 りあ る か。ま た,1と+の
maticaで
[2]
の 他 に も 多 数 の 変 形 問 題 が あ る。
各 組合 せ をMathe
作れ。
組 合 せ を 作 る
Mathematicaで
組 合 せ を 作 ろ う 。 こ の 考 え 方 を 構 成 的 組 合 せ 論 と い う。
〔 例 題17〕a,b,c,d,e,fか
ら3個 選 ぶ 組 合 せ をMathematicaで
作 りその個数 を
求 め よ。 〔解 〕a,b,c,d,e,fか &,s]]で
問18 nCrの
ら3個 選 ん で 並 べ る 順 列 を 作 り,各
辞 書 式 に 並 べ 直 し,Unionで
1,3,5,7,9か
ら3個
〔例 題18〕nCrの
重 複 を 除 い て 求 め る。
を 選 ぶ 組 合 せ をMathematicaで
値 の 表 をMathematicaで
作 り,そ
の個 数 を 求 め よ。
作 ろ う。
表 をn=1,2,3,4,5,6,r=0,1,…,nに
〔解 〕MathematicaでBinomial[n,r]を
順 列 をMap[Sort[#]
つ い て作 れ。 用 い る。
(3.16)
図3.21
図3.21を
パ ス カ ル の三 角 形
パ ス カ ル の 三 角 形 と い い,パ
ス カ ル が 再 帰 関 係 を 探 っ て 明 らか に し
た 。
問19
次 の こ と が 成 り 立 つ こ と を,指
(a)
nCr=nCn-r,n=5,r=0,1,…,5
(b)
nCr+nCr+1=n+1Cr+1,n=5,r=0,1,…,5
[3]
定 し たnとrに
つ い て示 せ。
重 複 組 合 せ
い くつ か の もの を 重 複 して 選 ぶ 方 法 を 重 複 組 合 せ とい う。 例 え ば,5つ 5H3は,次
の 文 字 か ら重 複 を許 して3つ 選 ぶ重 複 組 合 せ の個 数 を5H3と 表 す。
の よ うに して求 め られ る。
〔 例 題19〕a,b,c,d,eか 〔 解 〕5つ
の文 字 を ○,異
ら重 複 を許 して3個 選 ぶ 重 複 組 合 せ の個 数 を数 え よ。 な る文 字 の境 界 を│で,最
も左 の ○ をaと
し次 の│
の す ぐ右 をb… … と表 せ ば,各 場 合 は次 の よ う に表 せ る。
図3.22
図3.22の
対 応 に よ っ て,5H3個
重 復 組 合 せ と○│の 対 応
の す べ て の 組 合 せ が3個
の ○ と4個
の│の
重
複 順 列 で 表 せ るか ら,1対1の
対 応 が で き,
〓つ ま り7C3=35個
に な る。
一 般 に次 の式 が成 り立 つ。
(3.17) 問20 0,1,2,3,4,5の6数
字 で 作 る3桁 の数 は何 通 り あ る か。 た だ し,(3の
位 の 数)≧(2
の位 の 数)≧(1の 位 の数)と し,同 じ数 字 を 何 回 使 って もよ い とす る。
整 数 解 の 方 程 式 の 解 の 個 数 を 重 複 組 合 せ で 考 え よ う。
〔 例 題20〕 変 数υ,w,x,y,zに
つ い て の方 程 式
(3.18) が あ り,0以
上 の整 数 だ けを と る とき の解 の個 数 を求 め よ。
〔解 〕υ=1,w=2,x=3,y=2,z=1と
い う 解 を 図3.23の(a)の
υ=0,w=2,x=3,y=4,z=0の
解 を 図3.23の(b)の
図3.23
逆 に,こ
う した○9つ
し た が っ て,こ 方 程 式(3.18)の
と│4つ
オ フ ァ ン ト ス 問 題 と い い,こ
よ うに表 す。
解 と○│の 対 応
の 各 重 複 順 列 が,上
の 方 程 式 の 解 は9C4=126個 よ う に,整
よ うに表 す 。
の 方 程 式 の 解 に対 応 す る 。
あ る。
数 の係 数 だ け の方 程 式 で整数 解 を求 め る問題 をデ ィ う した 見 方 で 考 え る方 程 式 を デ ィ オ フ ァ ン トス 方 程
式 と い う。 問21 方 程 式υ+w+x+y+z=20で,次
の条 件 を 満 た す 整 数 解 の個 数 を求 め よ。
(a) 解 は0以 上 の 整 数 (b) 解 は1以 上 の 整 数 Mathematicaを
用 い て 重 複 組 合 せ の 個 数nHr=n+r-1Crを
表 に して み よ う。
〔 例 題21〕
重 複 組 合 せ の 個 数nHrの
値 を1≦n≦5,0≦r≦5の
〔 解 〕 式(3.17)にn=1,2,3,4,5とr=0,1,…,5を
範 囲 で求 め よ。
代 入 し,余 分 な 括 弧 を 除 く。
(3.19) 〔注1〕
1 1
1
1
1
1
1 2
3
4
5
6
1 3
6 10
15
21
35
56
1 4 10
20
1 5 15 35
〔 例 題21〕 れ ば 図3.21の
70 126
の や りか た で 作 っ たnHrは
表3.6の
よ うに な る。 この 表 を 斜 め に 見
パ ス カ ル の 三 角 形 に な っ て い る。 表3.6 重 複 組 合 せ の個 数
〔注1〕
リス ト{{1,1,1,1,1},{1,2,3,4,5},{1,3,6,10,15},{1,4,10,20,35}}に//Table
‐ Formを
問22
つ け る と上 の よ う に 行 列 の 形 で 表 現 さ れ る 。
表3.6か
ま た,こ
ら1Hn,nH1,nHr+1+n+1Hrを
の 関 係 を 使 っ て 表3.6でn=6の
推 測 し,そ 行 をr=6ま
れ が正 しい こと を示 せ 。 で求 め よ。
3.4 多 項 式 と組 合 せ 多 項 式 の係 数 な ど と組 合 せ の関 係 につ い て調 べ よ う。 [1]
式 で表 す
次 の よ うな支 払 い方 法 を多 項 式 の係 数 で 考 え,Mathematicaで
解 いて み よ う。
〓
こ れ ら は 数 学 的 な 処 理 の 基 本 的 な 方 法 で も あ る。
〔 例 題22〕1円
玉5枚,5円
あ る か 。 ま た,支
玉3枚,10円
玉2枚
玉5枚
5円 玉3枚
の 支 払 い 方 法 をB={x0,x5,x10,x15}
10円 玉2枚
の 支 払 い 方 法 をC={x0,x10,x20}
の 支 払 い 方 法 を,リ
で 表 し,A,B,Cの
だ か ら,30円
を 払 う方 法 は 何 通 り
払 い 方 法 は全 部 で何 通 りあ るか 。
〔 解1〕1円
べ きa+b+cが
を 使 い30円
ス トA={x0,x1,x2,x3,x4,x5}
中 か ら1つ ず つ 選 ん でxa,xb,xcと
し た と き,そ
の 積xa+b+cの
支 払 い 金 額 に な る。x30の 選 び 方 を 調 べ る と,
の 支 払 い 方 は3通
りあ る。
支 払 い 方 法 全 部 は,x0=1と
お き,式(3.20)の
展 開 式 でxの
べ き を 調 べ る。
(3.20)
支 払 い 方 法 は,0円
か ら40円
Mathematicaで
は,次
ま で41通
の よ う に して 求 め る。
〔注1〕
〓〔注2〕〓
〔注1〕Apply[Plus,p]でp={x0,x1,x2,x3,x4,x5}の 〔注2〕//Shortで 〔解2〕30円
り あ る。
和を表す。
式 の 途 中 を 省 略 し,≪≫ の 支 払 い 方 法 は,デ
の 中 に残 りの項 数 を示 す。
ィ オ フ ァ ン トス 方 程 式
(3.21) を 満 た す 整数x,y,zを
す べ て あ げ れ ば よ い 。 そ れ に は,式(3.21)の
各x,y,zに
つ い て,x+5y+1Ozの 直 す 。 ま たUnionで
30は3つ
の 支 払 方 法 は3通
払 う方 法 は 全 部 で41通
〔 解1〕
作 り,か
っ こを と っ て昇 順 に並 べ
重 複 を 除 い て 支 払 い 方 法 の 個 数 を 求 め れ ば よ い。
あ る か ら,30円
だ か ら,支 上 の
表 をMathematicaで
の よ う に,多
りあ る。
りで あ る 。
項 式 で 場 合 の 数 を 数 え る方 法 を 母 関 数 の 考 え 方 と い
う。 問23 1円 玉6枚,5円
玉3枚,10円
玉4枚 を 使 って50円
を 払 う方 法 は何 通 りあ る か 。 ま
た,支 払 い方 法 は全 部 で 何 通 りあ るか。
[2]
2項
(a+b)nの
定 理 展 開 式 と そ の 係 数 をMathematicaで
調 べ よ う。
〔 例 題23〕Matematicaを
用 い て(a+b)nの
〔 解 〕(a+b)2,(a+b)3の
展 開 式 は,Mathematicaで
同 様 に し て(a+b)4,(a+b)5の な る。
展 開 式 を作 れ。 次 の よ う に して 作 る。
展 開 式 を 作 る こ と が で き,そ
れ は次 の よ うに
こ れ ら の 展 開 式 の 係 数 だ け を 抜 き 出 す と,図3.21の 1
2
1 3 1 4
1
3
1
6 4
1
1 5 10 10 5
1
1 6 15 20 15 6 一 般 に
,(a+b)nの
パ ス カ ル の三 角 形 に な る。
1
展 開 式 は 次 の よ う に な る。
(3.22) 式(3.22)を2項
定 理,展
を (a+b)nの2項
開 式 の 係 数〓
係 数 と い う。 問24 (a+b)5の2項
係 数〓
と(a+b)6の2項
係 数〓
は次 の よ う に な って い る。 この値 か ら2つ の2項 係 数 の 関 係 を 調 べ よ 。
問25
(a−2b)7の
展 開 式 をmathematicaで
作 れ 。 ま た,パ
ス カ ル の 三 角 形 を 用 い てa3b4
の係 数 の値 を 求 め よ。
問26 Mathematicaで(x+y+z)5の aでMultinomial[3,1,1]と 式(3.22)か
展 開 式 を 作 り,x3yzの
係 数 を 求 め よ 。Mathematic
して そ の値 を 比較 せ よ。 こ う し た 係 数 を 多 項 係 数 と い う。
ら
(3.23) が 成 り立 つ か ら,〓
の 母 関 数 は(x+1)nに
2項 定 理 の 式(3.22)で,an-kbkの え 方 は,分
係 数 がnCkで
な る。
あ る理 由 を 考 え よ う。 こ の 考
数 関 数 の 展 開 式 で も使 う こ と が で き る。
〔 例 題24〕(a+b)5の
展 開 式 でa3b2の
係 数 が5C2で
あ る こ と を重 複 順 列 を 作 って
示せ。 〔 解〕
式(3.22)か
ら,(a+b)5の
展 開 式 は次 の よ う に な る。
(3.24)
展 開 式 でa5はaaaaa,a4bはaaaabやaaabaな
ど,a3b2はaaabbやaabbaな
と 表 せ る 。 つ ま り,a3b2はaを3つ,bを2つ Mathematicaで
つ ま り,a3b2は
ど
並 べ る順 列 を集 め て で き る 。
こ の 順 列 を 作 る と 次 の よ う に な る。
表3.7の
よ う に な り,そ
の 個 数 は 式(3.10)と
同 じ5C3=10に
な る。 表3.7
問27 (x+y+z)5の [3]
a3b2の
と り方
展開式で,x3yzの 係数 を順列 を用いて求めよ。
展 開 式 の 係 数
分数式
〓をTable[Series[1/(1−x)^n,{x,0,7}],{n,1,4}]//Table
Formと
項 式 展 開 す る と次 の よ う に る 。
し て,多
(3.25)
こ の 係 数 を 取 り 出 して み る と次 の 表3.8の
よ うに な る。
表3.8 多項 式 展 開 の係 数
〓の展 開式 でxrの 係 数 はnHrに
〓の 展 開 式 は,次
な る。 そ の理 由 を考 え よ う。
の こ と か ら1+x+x2+x3+…
に な る。
(3.26) 式(3.26)の
こ こ で,
1Hn=nCn=1だ
両 辺 を1−xで
〓 を〓 か ら,式(3.25)は
割 り,移
項 す れ ば,
と お い て 式(3.25)が
で き あ が る 。 ま た,
次 の よ うに な る。
〓に つ い て も成 り立 つ か 考 え よ う。
〔 例 題25〕
〓の展 開 式 でxrの 係 数 は2Hrに な る こ とを 示 せ 。
〔 解〕
式(3.25)の
両 辺 を2乗
し,Mathematicaを
用 い て右 辺 を
で 展 開 す る と,
こ こ で,〓
だ か ら,x8よ 〓の 和 をo[x]8×(式)と
り高 次 の項 と 見 てo'[x8]と
お
け ば,
(3.27) につ いて も成 り立 つ。
よ っ て,〓
式(3.27)か
ら2H0,2H1,2H2,…
そ こ で〓
を 数 列{2Hn},(n=0,1,2,…)…
問28
の 多 項 式 展 開 で 表 せ る。
が 分 数 式〓
の母 関 数 と い う。
〓は どん な数 列 の 母 関 数 か。Seriesを 用 い て調 べ よ。
練 習問題 1. 図3.24の
よ うに,縦 横10個
ず つ の小 正 方 形 に分 割 した正 方 形ABCDが
(1) 正 方 形ABCDに
含 ま れ る正 方 形 ま た は長 方 形 の個 数 を求 め よ。
(2) 正 方 形ABCDに
含 ま れ る正 方 形 の個 数 を求 め よ。
(3) 正 方 形ABCDの
周 上 に2点P,Qを
あ る。
と って これ を 直線 で 結 ぶ と き,直 線PQが
内 部 を通 る小 正 方 形 は最 大 何 個 に な るか。
図3.24
2. 1,2,3と い う数 字 のつ い た カ ー ドを作 って並 べ る。123や132の
よ う にk番
目 にkと
い う数 字 が く る もの を探 し,そ の個 数 を調 べ た い。
(1) Mathematicaを
(2) 和 の法 則 を用 い て そ の個 数 を求 め よ。
用 いて そ の よ う な数 を す べ て あ げ よ。
(3) 1,2,3,4,5と
(4) A,B,C,Dの5人
い う数 字 のつ い た カ ー ドを作 って並 べ た場 合 の個 数 を求 め よ。 の 名刺 とそ の 人 あ て の 封 筒 が あ る。 名 刺 を 封 筒 に で た らめ に
入 れ る と き,名 刺 と封 筒 が 一 致 す る場 合 は何 通 りあ る か。 〔 注 〕 こ う した問 題 を一 致 の 問 題,封 筒 の問 題 な ど と い う。 3. 図3.25の
よ うな碁 盤 の 目状 の 街 路 が あ る。Aか
問 に答 え よ。 こ こで,例 え ばAか (1) Aか
らP1に 至 る最 短 通 路 の個 数 をn(AP1)と
らBに 至 る最 短 通 路 の 個 数n(AB)を
(2) P1,P2,P3,…,P7を
らBに 至 る最 短 通 路 に つ い て 次 の 各
求めよ。
通 る最 短 通 路 の個 数 とn(AB)の
〔 注 〕 この 式 は(x+1)12=(x+1)3(x+1)9の
表 す。
関係式を求めよ。
展 開 式 でx6の 係 数 を比 べ た もの と同 じで
あ る。 こ う した 式 を た た み こみ とい う。 (3) R1,R2,R3,…,R7を
通 る最 短 通 路 の 個 数 とn(AB)の
(4) n(AP2)をn(AP1)とn(AQ2)の n(AQn+1)の
関 係式 を求 め よ。
関 係 で 表 せ 。 ま たn(APn+1)をn(APn)と
関係 で と らえ る こ と によ り組 合 せ の 再 帰 関 係 を 導 け。
図3.25
4. 分 数 式〓
と〓
5.
重 複 順 列 の 個 数nHrに
(1)
2Hr+1+3Hr=3Hr+1を
を 多 項 式 展 開 し,xnの 関 係 を そ れ ぞ れ調 べ よ。 つ い て,次
の各 問 に答 え よ。
用 い て次 の関 係 を示 せ 。
(3.28) (2)
Mathematicaで,分
(3)
式〓
数 式〓
を7次 の項 ま で展 開 せ よ。 お よ び式(3.23)を
用 いて 次 の 式 を 示 せ。
(3.29)
第4章 数列 を作 る Mathematicaを
利 用 して 数 列 を 作 り,音
を 数 列 で 調 べ よ う 。 ま た,ハ
ノ イ の 塔,フ
ィボ
ナ ッチ数 列 に つ い て探 求 しよ う。
4.1
Mathematicaの
Mathematicaを
[1]
奇
数
数 列
使 い,い
を 作
ろ い ろ な 方 法 で 数 列 を 作 っ て み よ う。
る
〔例 題1〕Mathematica
で,次
の よ う な1か
ら19ま
で の奇 数 を作 れ。 (4.1)
〔解1〕Rangeで,1か
ら19ま
で の 整 数 を1つ
お き に作 る。
a=Range[1,19,2] {1,3,5,7,9,11,13,15,17,19} Mathematicaで
は,Range,Table,リ
ス トな ど で も数 列 を作 る こ と が で き
る。 〔解2〕Tableで,奇
数2n−1を
作 る。
Table[2n−1,{n,1,10}] 〔解3〕
整 数 の リ ス トb={1,2,…,10}を
使 い,奇
数 を 作 る。
問1 次 の よ うな,20か
ら始 ま る正 の偶 数 を 〔 例 題1〕 の3通
りの方 法 で作 れ。
あ る 規 則 に 従 っ て で き る 数 の 列 を 数 列 と い い,第n番 は 一 般 項 と い う。 特 に 最 初 の 数 を 初 項,有
限 個 の 数 列(有
末 項 と い う。 数 列 の 初 項 を ふ つ うa1,第2項 例;数
列1,3,5,…
数 列 の 規 則 で,差 た,比
をa2,一
の 初 項 はa1=1,一
限 数 列)で
般 項 をanの
た
最 後 の項 を
よ うに表 す 。
般 項 はan=2n−1
が 一 定 の 数 列 を 等 差 数 列 と い い,一
が 一 定 の 数 列 を 等 比 数 列 と い い,一
目 の 数 を 第n項,ま
定 の 差 を 公 差 と い う。 ま
定 の 比 を 公 比 と い う。
等差数列 の例 (公 差1)
(4.2)
(公 差2)
(4.3)
(公 差−3)
等比数列 の例 (公 比2)
(4.4)
(公 比−1)
(4.5)
公比 どれ で もな い数 列 の例
(4.6) (4.7) 等 差 数 列,等 1次 関 数,指
比 数 列 の グ ラ フ を,Mathematicaで
描 く と,次
の よ うにそ れぞれ
数 関 数 の 上 に 点 が で き る。 (図4.1) (図4.2)
図4.1
[2]
図4.2
等差数列の グラフ
い ろ い ろ な数 列
い ろ い ろな 数 列 を,Mathematica 〔 例 題2〕
で作 って み よ う。
次 の 数 列 を等 差 数 列 お よび,等 比 数列 で 示 せ 。
(4.8) 〔 解1〕
〔 解2〕
問2
次 の 数 列 をMathematicaで
作れ。
(4.9)
〔例 題3〕
次 の よ う に,丸 を8段 まで 重 ね た と き の丸 の個 数(三 角 数)の 数 列 を
作 れ。
図4.3
三 角 数
〔 解1〕
次 の よ う に各 項 を整 数 の 和 と考 え,一 般 項 を求 め る。
こ こ で 図4.4か
ら,数
を 降 順 に し た,
a4=4+3+2+1とa4=1+2+3 +4の
片 々 を 加 え て,
図4.4
一般項 は
式(4.10)を
〔 解2〕
(4.10)
,an=(n+1)n/2 使 っ て,次
の 手 順 で 求 め る。
各 項 をや は り整 数 の和 と考 え,次 の階 差 数 列{bn}を
と って再 帰 関 係 を
作 る。
(4.11)
図4.5
階差数列
anをf[n]と
〔 解1〕,〔 解2〕
し て 再 帰 式 で 表 し,次
か ら,次
の よ う に処 理 す る。
の こ と が わ か る。
・明 示 的 な 式;an=n(n+1)/2 ・ 再 帰 的 な 式;a1=1
(4 .12)
,an=an-1+n
(4.13)
(4.14) (bnはanの ま た,次
階 差 数 列)
(4.15)
の こ と が 成 り 立 つ。
・等 差 数 列;a
,a+d,a+2d,…
・等 比 数 列;a
,ar, ar2,…
・一 般 項 に 数 列 は ,nの
式(明
の 一 般 項 はan=a+(n−1)d
(4.16)
の 一 般 項 はan=arn-1
示 式),再
帰 式 な ど の 表 し方 が あ る 。
問3 図4.6の よ うに ・の 数 を並 べ る と き の個 数(六 角 数)anを
図4.6
(4.17)
第6項
まで 求 め よ。
六 角 数
次 の数 列 は,一 般 項 をnの 式 で 表 す の に特 有 の考 え方 をす る。 〔 例 題4〕
次 の 数 列 の一 般 項anを 再 帰 式 で,ま たnの 式(明 示 式)で 表 せ。
(4.18)
〔 解1〕
再帰式で表す。
だ か ら,
〔 解2〕
明示式で表す。
(4.19) こ の 式 の 両 辺 に10を
掛 け,式(4.18)か
ら(4.17)の
片 々 を 引 く と途 中 が 消
え る。
(4.20)
(4.21) 〔解3〕
各 項 を9倍
して1を
引 き,明
も と の 数 列(4.18)を9倍
示 式 で表 す 。
す る。
(4.22) 一般 に
,9an=10n−1が
成 り 立 ち,式(4.21)が
成 り立 つ。
問4 次 の数 列 の一 般 項anを 再 帰 式 で,ま たnの 式(明 示 式)で 表 せ 。
[3]
Mathematicaの
Mathematicaを
〔例 題5〕
数 列
利 用 し,こ
れ ま で の 数 列 を 作 って み よ う 。
次 の 数 列 の 和 をMathematicaで
(a)
等 差 数 列 1+2+3+…+n
(b)
等 比 数 列 1+3+9+27+…+3n-1
〔 解1〕
第n項
ま で の 和 をnの
求 め よ。
式 で 表 す パ ッ ケ ー ジ を 使 う。
次 の 処 理 を す る。 ≪
Algebra'SymbolicSum'〔
注1〕
(4.23)
(a)
(b)
〔 解2〕
再 帰 式 を 作 り,第n項
まで の和 をnの 明 示 式 で 表 す 。
次 の処 理 を す る。 ≪ (a)
DiscreteMath'RSolve'〔
注3〕
再 帰 式 はa1=1,an=an-1+nだ
か ら, 〔注4〕
(4.24)
(b)
再 帰 式 はa1=1,an=3an-1+1だ
か ら,
〔 例題5〕 で,再 帰 式 の確 認 に は次 の方 法 が あ る。 (a)
(b)
〔注1〕
パ ッ ケ ー ジ 「Algebra'SymbolicSum'」
は,関
数Sumを
ボ リ ッ ク数 列 の 和 も 求 め ら れ る よ う に す る 。 〔注2〕
必 要 に 応 じ て[f]をClear(ク
〔注3〕
再 帰 式 に も 対 応 で き るRSlove[]を
リ ア ー)す
る(Clear[f])。
導 入 す る。
さ ら に 充 実 さ せ,シ
ン
〔注3〕RSlove[]の
問5〔
例 題5〕
結 果 をSimplifyで
整 理 して か ら出力 す る。
に な ら っ て 次 の 数 列 の 一 般 項anを
(a)
三角数の数列
{1,3,6,10,15,21,28,36,…}
(b)
1を 並 べ た 数 列
{1,11,111,1111,11111,…}
問6
次 の 数 列 の 第n項
の 和 を求 め よ。
まで の 和 を 求 め よ。
(a)
連 続 し た2数
の数 列
{n(n+1}
(b)
連 続 し た3数
の数 列
{n(n+1)(n+2)}
(c) (a)の
求 め よ 。 ま た,そ
逆 数 の数 列
4.2 音 と数 列 音 の 高 さ を数 列 で 表 し,協 和 音 の特 性 を 探 って 和 音 を作 り確 かめ よ う。 [1]
音 を作 る
音 の 高 さ は1秒 間 の振 動 回 数,つ
ま り周 波 数 で考 えHz(ヘ
で表 す。 音 叉 が 作 る音 の高 さ は,図4.7の で,こ
い う単 位
よ うに5線 譜 の 中 の ラの振 動 数440Hz
れ を基 準 音 とい う。 この基 準 音 ラの周 波 数 を もと に音 の数 列 を 作 ろ う。
図4.7
〔例 題6〕 1,2,…,nオ 〔 解〕
ル ッ)と
音 は1オ
ラ の 音
ク タ ー ブ ず つ 上 が る と 周 波 数 は2倍
ク タ ー ブ上 の ラ の 音 の 周 波 数anを
再 帰 的 に 考 え る。 図4.7か
ず つ に な る。 基 準 音 か ら
求 め よ。
ら次 の 式 が で き る 。
再 帰 式a1=440,an+1=2an
明示 式 を求 め る。
よ っ て,明
(4.25)
示 式 an=2n×220
問7 基準 音 か らnオ ク タ ー ブ下 の ラ の音 の周 波 数bnを 再 帰 式 と明示 式 で 表 せ 。 y=sinxの
描 く 曲 線 を 正 弦 曲 線(サ
に 近 い 。Mathematicaで
〔 例 題7〕
周 波 数 が1の
イ ン カ ー ブ)と
い う。 音 叉 の 音 色 が こ れ
こ う し た 音 を 作 っ て み よ う。
サ イ ン カ ー ブ を 作 れ 。 ま た,基
準 音 を サ イ ンカ ー ブで 作
れ。 〔 解〕
関 数sinxの
sin2πxの
周 期 は2π で,そ
グ ラ フ に な り,そ
の 周 期 は2π/2π=1に
個 の 周 期 が あ る音 の 周 波 数 がnだ か れ(図4.9),基
の グ ラ フ をx軸
準 音 は 式(4.27)で
か ら,基
方 向 に1/2π
に縮小 す ると
な る(図4.8)。1秒
間 にn
準 音 の サ イ ン カ ー ブ は 式(4.26)で
描
発 生 す る。
(4.26) (4.27)
図4.8 sinxとsin2πx
図4.9 基 準 音 の サ イ ンカ ー ブ
図4.10 基 準 音 の 発 生 と グ ラ フ 〔注1〕
〔注1〕
音 は,ミ
ュー ジ ック ドライバ が 機 能 す る コ ン ピュ ー タで 音 が 発 生 す る。 音 の 発 生
と 無 関 係 に 図4.10の
グ ラ フ を 表 示 す る が,こ
れ はsin880πx(0≦x≦10)の
グ ラ フで あ
る。
問8
sin2x,お
問9
基 準 音 よ り も1オ
[2]
12音
よ びsin10πxの
周 期 と周 波 数 を いえ 。
ク タ ー ブ 下 の ラ の 音 を10秒
間 発 生 せ よ。
階 を作 る
1オ ク ター ブの 中 の音 は5線 譜 で図4.11の よ うに 表 さ れ,こ
れ を12音
階 とい
う。 ま た,そ の 周 波 数 と周 期 の近 似 値 は表4.1で 表 さ れ る。 周 波 数 を数 列 で 表 し て 音 を作 ろ う。
図4.11
12音
階
表4.1 12音 階 の周 波 数 と周 期
〔例 題8〕12音
階 の 周 波 数 を 数 列{cn},(n=1,2,…,13)と
考 え,cnをnの
式 で
し て 数 列{cn}を
作 れ ば,
表 せ 。 〔解 〕
表4.1に
比 の値〓
つ い てc1=440,c2=466,…,c13=880と
は 表4.2の
よ う に ほ ぼ1.059に
な る。
表4.2 周 波 数 の比
cnを等 比 数 列 と考 え,公 比 をpと お け ば,
(4.28) c13=880,c1=440を
代 入 す れ ばp12=2だ
か ら,
(4.29) 一 般 項 は 表4.1の
(4.30)
,cn=440pn-1
点 と指 数 関 数y=440px-1を
す る こ とが わ か る。
重 ね て 描 け ば,図4.12の
よ うに ほぼ 一致
図4.12 音 の 周 波 数 の グ ラ フ
問10
表4.3の
数 列dnをnの
明 示 式 で 表 し,そ 表4.3 1オ
[3]
の 値 を 求 め よ(n=1,2,…,13)。
ク ター ブ下 の周 波 数
調 和 音 を作 る
よ く調 和 して い る音 を調 和 音 また は協 和 音 とい う。 例 え ば ラ と ド,ラ と レ,ラ と ミが 調 和 音 に な る。 周 期,つ
〔 例 題9〕 ラ と ド,レ,ミ 〔解 〕
ド,レ,ミ
5/6,3/4,2/3と
だ か ら,bとcは
ま り周波 数 の逆 数 を用 い て 調和 音 を調 べ よ う。
の 周 期 の比 の値ガ5/6,3/4,2/3に 近 い こ とを示せ。
の 周 波 数 を リス トで表 し,逆 数 を と って ラの周 波 数 で 割 る。
比 べ る。
非 常 に近 い。
問11 表4.1に 図4.13の
お い て ラ と ソの周 期 の比 は9/16に よ う に,調
近 い こ とを 示 せ 。
和 音 の 周 期 は 近 似 的 に 簡 単 な 整 数 比 で 表 せ る。
図4.13
各音の波長比
こ う して 作 られ る音 階 を 調 和 音 階 と い う。調 和 音 に お け る 周 波 数 の 性 質 を 探 ろ う。
〔 例 題10〕4つ 〔 解〕
の 調 和 音 ラ ド ミ ラ の 周 波 数 の 数 列 を 作 り,そ
こ の 数 列 は,リ
ス トで 次 の よ う に 表 せ る。
a={440,528〔
注1〕,660,880}
そ れ ぞ れ の 逆 数 を と り,各
項 の 階 差 を と れ ば 式(4.32)に
の明 示 式 を求 め よ。
な る。
(4.31)
(4.32)
式(4.32)の
数 列 は公 差
〓の等 差 数 列 に な り,一 般 項bnは
次 の式 で表 さ
れ る。
4つ の音 の周 波anは,逆
数 を と って 次 の 明 示 式 で 表 さ れ る。
(4.33) 数 列(4.33)の
よ うに,逆 数1/bnが
等 差 数 列 に な る数 列bnを 調 和数 列 とい う。
調 和 と い う言 葉 は調 和 音 に 由来 し,最 も簡 単 な 調 和 数 列 は次 の 数 列 で あ る。
〔 注1〕
「ド」 の 周 波数 は523で
あ るが,こ
こで は528と
して計 算 した。 多 少 の誤 差 を見 込
ん で の こ とで あ る。
問12 上 の3つ の調 和 音 ラ ド ミの和 音 を10秒
間発 生 させ よ。
4.3 再 帰 的 な 式 再 帰 関 係 を も と に 再 帰 式 を 作 る こ とが 比 較 的 容 易 に で き る こ と が 多 い。 再 帰 的 な 式 か ら 明 示 的 な 式 を 導 く と き の 考 え 方 に つ い て 調 べ よ う。
[1]
預 金
あ る銀 行 に,年 み,預
利5%で1万
円 を 預 け た ま ま に して お く と き,利
子 が利 子 を 生
金 額 は 次 の よ う に 増 え て い く。 ・預 金 直 後 に はa1=1(万
円)
・丸1年
後 に はa2=a1+0.05a1(万
・丸2年
後 に はa3=a2+0.05a2
円)
こ れ は 次 の 関 係 に な る。 a2=1.05a1 a3=1.05a2(万
問13 上 の預 金 で,丸5年
〔 例 題11〕 〔 解〕
円)
(4.34)
後 の預 金 額 を式(4.34)の
上 の 預 金 で 数 列{an}の
上 の 再 帰 関 係 か ら,再
再 帰 式,お
形 で 表 せ。
よ び 明 示 式 を 求 め よ。
帰 式 は次 の よ うに な る。 (4.35)
一 般 項anをMathematiaで
求 め る。
≪DiscreteMath'RSolve'
1/1.05=0.952381だ
か ら,明
示式 は (4.36)
問14 (a),(b)の
ロ ー ンを1万 円借 りた と き,5年
ま た,(a)が(b)の
半額 以 下 に な る の は何 年 以 降 か 。
(a) 年 利12%
[2]
後 に借 金 の 額 は ど うな って い るか 。
(b) 月利1%
ハ ノイ の 塔
イ ン ドの聖 地 べ ナ レス の あ る寺 院 に,バ
ラモ ンの塔 な る もの が あ る。 そ れ は,
中心 に穴 の あ い た 金 の 円盤 が 円 錐状 に64枚 重 な り,1本
の ダ イ ヤ モ ン ドの 針 に
通 され て い る もの で,天 地 創造 の と きに これ を 置 い た と さ れ る。 図4.14は4枚 の 円盤 の場 合 を示 して い る。
図4.14
ハ ノ イ の塔
さて,ダ イ ヤ モ ン ドの針 が他 に2本 立 て られ,そ の寺 院 の僧 侶 が 天地創 造以 来, 昼 夜 を問 わず この 円盤 を1枚 ず つ 一 方 の 針 に 移 して い る。 この と き,1回
に1枚
の 円盤 しか 動 か せ な い と し,棒 か ら抜 き取 った 円盤 は必 ず 他 の針 に差 し込 ま な け れ ば な らな い と す る。 ま た,ど の棒 に差 し込 ま れ た 円盤 も下 の方 が 大 きい 円錐 状 に な って い な け れ ば な らな い とす る。 円盤 が2枚
の 場 合 の 手 順 は 図4.15の
よう
に な る。 さ て,64枚
の 円盤 を す べ て移 し終 え た と きに こ の 世 の終 わ り が く る と い う の
で あ る。 そ れ は い つ か?
図4.15
これ は1883年
円 盤2枚
の移動
エ ドア ル ・ル ー カ スが バ ラモ ンの 塔 と名 付 け た ゲ ー ム で,後
に
ハ ノ イ の塔 と呼 ば れ るよ うに な った。 この ゲ ー ム は結 果 の 意外 さ と と もに,再 帰 関 係 を見 つ けや す い こ とか ら問題 解 決方 法 の 基 本 的 な 題 材 に取 り上 げ られ て きた。 〔 例 題12〕
ハ ノ イ の塔 の問 題 で,n枚
の 円盤 を移 動 す る回数an+1をanで
表 しa6
ま で求 め てanを 推 定 せ よ。1枚 の 移 動 に1秒 か か る とす る と移 動 が 終 了 し,こ の世 の終 わ りが来 るの は開 始 後 何 年 か。 〔 解 〕an+1をanの
再 帰 関係 で 表 す 。 例 え ば,4枚
の 円 盤 を 移 動 す る と き,上3
枚 の移 動 回数 が す で にa3と わ か って い る もの と考 え る と,図4.16の
① と③ の
回 数 は と もにa3に な る。 一 番 下 の 円 盤 は ② で 移 動 し これ を1回 加 え,4枚
の円
盤 の 移 動 回 数a4は 次 の再 帰 関 係 で表 され る。
(4.37) こ の関 係 は容 易 に一 般 化 で き,自 然 数nに
つ いて 次 の式 が成 り立 つ。
(4.38)
図4.16
Mathematicaで
は,数
列{an}を
a[n_]:=a[n]=2a[n−1]+1;a[1]=1;
セ ッ トに し た移 動
次 の 手 順 で 求 め る。
Table[a[n],{n,8}]
結 果 は 表4.4の
よ う に ま と め ら れ,1を
加 え る とan+1は2nに
な る ら しい。
表4.4 ハ ノ イ の塔 の回 数
Mathematicaで
再 帰 式 か ら明示 式 を求 め る。
(4.39)
よ っ て,an=2n−1 64枚 の と き の 移 動 回 数 は a64=264−1=1.8445E19
(回)
1年 を602×24×365=51536000(秒) と す れ ば,こ
の世 が終 わ る まで に
つ ま り,約5849億
年 と い う途 方 も な い 年 月 が か か る こ と に な る 。
問15〔 例 題12〕 の や りか た で16枚 約1年
の 円盤 を移 動 す る と き,要 す る時 間 を求 め よ。 ま た,
[3]
で終 え る場 合 円盤 は何 枚 必 要 か 。
数 学 的 帰 納 法
ハ ノ イ の 塔 の 問 題 で,n枚 再 帰 関係 明示 式
an+1=2an+1,a1=1か
つ い て,
ら
(4.40)
an=2n−1
を 推 定 し た 。 こ こ で,再
〔 例 題13〕
の 円 盤 を 動 か す 回 数anに
(4.41) 帰 式 と 明 示 式 が 常 に 一 致 す る こ と を 確 認 し よ う。
再 帰 関 係 の 式(4.40)は
〔 解 〕[1] n=1の
明 示 式(4.41)に
と き,式(4.41)はa1=1で
な る こ とを 示 せ 。 正 しい 。
[2] n=kで
式(4.41)が
正 し い と 仮 定 す る と,即
ち,
(4.42) こ の と き 再 帰 関 係 の 式(4.40)か
が 成 り 立 つ か ら,式(4.42)を
n=k+1で
も式(4
[1],[2]か
.41)が
ら,す
ら
代 入 し て,
成 り立 つ。
べ て の 自然 数nで
一 般 に 「あ る 命 題Pが
式(4.40)と
す べ て の 自 然 数nに
で 示 す こ と が で き る 。 た だ しkも
式(4.41)は
つ い て 成 り 立 つ」こ
成 り立 つ。
[2] n=kで
成 り立 つ と仮 定 す れ ば,Pはn=k+1で
こ の 証 明 方 法 を 数 学 的 帰 納 法 と い う。 こ れ は,ド
図4.17
数 学 的 帰 納 法 は,あ
と は次 の 手 順
自然 数 とす る。
[1] 命 題Pはn=1で 命 題Pが
同 じに な る。
も 成 り立 つ。
ミノ 倒 し的 な 仕 組 み を もつ。
数学 的帰納法の しくみ
る 性 質 が ど ん な 自 然 数 に つ い て も常 に 成 り立 つ こ と を 証 明
す る と き な ど に用 い られ る。 問16 数 列 の和12−22+32−42+…+(−1)n-1・n2に (a) Sumを
つ いて
用 い て 和 の 明示 式 を求 め よ。
(b) そ れ が 常 に成 り立 つ こ とを 示 せ 。 問17 次 の 数 列{an}に つ い て,anを
予 想 し,n>1で
常 に 成 り立 つ こ とを 示 せ。
ま た,MathematicaでProduct[1−1/k^2,{k,2,n}]と
[4]
して 結 果 を 確 認 せ よ。
フ ィ ボ ナ ッ チ 数
1,1,2,3,5,8,…
と い う数 列 は 次 の 再 帰 関 係 を 満 た し,フ
ィ ボ ナ ッ チ 数 列 と い う。
(4.43) フ ィボ ナ ッチ数 列 の 再 帰 関 係 を探 り,他 と の関 連 性 を調 べ よ う。
図4.18
〔 例 題14〕n段
階 段 の 昇 り方(n=3の
と き)
の 階段 が あ る。1段 上 が り と2段 上 が りで 昇 る方 法 と そ の 個 数an
をn=4ま
で求 め,anが
〔 解 〕1段
上 が りをp,2段
フ ィ ボ ナ ッチ数 の第2項
目か らの数 列 に な る こ とを示 せ。
上 が りをqと す れ ば
(4.44)
n
=3の
場 合 ,図4.18か
らa3=a2+a1が
成 り立 つ の で フ ィ ボ ナ ッ チ 数 列 が で
き る。
〔 例 題15〕Mathematicaで(4.45)の 〔 解〕
順列 を作 れ 。
次 の 手 順 で 順 列 を 作 る。
① 初 め に,リ
② an-1の
ス トa1={p},a2={pp,q}と
各 要 素 の 後 ろ にpを
つ け る。
お く。
③ an-2の 各 要 素 の後 ろ にqを つ け る。 ④ ② と ③ をつ な げてanと す る。
(4.45)
リス トanの
個 数 の 関 係 は2項
目 か ら式(4.45)と
一 致 し フ ィボ ナ ッチ 数 列 に
な る。 リ ス トanの
各 要 素 を パ ス カ ル の 三 角 形 の 数 に あ て は め る と図4.19の
る〔注4〕。
図4.19
〔注1〕Append[リ
ス ト,x]は,xを
パ ス カ ル の 三 角 形 とan
リス トに 追 加 す る 。
よ うにな
〔 注2〕Map[f,a[n−1]]は,②
を 実 行 す る。
〔 注3〕Map[g,a[n−2]]は,③
を 実 行 す る。
〔 注4〕
数 字 を横 に と る とパ ス カル の 三 角 形 を な して い る。
問18 モ ー ル ス符 号 を 次 の 手順 で 作 り,そ の 個 数 の 特 徴 を 調 べ よ。
の そ れ ぞ れ に・を追 加,an+2の
そ れ ぞ れ に− を追 加}
例;
次 に,黄
金 分 割 と フ ィ ボ ナ ッ チ 数 列 の 関 係 に つ い て 調 べ よ う。
〔 例 題16〕
長 方 形ABCDで
こ の と き,EBCFが
縦,横
の 長 さ を そ れ ぞ れ1,k(k<1)と
正 方 形 で 長 方 形ABCD∽
長 方 形AEFDと
す る。 な るkの
値 を求
め よ。 〔 解〕
図4.20で,長
方 形ABCD∽
長 方 形AEFDか
ら,k:1=(1−k):k
(4.46) だか ら
〔 例 題17〕
図4.20でEBCFが
で 長 方 形ABCD∽
正方形
長 方 形AEFDの
と
き, ① 長 方 形AEFDの Dを 作 り,長 AEGHに
中 に正 方 形HGF
方 形AEFD∽
長方形
す る。
② 長 方 形AEGHの
中 に正 方 形IEG
Jを作 り,長 方形AEGH∽
長方 形AIJH
に す る。 以 下 同 様 の 手 順 を繰 り返 す。 こ の と き,長 方 形ABCD,AEFD,
図4.20
黄金分割
AEGH,AIJH,…
の 横 の 長 さanをkの
式 で 表 し,フ
ィボ ナ ッチ数 列 と の関 係 を
調 べ よ。 〔 解 〕 図4.20か
ら,
こ の 数 列 か ら表4.5が
で き る。 表4.5 長 方 形 の 横anの 係 数
〓の係 数〓
の定数│ と お
け ば,〓
か ら,
と な り,bn=│anのkの
Mathematicaで
比 と い い,そ
係 数│,cn=│anの
は,方
程 式(4.46)を
定 数│は
そ の 逆数 を小 数 点 以 下10桁
問20 数 列{bn}でbn/bn+1は,nを
ま で求 め る こ とが で きる。
まで 求 め,両 者 に関 係 につ いて 調 べ よ。
大 き くす る とg;黄
[5] 母 関 数 数列{an}の
を黄 金
満 た す〓
の 近 似 値 をGoldenRatio[n]でn桁
問19 黄 金 比gと
フ ィボ ナ ッチ数 に な る。
各項 を係 数 とす るxの 級数
金 比 に近 づ く こ とを示 せ 。
を,数
列{an}の
母 関 数 と い う。 母 関 数 を 使 っ て 再 帰 関 係 を 方 程 式 で 表 し て み よ
う。Mathematicaは
〔 例 題18〕
こ こ で も効 果 的 な 働 き を す る。
ハ ノ イ の 塔 の 数 列{an}の
関 数 を 求 め,Mathematicaで 〔 解〕
再 帰 関 係an+1=2an+1,a1=1を
満 たす母
確 認 せ よ。
こ の 数 列 の 母 関 数 を 次 の よ う に お く。
(4.47) 両 辺 に2xを
掛 け た 式(4.48)を,式(4.47)か
ら辺 々 を 引 く。
(4.48)
(4.49) こ こで,再 帰 関 係〓
式(4.49)に
代 入 して
(4.50) 式(4.50)の
両 辺 にxを
掛 け た 式(4.51)を,式(4.50)か
ら辺 々 を 引 け ば,
(4.51)
(4.52)
よ っ て,
Mathematicaで
式(4.52)を
こ の こ と か ら数 列{an}の Mathematicaで
展 開 し て 確 認 す る と次 の こ と が わ か る 。
母 関 数(4.47)は
分 数 式 を 展 開 す れ ば,母
分 数 式(4.52)で
表 現 で き る 。 単 に,
関 数 か ら元 の 数 列 を 求 め る こ と が で き
る。
問21 フ ィ ボ ナ ッチ 数 列{Pn}の 母 関 数 を 作 り,Mathematica
で確 認 せ よ。
4.4 カ オ ス と フ ラ ク タ ル 数 列 は,株 価 の よ うに時 間 の経 過 で得 られ た り,近 似 値 の計 算 な ど反 復 の結 果 と して得 られ る こ とが あ る。 こ う した変 化 や移 動 の過 程 は動 的 システム と呼 ばれ, 広 い範 囲 に そ の 現 象 が 見 られ る。 こ こで はあ る方 程 式 を反 復 的 に解 く と きに生 じ る動 的 シ ステ ム につ いて 調 べ よ う。 [1]
反 復 法
方程 式x2+2x−1=0を,い
ろ い ろな初 期 値a1と 次 の再 帰 式 で近 似 的 に解 く。
(4.53)
Mathematicaで
式(4.53)は
〔 例 題19〕
図 形 的 な 意 味 を 考 え よ う。 方 程 式2x=1−x2か
ら得 ら れ る。
初 期 値a1=0とa1=−2.415で
式(4.53)を
反 復 し た 値 を 求 め,グ
ラ フを描 け。 〔 解1〕
再 帰 式 に 代 入 を 繰 り 返 しTableを
作 る。
(図4.21)
図4.21
初 期 値a1=−2.415の
anの
グ ラ フ(a1=0)
と き も 同 様 に し て で き る が,解2の
方法 で その値 を求 め
て み る。 〔解2〕f(x)=(1−x2)/2の
合 成f(x),f(f(x)),…
数 列 を 動 的 シ ス テ ム と 見 た と き各 項anを 不 動 点√2−1に
にx=−2.5を
軌 道 と い う 。a1=0の
収 束 す る と い い,a1=−2.415の
代 入 す る。
と き軌 道anは
と き の 軌 道 は負 の 無 限 大 に 発
散 す る と い う。
図4.22
問22
再 帰 関 係an+1=an2−0.5が
anの
グ ラ フ(a1=0)
あ る 。 次 の 中 で 収 束 す る初 期 値 は ど れ か 。 ま た,収
発 散 が 分 か れ る 初 期 値 に 最 も近 い も の は ど れ か 。 初 期 値a1=−1.4,−1.3,−1,0,1,1.0,1.4,1.5
束,
[2]
カ オ ス
反 復 法 は,〔 例 題19〕
の よ う に 初 期 値 の 取 り方 に よ って は 収 束 し な い こ と が あ
る。 そ の と き近 似 解 は 求 め ら れ な い が,数
〔 例 題20〕 {an}の
方 程 式x=1−x2を
列 の 研 究 対 象 と して 考 え よ う。
初 期 値0≦a1≦1の
反 復 法 で 解 き,作
られ る数 列
性 質 を調 べ よ。
〔 解 〕f(x)=1−x2の
合 成 関 数f(f(x)),f(f(f(x))),…
を 作 り,x=0.2を
代
入 し て み る。
図4.23 周 期2の
こ の 軌 道 は0,1が にnの
軌道
交 互 に 現 れ る。 こ う し た 軌 道 を,周
値 だ け を と る 軌 道 を 周 期nの
の 任 意 の 初 期 値 で,図4.23の
期2の
軌 道 と い う。 〔例 題20〕
よ う に 最 終 的 に0,1の
軌 道 と い う。 同 様
の 軌 道 は,0≦a1≦1
値 だ け を と る 周 期2の
軌道
に 落 ち 着 く。
問23 方 程 式x=1.13(1−x2)を
〔 例 題21〕
方 程 式x=1.2(1−x2)を
初 期 値0の 反 復 法 で 解 い た と きの 周 期 を調 べ よ。
反 復 法 で 解 き,軌
道anの
性 質 を 調 べ よ。
と して,anの
〔 解〕 再 帰 関係〓 の 軌 道 を 点(an,an+1)で
推 移 を 点(n,an)で
求 め,an
調 べ る。
(4.54)
〔注2〕
図4.24 anの
推移
図4.25 anの
軌道
〓で
再帰 関係 こ と も な く,簡
k>1.2の と き,図4.26か
らanの
軌道 は収 束 す る
単 な 周 期 も もた な い 。 こ う した 「無 規 則 」 な 軌 道 の こ と を カ オ ス
と い う。
図4.26
図4.26は
初 期 値a1=0,再
カ オ ス
り,点(k,an),10≦n≦20を
帰 関係
〓で0≦k≦4をx軸
に と
打 っ た も の で あ る。 点 が 不 規 則 に 打 た れ る と こ ろ
が カ オ ス を示 す 。 プ ロ グ ラ ム を次 に示 す 。
(4.55) (4.56)
(4.57) 〔注1〕NestList[f,0,15]は,a[1]=0を 〔注2〕Flatten[]は,リ
起 点 と し,a[15]ま ス トの 整 理 を 行 い,今
で 計 算 す る。
度 の 場 合 は,ListPlot[]で
扱 え るデ ー
タ リ ス トに ま と め る 。
問24 方 程 式x=ksinxを
[3]
反 復 法 で 解 く と き 軌 道 が カ オ ス に な るkの
値 を見 つ け よ。
フ ラ クタ ル
図4.27の よ うに,そ の 中 に 自分 自身 と相 似 な 図 形 が 現 れ る図 形 を フ ラ ク タ ル と い う。 カ オ ス が生 じる と き の動 的 シ ス テ ムanの 初 期 値a1全 体 の な す 図 形 は フ
〓
ラ ク タ ル に な る。 そ う した 例 を 作 っ て 見 よ う。
図4.27
フ ラク タ ル
〔 例 題25〕 次 の再 帰 式 に よ る軌 道anが カ オ ス に な る よ う な定 数cの 図 形 を 描 け。
(4.58) 〔解 〕│a20│<10に
な る 複 素数c=x+yiを
−0.5≦x≦1.5,−1≦y≦1の
範 囲 で
探 す 。
〔注3〕
〔 注4〕
〔 注5〕
〔注3〕 m=m+1を
最 初 にm=0,c=x+yiと 繰 返 し,こ
す る。
つm<20の
の 条 件 を 満 た さ な い と きg(x,y)=mと
〔注4〕g(x,y)=mを│x│≦1.5,│y│≦1.5で 〔注5〕
お き,│z│<10か
正 方 形:│x│≦1.5,│y│≦1.5の
と き z=f(z)と す る。
色 に置 きか え る。 メ ッ シ ュ を1002個
に と り,色
調 を デ フ ォ ル トに
図4.28
式(4.56)な
マ ンデ ル プ ロ集 合
ど の 再 帰 式 で 軌 道anが
は フ ラ ク タ ル に な り,こ
図4.29
カ オ ス に な る と き の 定 数 項cの
し て も フ ラ ク タ ル が 現 れ る 。(図4.28)境
と な る と き の 初 期 値 a1を プ ロ ッ ト 界 の集 合 を ジ ュ リア集 合 と い う。 この
と き の 処 理 は 次 の よ う に す る 。 た だ し,c=0.22−0.7i
練 習問題 1. 次 の数 列 を で きる だ け多 くの方 法 で作 れ。
(b))
作 る図形
れ を マ ン デ ル ブ ロ集 合 と い う。
複素数 の再帰式〓
(a)
ジ ュ リア集 合
2. 年 利3%の
銀 行 預 金 に1万 円 を預 け,a1=1と
す る。
丸1年 後 の 元利 合 計 金 額 をa2,丸n−1年 後 の元 利 合 計 金 額 をanと す る。 一 方 ,年 の利 回 りが8%の 株 式 を1万 円 買 い,b1=1と し,bnを 丸n−1年
後 の配 当
と元 金 の合 計 金 額 とす る。 次 の各 問 に答 え よ。
(a) an,bnの
再 帰 式,お
よび 明 示 式 を 求 め よ。
(b) 何 年 以 上 で 銀 行 預 金 の方 が 有 利 に な るか 。Mathematicaで
方 程 式 を解 け。
た だ し,銀 行 預 金 は利 子 が 利 子 を 生 む 複 利 で あ るの に対 し,配 当 金 で株 式 を 買 う こ と は な い とす る。 3. 平 面 上 にn本 の直 線 が あ る と き,3本
の 直線 でで き る領 域 の個 数anの 再 帰 式,お
明 示 式 を 求 め,明 示 式 が常 に正 しい こ とを示 せ。 た だ し,直 線 は ど の2本 どの3本も1点
よび
も平 行 で な く,
で交 わ らないとする。
図4.30
4.
フ ィボ ナ ッチ数 は
た だ し,gは 黄 金 比 5.
分 数10000/9702,10000/9899の
〓とな る こ とを 示 せ。
〓と す る。
ヒ ン ト;式(4.43),お
小 数 は ど う な る か 試 み,母
よび数学的帰納法 関 数 と 問21か
らその理 由
を説 明 せ よ。
6. 再 帰 関係 で描 け。
〓の ジ ュ リア集 合
〓の範囲
第5章 デ ー タ 処 理 と確 率 あ る こ との 全 体 の様 子 を見 た り,そ こか ら何 か 判 断 した り,予 測 を した りす る ときに デー タを集 め て 情 報 収 集 し表 現 な どの 処 理 を す る。 こ こで は,デ ー タ の表 し方 や 扱 い 方 に つ い て考 え,確 率 で 予 測 を行 お う。
5.1 デ ー タ の 表 し方 情 報 化 社 会 は情 報 の 洪 水 の 中 にあ る。 情 報 を う ま く利 用 して本 質 を求 め るため, 数 値 を中 心 に した離 散 デ ー タ の表 現 や 利 用,つ [1]
ま り記 述 統 計 につ い て考 え る。
統 計 グ ラ フ
表5.1は1994年
現 在 の原 子 力発 電 量 の実 績,建
設 中を含 む今 後 の計画発 電量
の 表 で あ る。 い ろ い ろな統 計 グ ラ フで この表 を表 そ う。 〔 例 題1〕
表5.1の 実績 を 円 グ ラ フ,計 画 を棒 グ ラ フ,両 方 を折 れ線 グ ラ フで 表
せ。 〔 解 〕Mathematicaは う。
で は統 計 グ ラ フ を特 殊 な グ ラ フ とみ な し,次 の 手 順 で 行
〓 〓
〔 注1〕(図5
.1)
(5.1)
〔 注2〕
(図5
.2)
表5.1 発 電 量 の実 績 と計 画
図5.2
図5.1
実績の円 グラフ
折 線 グ ラ フ はListPlotで
作 る こ とが で き る。 〔注3〕〓
〔 注4〕〓
棒 グ ラフ
(5.2)
図5.3
実 績 と計 画 の 折 れ 線 グ ラ フ
日 本 は 発 電 量 の 実 績 で は世 界 の3番 は,か
目 に 多 い。 しか し,将
な り消 極 的 で あ る。 そ れ に 対 し て ブ ラ ジ ル は,将
来 の 拡 張 性 につ い て
来 の原 子力 発 電 の活 用 に
非 常 に 積 極 的 で あ る。 こ う し た こ と が 統 計 グ ラ フ か ら わ か る。 〔 注1〕PieChart[data]は,dataを
円 グ ラ フで 表 示 す る。
〔 注2〕PlotRange->{{0,12},{0,1400}}で0≦x≦12,0≦y≦1400の
作図 範囲 を指
定 す る。 〔 注3〕PlotJoined->Trueで 〔 注4〕show[]で,複
離 散 的 な 点 を 結 び,折
れ 線 を 作 る。
数 の グ ラ フを 同 一 の グ ラ フ内 に重 ね て表 示 す る。
問1 表5.1で,計画×100/実績+計画 の デ ータ と 実 績 の 折 れ 線 グ ラ フ を 作 り,日
本 の原 子
力 発 電 の 積 極 性 につ い て調 べ よ。
〔 例 題2〕
表5.2は,あ
る学 校 の 男 女 そ れ ぞ れ20名
女 子 の 点 数 に つ い て リ ー フ プ ロ ッ ト,度 数 分 布 表,度
の 数 学 の テ ス トの 点 で あ る 。 数 多 角 形,パ
レ ー ト図 を 作
れ。 表5.2 数 学 の 点
〔 解〕
リ ー フ プ ロ ッ トは2桁
台 の 各 級 に つ い て,点
数 の1の
桁 を 並 べ た 表 で あ る。
〓
表5.3
女 子 の 度 数 の リ ス トb1と
リー フ プ ロ ッ ト
度 数 分 布 表(図5.4)を,次
の よ うに作 る。
(5.3)
(図5.4)
図5.4
度数分布表
図5.5
度 数 多 角 形 は度 数 分 布 の 折 れ線 グ ラ フで,b2の
度数多角形
デ ー タを交 換 して 作 る。
〔 注5〕〓
ListPlot[b3,PlotJoined->True]
(図5.5)
パ レ ー ト図 は 累 積 度 数 の 折 れ 線 グ ラ フ で あ り
,次 〔注6〕〓
の よ うに して作 る。
(図5.6)
図5.6
〔 注5〕Reverse[list]は,listの
パ レ ー ト図
要 素 を反 転 す る。
〔 注6〕Length[Select[b,#<n&]]で
リス トbの 中 のn未 満 の 要 素 の 個 数 を 求 め る。
問2 表5.2の 男 子 に つ い て 〔 例 題2〕 と同 様 の グ ラ フ と表 を 作 れ。 表5.2の
デ ー タ は 大 き さ が20の
女 子 の デ ー タ の レ ン ジ は35点
[2]
デ ー タ と い い,デ
か ら91点
ー タ の 範 囲 を レ ン ジ と い う。
で あ る。
代 表 値
前 述 の デ ー タ で は,女
子 の 点 数 は60点
台 に 集 中 し,男
子 よ り も集 中 度 が 大 き
い 。 こ う し た 傾 向 を 数 値 で と ら え よ う。 〔 例 題3〕
表5.2の
〔 解 〕Mathematicaで
女 子 の デ ー タ の 平 均 値,標 は,次
準 偏 差,メ
ジ ア ンを求 め よ。
の記 述 統 計 パ ッケ ー ジ を読 み 込 ん で こ れ らの値 を
求 め る。 表5.4 代 表 値
≪Statistics'DescriptiveStatistics'〔
注7〕
〔注7〕≪Statistics'DescriptiveStatistics'で 〔注8〕
記 述 統 計 の パ ッケ ー ジを読 み 込 む。
平 均 に は 他 に 相 乗 平 均;GeometricMean[],調
和 平 均;HarmonicMean[]が
あ る。 〔注9〕
分 散 のMLEは;Maximum
Variance[]は 〔注10〕
Likelihood
母 分 散 で,式(5.5)で20の
代 わ り に19で
関 数StandardDeviation[b]を
〔例 題3〕
の 各 値 は,次
Estimateの
略 で あ る。 割 りυ′=223.737に
母 標 準 偏 差 と い い,√υ′=14.9578で
な る。 あ る。
の 計 算 で 求 め て い る。
平均値
(5.4) 分
散 (5.5)
標準偏差
(5.6)
メ ジ ア ンj=(リ
ス トaを 昇 順 に 並 べ,10番
目65と11番
目67の
平 均 値)
(5.7) デ ー タ の 大 き さnが 問3
表5.2で,男
〔 例 題4〕 (a)
奇 数 の と き,メ
ジ ア ン はj=((n−1)/2番
あ る。
子 の デ ー タの代 表 値 を求 め よ。
次 の 代 表 値 に は どん な 特 徴 が あ るか,表5.2の 平 均 値mと
〔 解 〕(a)
目 の 値)で
標 準 偏 差s
平 均 値m=63.5は,点
(b)
デ ー タを 使 って 説 明 せ よ 。
メ ジ ア ンjと4分
位 数q1,q2
数 を 人 数 で 均 し た 値(図5.7)で,標
sは 平 均 値 か ら の ば らつ き を 示 し,m±sの
範 囲;48≦x≦80に
ほ ぼ70%が
準 偏差 入 る
(図5.7)。 (b) 下 位4分
メ ジ ア ンjは,順 位 数q1,上
位 が中 央 に くる人 の点 数 を示 す。
位4分
位 数q2は
順 位 が 下(上)か
ら1/4に
あ る人 の 点 数 で
あ る。 下 位4分 位 数q1と 上 位4分 位数q2の 間 に ち ょ うど50%が
入 る(図5.8)。
平 均 値 と メ ジア ンは近 い値 だ か らこの度 数分 布 は平 均 値 に 関 して ほぼ対称 で あ る。
図5.7
図5.8
平 均 値 と 標 準 偏差
メ ジ ア ンと4分 位 数
問4 女子 と比 べ たときの男子 の特徴 を,平 均値 と標準偏 差を使 って説明せよ。 度数 分 布 が与 え られ て い る場 合 の平 均 値 と標 準 偏 差 を求 め よ う。 〔 例 題5〕
次 の デ ー タは,100人
につ いて1960年
と1991年 に お け る1家 族 の 人
数 を調 べ た結 果 で あ る。 この表 か ら1960年 の平 均 値mと 表5.5 家 族 の 人 数
〔 解 〕 平均 値mは
次 の よ うに計 算 す る。
標 準 偏 差sを 求
よ。
(5.8) 分 散υ は,m=4と
人 数 の2乗
の 平 均 値 と して,標
準 偏 差sは√υ
で求 め る。
(5.9)
Mathematicaで
は,数
ベ ク トル の 内 積 を 利 用 し て 次 の よ う に して 求 め る。
(5.10)
(5.11) 〔 注11〕
問5
内 積a1.a2で1・16+2・11+…+7・15を
計 算 す る。
1991年 の家 族 の平 均 値,標 準 偏 差 を求 め,そ の 特 徴 を 調 べ よ。
平 均 値 と標 準 偏 差 を 利 用 して 偏 差 値 を 求 め よ う。 〔例 題6〕
表5.2の
女 子 の デ ー タ(b)か
ら,女
子 各 人 の偏 差 値 を求 め よ。
〔 解 〕 女 子 の 平 均 値m=63.5と
標 準 偏 差s=14.579を
い て,〓
を求 め る。
使 い,女
子 の 各 値biに
つ
(5.12)
一 般 に,偏
差 値 を 式(5.12)で
作 る。
偏 差 値 は 平 均 値50,標
準 偏 差10に
な る 。 デ ー タbが
正 規 分 布 に 近 い と き,偏
差 値50点,60点,70点
の 人 は そ れ ぞ れ 上 位50%,15%,2.5%に
い る。
● 参 考 ボ ッ クス プ ロ ッ ト メ ジ ア ン,4分
位 数 の 利 用 例 と し て 表5.2の
≪Statistics'DescriptiveStatistics'〔
デ ー タ を ボ ッ ク ス プ ロ ッ トで 表 す 。 注12〕
≪Graphics'Grahics'
〓で,〓
(メ ジ ア ン)
〓で,〓 (下位4分 位 数) (上位4分 位 数)
〓で,
〓で,35
(最 低 点)
〓で,91
(最 高 点)
(図5.9) 図5.10か
図5.9
5.2 相
ら,男
子 の方 が ば らつ きの大 きい ことが わ か る。
女 子 の ボ ッ ク ス プ ロ ッ ト
図5.10
男 女 の ボ ッ ク ス プ ロ ッ ト
関
数 学 と英 語 の成 績 の関 係 な ど,2種
類 の デ ー タの 関連 性 につ い て調 べ よ う。
[1]
相 関 図
〔 例 題7〕
表5.6は,あ
る10人 の生 徒 の数 学 と各 科10段 階 の評 価 で あ る。 こ の
表 か ら数 学Iと 各 教 科 の相 関図 を作 り特 徴 を 調 べ よ。 表5.6 各 教 科 の 評価
〔 解 〕Mathematicaで Aの
リ ス トを 作 り,次
の 処 理 を 行 う 。 こ れ は,数
学Iと
相 関 図 で あ る(図5.11)。
数学
図5.11
図5.14
完全な正の相関
図5.12
強い正の相関
強い負の相関
図5.15
弱い負の相関
図5.13
図5.16
弱 い正 の相 関
相関 がない
同 様 に,
と して 図5.12か 図5.11の
ら図5.16の
相 関 図 が で き る。
形 を 完 全 な 正 の 相 関 が あ る と い う。 図5.12を
い い,図5.13を
弱 い 正 の 相 関 が あ る。 ま た,図5.14は
強 い 正 の相 関 が あ る と 強 い 負 の 相 関 が あ り,図
5.15は 弱 い 負 の 相 関 が あ る 。
問6 表5.6か
[2]
ら国 語 と体 育,国 語 と社 会 の相 関 図 を作 成 し,相 関 関 係 を調 べ よ。
相 関 係 数
相 関 関 係 につ いて,正 負 と強 弱 の度 合 いを数 値 化 しよ う。 〔 例 題8〕
数 学Iと 英 語 の相 関 係数rを 求 め よ。
〔 解 〕 次 の 手 順 でrを 求 め る。 ① 平 均 値 と標 準 偏差 を求 め る。 数 学 の平 均 値x=5.5点,英
語 の 平 均 値y=6.4点
数 学 の標 準 偏 差sx=1.746点,英
語 の 標 準 偏 差sy=1.428点
② 共 分 散 を求 め る。
(5.13)
③ 相 関 係 数rを 求 め る。
(5.14)
〓で,〓
数学Iと 他 の教 科 との相 関係 数 は表5.7の よ う にな る。 表5.7 相 関 係 数
表5.8 相 関 と相 関 係 数 の 関 係
相 関 関 係 と相 関 係 数 に つ い て 表5.8の
こ と が,お
お よ そ い え る。
問7 国 語 と体 育 の相 関係 数 を求 め,相 関 関 係 の状 態 を 調 べ よ。
[3] 身 長 と 体 重 の 相 関 関 係 身長 と体 重 の相 関 関係 と肥 満指 数 で,肥 満 や や せ の傾 向 を 判 定 しよ う。 〔 例 題9〕
表5.9は,あ
カ指数,松 木 の指 数,ロ
る女子 高校 生15人
の身 長 と体 重 の デ ー タで あ る。 ブ ロ
ー レル指 数 に よ って各 生 徒 の肥 満度 を調 べ よ。 表5.9 身長 と体重
〔 解〕
標準 体重 を 次 の 式 で 表 す。
(a) ブ
ロ カ 指 数;(標
準 体 重)=(身
長−100)×0.9
(5.15)
(b) (c)
松 木 の 指 数;(標
準 体 重)=21.5×10-4×(身
長)2
(5.16)
ロ ー レ ル 指 数;(標
準 体 重)=135×10-7×(身
長)3
(5.17)
太 り ぎ み,や
せ ぎ み の 判 定 は,次
の式 で行 う
太 り ぎ み の 限 界;y=1.1×(標
準 体 重)
(5.18)
や せ ぎ み の 限 界;y=0.9×(標
準 体 重)
(5.19)
デ ー タ か ら リス トa,bを 5.17)。 ま た,ブ
図5.17
作 り,点
を 打 ち 各 標 準 体 重 を 直 線 と 曲 線 で 表 す(図
ロ カ 指 数 で 太 り ぎ み と や せ ぎ み の 判 定 を 行 う(図5
標 準 体 重(三
つ の指 数)
図5.18
.18)。
太 り とや せ の 限 界
(図5.17) (図5.18)
図5.17ま
で にb,c,dの
を 調 べ る。 図5.17か と が わ か る 。 図5.18か
グ ラ フ が 現 れ る が,こ
ら(身 長)>160程 ら,番
号11,13が
れ ら は 省 略 し,図5.17と
度 で は,3つ
図5.18
の 指 数 が ほ ぼ 同 じに な る こ
太 り ぎ み,番
号5,6,9,10の
生 徒が や
せ ぎ み で あ る 。 同 様 の こ と を 松 木 の 指 数 を 用 い て 調 べ る こ と が で き る(図5
.19)。
〓
た だ し,式(5.16)で (5.18),式(5.19)で
男 子 の 場 合 の 定 数 は21.5の
図5.19
問8
の 正 確 な 定 数 は,そ
標 準 体 重(松
代 わ り に22を
れ ぞ れ1.12,0.885で
木 の 指 数)図5.20
ロ ー レル 指 数 を 用 い て 図5.20を
作 り,表5.10の
用 い る。 式
あ る。
標 準 体 重(ロ
ー レル 指 数)
生 徒 の肥 満 と やせ を調 べ よ。
5.3 モ デ ル 式 と予 測 相 関 図 を代 表 す る直 線,曲 線 の 式 を 作 り,推 定 や予 測 を して み よ う。 [1]
直 線 モデ ル を作 る
デ ー タの相 関 関 係 を うま く表 す 直 線 の式 を考 え る。 〔 例 題10〕 次 の表 を用 い て,各 生 徒 の英 語 の点 数 を 数 学 の 点 数 の1次 関数 で表 せ。 表5.10 数 学 と英 語 の 点
〔解1〕MathematicaのFitを
使 っ て 一 次 関 数 の 近 似 を す る。
〔注1〕〓
よ っ て,近
似 直 線 はy=0.62x+2.97
y0
〔注1〕Fit[a,{1,x},x]で
リス トaの
一 次 関 数 近 似 を,Fit[a,{1,x,x^2},x]で2次
関数
近 似 を 行 う。 〔解2〕
数 学,英
語 の 平 均 値 が 表 す 点(x,y)を
通 り,傾
き〓
の 直 線 を作 る。
(5.20) ① 数 学,英
語 の 平 均 点 は,x=5.5(点),y=6.4(点)
② 数 学 の 標 準 偏 差 は,sx=1.685 ③ 数 学 と英 語 の 共 分 散 は,sxy=1.76 ④ モ デ ル 式 は,
Mathematicaで
は ① ∼ ④ を 次 の よ う に 行 う。
図5.21
回帰 直 線
〓か ら sxは 〓か ら,
〓 は〓 〓か ら,
直 線 はy=0.62x+2.97
は2.97377
(5.21)
式(5.20)を 〔 解3〕
回 帰 直 線 と い う。 式(5.21)は
回 帰 直線y=ax+bが
相 関 表 を よ く表 して い る(図5.21)。
あ っ た と す る。
こ の 直 線 と 各 点 と の 偏 差di(図5.22)の
平 方 和sが
最 小 に な る と き のa,bを
求
あ る。
(5.22) sをaの2次 sをbの2次
関 数 と み てaで
微 分;D[s,a]は−742+666a+110b
関 数 と み てbで
微 分;D[s,b]は−128+110a+20b
連 立 方 程 式 を 解 きsが 最 小 に な るa,bを
回 帰 直 線 は,y=0.62x+2.97に
求 め る。
な る。
図5.22
偏
差
〔 解3〕 の 方 法 を最 小2乗 法 と い う。 次 に,回 帰 直 線 を 使 って抜 け た 値 を推 定 し よ う。 〔 例 題11〕
数 学 の 成 績 が4の と き の英 語 の成 績 を,回 帰 直線 の式(5.21)で
推定
せ よ。 〔 解〕
式y=0.62x+2.97にx=4を
代 入 す る。
〔注2〕
英 語 の 成 績 は,約5と 〔 注2〕Mathematicaで
な る。 はxの 式yにx=aを
代 入 す る と き,/.x->aを
用 い る こ とが
で き る。 問9
表5.9の
身 長xと
と 比 べ よ 。 ま た,身
[2]
2次
体 重yの
長160cmの
回 帰 直 線 を 求 め,標
準 体 重 の 式y=0.9(x−100)
人 の標 準 体 重 を求 め よ。
関 数 モ デ ル
水 の 重 さ は4℃ の と き1ccで1gで
あ るが,詳
し く は表5.11と
に な る。 これ らの離 散 的 な各 点 を結 ぶ2次 関数 を 求 め よ う。 表5.11 水 の密 度
図5.23
水の密度
図5.23の
よう
〔例 題12〕
水 の密 度 を,温 度 の2次 関 数 で 表 せ 。
〔解 〕Fit関
数 を使 う。
(5.23)
(図5.23) (図5.24)
図5.24
問10
表5.12は
日 本 の60歳
近 似 曲線
以 上 の 人 の 割 合 で あ る 。 これ を2次
年 の 割 合 を 推 定 せ よ 。 た だ し,xは60,70,80,90,100の
関 数 で 近 似 し,西
暦2000
よ うに とれ 。
表5.12 60歳 以 上 の人 の 割 合
〔 例 題13〕
あ る コ ン ビニ で は,お
円 で 売 る と1日
に152個
菓 子Aは
目下 売 れ 行 き ナ ンバ ー ワ ンで,1個60
売 れ る と い う。 表5.13か
ら,1円 値 上(下)げ
す る と2個
売 り上 げ が 減 る(増
え る)こ
と が わ か っ て い る 。 こ の お 菓 子 を1個
い くらで売 れ
ば よ い か。 〔解1〕
表5.13の
デ ー タ を2次
式 で近 似 す る。
(図5.25) 表5.13
図5.25
売 り上 げ の よ うす
この2次 関 数yは,
だ か ら,1個68円 〔 解2〕 る。
で 最 大9248円
こ の お 菓 子1個
に な る。
の 値 段 をx円,売
れ た 個 数 をy個,売
り上 げ をz円
とす
(5.24)
1個68円
で 売 り上 げ が 最 大9248円
問11 外 食 チ ェー ンの 吉乃 屋Aで た,過 去 の デ ー タか ら,10円
に な る。
は,1杯400円
の丼 を1日 に800食
さば け る と い う。 ま
値 上 げす る とお 客 は50人 減 る と い う。 この 丼 の 売 り上 げ に
つ いて 予 測 せ よ。
図5.26
外 食 チ ェー ン の売 り上 げ
5.4 確 率 の 実 験 不 確 か な 現 象 の起 こ りや す さ を確 率 で 表 し,そ の 利 用 を 考 え よ う。 ま た, Mathematicaで [1]
確 率 の実 験 を試 み よ う。
起 こ リや す さ
コ イ ンや さ い こ ろ投 げ,ト
ラ ンプ な ど で不 確 か な現 象 を作 り出す こ とが で きる。
い ろ い ろ な不 確 か な 現象 に つ い て,起 〔 例 題14〕
こ りや す さ を考 え よ う。
今 年 夏 の か もめ ー るは が きの く じは百 万 枚 発 行 され,当 選 番号 は次 の
よ うで あ った とい う。 切 手 シー ト賞 の 当 た る可 能 性 を,各 場 合 につ いて調 べ よ。 (a) 百 万 枚 全 部 買 っ た場 合 (b) 100枚 買 った場 合 (c) 1枚 買 った場 合
表5.14
〔解 〕(a)
当 た る の は100万
6/100 ×
か も め ー るの 賞
=6万
枚
表5.15 度 数 と確 率
この 場合,確 実 に6万 枚 当 た る。 (b)
当 た る の は 100×6/100
=6枚
この 場 合,不 確 か で あ るが6枚 が現 れ や す い。 (c)
当 た る の は6/100=0.06
こ の と き0.06は Mathematicaで
起 こ りや す さ の度 合 いを 表 す。 は,次
(c) の 値0.06を,3等
の よ う に リス トを 用 い て 確 率 を 計 算 す る。
が 当 た る確 率 と い う 。(b)は
確 率0.06を
利 用 して い
る。 か も め ー る で 各 等 が 当 た る確 率 は,表5.15の る 。 「1等 が 当 た る こ と 」 な ど,起 根 元 事 象 と い い,「2等
こ る こ とが らで これ 以 上 分 け られ な い もの を
以 上 が 当 た る こ と 」 は,「1等
が 当 た る こ と」 で 表 せ る の で,こ 問12〔
よ う に 度 数 分 布 表 か ら求 め ら れ
が あ た る こ と,ま
た は2等
う し た こ と が らを 単 に 事 象 と い う。
例 題14〕 で 何 も当 た ら な い確 率 を求 め よ。
〔 例 題15〕
次 の 各 場 合 の 確 率 を 求め よ 。
(a)
幕 内 と十 両 の 力 士 の 枠 は 現 在40人
は210人
お り,彼
と27人
い る。 一 方,幕
下以 下の力士
らが 関 取 に な る チ ャ ン ス は み な 等 し い と す れ ば そ の 確 率 は ど れ
だ けか。 (b)
コ イ ン を3回
投 げ た と き す べ て 表 で あ っ た 。 こ の と き,4回
目 に表 が 出
る確 率 は ど れ だ けか。 〔解 〕(a)
(b)
67/210≒0.319
3回 目 ま で の結果に
前 述 の(a)で
は,チ
る 。 こ の 仮 定 を,同
無 関 係 に,4回
目 が 表 で あ る 確 率 は1/2
ャ ン ス が 等 し い と した の で 統 計 的 な デ ー タで 計 算 が で き
様 に 確 か ら し い と い い,次
(同 様 に確 か ら しい確 率)=
の 式 が 成 り立 つ。
(条件 を満 たす根元事象 の個数) /(根元事象全部 の個数)
(5.25)
しか し,現 実 に は各 力 士 の チ ャ ンス は け い この 量 な ど で異 な る。 同 様 に確 か ら しい仮 定 を して,確 率 を考 え る と き に は デ ー タの 特 性 の 一 部 を無 視 して 使 う。 (b) の よ う に,コ イ ン投 げ の よ うに何 回 も行 う こ とが で き,し
か も各 回 の状
態 が 同 じで あ る実 験 や観 察 を試 行 と い う。 各 回 で 表 が 出 る事 象 の確 率 は,他 に無 関 係 に1/2に な って い る。 「他 と無 関 係 に確 率 が 決 ま る」試 行 を独 立 試 行 と い う。 独 立 試 行 で,あ
る事 象Aの
起 こる確 率 がpの
と き,次 の式 が成 り立 つ 。
(n回 続 け て 事 象Aが
起 こ る 確 率)=pn
(5.26)
問13 あ る家 で は3人 の 子供 が 皆女 の子 で4人 目 の子 供 を現 在 妊 娠 中 で,4人
目 も女 の 子
か し らと こ の奥 さ ん は考 え て い る。 こ の子 が 女 子 にな る確 率 を 求 め よ〔 注1〕 。 〔 注1〕
確 率 を 考 え る と き,こ の奥 さん の 体 質,つ
問14 さ い こ ろ を2回 投 げ,1と1の
ま りデ ー タの 特 性 の一 部 を無 視 す る。
よ う に同 じ目が 出 る,つ ま り ゾ ロ メ に な る確 率 を 求
め よ。 ま た,こ れ を3回 繰 り返 す と き,3回
と も同 じ 目に な る確 率 を求 め よ。
[2] 確 率 の 表 し方 事象 を集合 で,確 率 を式 で表 してその値を求め よ う。 〔 例 題16〕
よ く 切 っ た52枚
の カ ー ドか ら1枚
引 く と き,次
集 合 の 記 号 を 使 っ て 表 し,そ よ。
の トランプ の確 率 を の値 を求 め 図5.27
トラ ン プ の 絵 札
(a)
ハ ー トか ス ペ ー ドで あ る 確 率
(b)
ハ ー トか 絵 札 で あ る 確 率
〔 解〕
ハ ー ト,ス ペ ー ド,絵 札 で あ る 事 象 を そ れ ぞ れH,S,Eと
す れ ば,そ
の
確 率 は次 の よ うに表 す こ とが で き る。
各 事 象 の 位 置 関 係 を 表 す と 図5.28,ベ
図5.28
図5.29
ン図 は 図5.29の
よ う に な る。
各事 象 の 位 置
事 象 のべ ン図
(a)
(5.27)
(b)
(5.28)
確 率 で は起 こ り う る事 柄 つ ま り事 象 を 集 合 で考 え,大 文 字A,Bな
どで表 す。
ま た,事
象Aが
起 こ る 確 率 をP(A)で
表 す 。 事 象A,Bが
あ る と き,次
の よ う
に事 象 を 表 す 。
Aま
た はBが
AとBが
Aが
起 こ る事 象(和
同 時 に 起 こ る事 象(積
事 象)A∪Bの
起 こ ら な い 事 象(余
図5.29のHとSの
よ う に,共
と い う。 排 反 な 事 象A,Bに
確 率;P(A∪B)
事 象)A∩Bの
事 象)Aの
確 率;P(A∩B)
確 率;P(A)
通 部 分 が な くH∩S=φ
つ い て,式(5.27)と
と な る 事 象H,Sを
排反
同 じ く次 の 性 質 が 成 り 立 つ 。
(5.29) 事 象A,Bに
つ いて 次 の性 質 が 成 り立 ち,確 率 の和 の法 則 とい う。
(5.30) 事 象Aと
そ の余 事 象Aの
確 率 に つ い て,次 の性 質 が 成 りつ 。
(5.31) 問15 a,b,cの3人
が レス トラ ンに行 き,か ぶ って い た 帽 子 を預 け た 。 帰 りに で た らめ に
帽 子 を も ら う と き,少 な く と も1人 が 自分 の帽 子 で あ る確 率 を求 め よ。
[3]
確 率 の利 用
確 率 の考 え方 を利 用 して,い
くつ か の問 題 を解 こ う。 次 の 問題 は赤 玉,白 玉 で
結 果 を象 徴 した決 定 問題 で あ り,人 生 で この よ うな決 定 場 面 が多 数 あ る。 〔 例 題17〕5つ
の筒 が立 て て あ り,中 に赤 と 白の 玉 が 入 って い る。3つ の 筒Aに
は白玉 が2個,赤 て い る(図5.30)。
玉 が4個,残
りの2つ の筒Aに
は 白玉 が3個,赤
い まa君 が 目隠 しを して で た らめ に筒A,Aを
玉 が2個 入 っ 選 び,次
の 中か ら玉 を1個 選 ぶ 。 こ の と き,選 ん だ 玉 が 白玉 で あ る確 率 を 求 め よ。
図5.30
筒
と 玉
にそ
〔 解 〕 筒 と玉 の選 び方 お よ び それ らの 確 率 は次 の よ う にな る。
図5.31
筒 と玉 を選ぶ 確 率
選 ん だ玉 が 白玉 で あ る確 率 は次 の よ うに な る。
(5.32) こ の 式 は,確
率 の か け 算 を 行 っ て い る。 図5.32か
き る。 事 象Aが
起 こ っ た と き に 事 象Bが
らそ の 根 拠 を探 る こ と が で
起 こ る 確 率 をPA(B)で
表 し,条
件 付
き 確 率 と い う。
図5.32
〔 例 題17〕 で は,筒Aを を 掛 けて 筒Aの
条件 つ き碓 率
選 ぶ確 率P(A)と,筒Aか
白玉 を 選 ぶ確 率P(A∩B)を
ら白玉 を選 ぶ 確 率PA(B)
求 め て い る。 次 の式 を,確
率 の積
の 法 則 と い う。
(5.33)
式(5.32)で
は,積
の 法 則 を2つ
使 っ てBの
確 率 を次 の よ うに求 め て い る。
(5.34) 問16〔
例 題17〕 に つ いて,次
(a)赤
玉 を選 ぶ確 率
の確 率 を求 め よ。 (b)選
ん だ 玉 が 白玉 の と き,筒Aを
問17 10本 の く じの 中 に3本 の あ た り く じが あ る。A,Bが
選 ん だ 確率
こ の順 に く じを引 くと き,A,B
が 当 た る確 率 を そ れ ぞ れ求 め よ 。
〔 例 題18〕A,Bの2人
が じ ゃん け ん を3回
繰 り返 し,勝
っ た 回 数 を 記 録 す る 。A
君 の勝 ち数 とそ の確 率 の 関係 を調 べ よ。 〔 解 〕A君
が勝 つ 場 合 ○ と その 個 数 と確 率 は次 の よ うに な る。 △ は あ い こか 負
け の場 合 で あ る。 A君
の 勝 つ 回 数 をXと
す れ ば,各Xの 表5.16 A君
確 率 は次 の よ う に ま と め ら れ る。 の勝 つ 回数 と確 率
0回 勝 つ;
1回 勝 つ;
2回 勝 つ;
3回 勝 つ;
こ こで,確 率 の 計 算 の 意 味 につ い て考 え よ う。 〔 例 題18〕 で,A君
P(1回
が3回
と も勝つ 場 合 の確 率 は次 の式 を も とに して い る。
目勝 ち ∩2回 目勝 ち ∩3回 目勝 ち)
=P(1回
目勝 ち)×P(2回
目勝 ち)×P(3回
目勝 ち)
(5.35)
じゃん けん や コ イ ン投 げ の よ うに,各 試 行 の事 象 が他 の試 行 の事 象 と無 関 係 な 試 行 を 独 立 試 行 と い い,異 な る試行 の事 象A,B,Cに
つ いて 次 の式 が成 り立つ。
(5.36)
じゃん けん でA君
が 勝 つ 回 数X(=0,1,2,3)の
変 数 と い う。 確 率 変 数 がX=kと 数Xの
よ う に確 率 を伴 う変 数 を 確 率
な る確 率 をP(X=k)の
各 値kと そ の確 率P(X=k)の
式(5.37)を,確
よ うに表す。 確 率変 率 変 数Xの
確 率分 布 と
い う。 表5.17 Xの 確 率 分 布
(5.37)
〓〔注2〕〓
(図5.33)
図5.33 xの
〔注2〕Binomial[n,r]で 確 率 変 数X=1,2,3,…,nの
組 合 せ の 個 数nCrを
確率分布
計 算 す る。
確 率 が そ れ ぞ れp1,p2,p3,…,pnの
と き,こ
の 確
〓
率 分 布 の平 均m,分
散υ,標 準 偏 差sを 次 の式 で求 め る。
平均〓
(5.38)
分散
〓 (5.39)
標準偏差
〓 (5.40)
問18 図5.34の る。 玉 が4段
よ うな パ チ ン コの 模型 が あ り,玉 は 同 じ確 率 で右 か左 に行 って 上 か ら落 ち
目 の一 番 左 に き た と きを4点,一
番 右 に き た と きを0点
とす る と き,点
数x
の確 率 分 布 を求 め よ。
図5.34
図5.35 得 点 の分 布
パ チ ン コの モ デ ル
パ チ ン コの得 点 分 布 は,次 の よ う に2項 分 布 を利 用 して も描 く ことが で きる。
〔注4〕〓
(図5.35) 〔注3〕PDFは
確 率 密 度 関 数(Probability
Density
〔注4〕[BinomialDistribution[n,p],k]で2項
Function)の
略 で あ る。
分布
計 算 す る。
5.5
シ ミ ュ レ ー シ ョ ン
Mathematicaで
不 確 か な 現 象 を な ぞ り,事
象 の 起 こ り や す さ を 調 べ よ う。
〓を
[1]
乱 数 の 利 用
Mathematicaで 〔 例 題19〕1か
は,次 の よ うに して 乱 数,つ
ま りで た らめ な数 を作 り出 す。
ら6ま で の 整数 の乱 数 を300個 作 り,度 数 多 角 形 を 作 れ。
〔解 〕SeedRandomで
乱数 の初 期値 を決 めて乱 数300個
と度 数 の折 れ 線 グ ラ フを
作 る。
図5.36 乱 数 の度 数 分 布
(5.41)
〔 例 題19〕
で1∼6の
整 数 の 乱 数 を 作 れ ば,さ
い こ ろ投 げ の 実 験 の代 わ りに な
る 。 実 際 の 動 き を 模 擬 実 験 す る こ と を シ ミ ュ レ ー シ ョ ン と い う。
問19 2個 の さ い ころ を 投 げ,目 の和 を み る試 行360回
[2]
の シ ミュ レー シ ョ ンを行 え。
モ ン テ カ ル ロ 法
乱 数 を 使 っ て 確 率 の 模 擬 実 験 を 行 お う。 こ の 方 法 を モ ン テ カ ルロ 法 と い う。
〔 例 題20〕−1<a<1,−1<b<1の x2+y2=1を
図示せ よ
乱 数a,bを100個
。 ま た 点(a,b)が
ず つ 作 り,点(a,b)と
円
こ の 円 の 内 部 に あ る と き の 個 数 を 調 べ よ。
〔解 〕 乱 数 の初 期 値 を決 め,乱 数 と 円 を描 き,条 件 にか な う個 数 を調 べ る。
(5.42)
〓(図5.37)〓
(5.43) か ら77
図5.37
円 の面 積 の 近 似
式(5.42)のRandom[Real,{−1,1}]で−1<a<1の 5.37で
は 面 積 が4の
で100個
正 方 形 に 半 径1の
の 点 か ら分 け て77個
乱 数aを1つ
作 る。 図
円 が あ る 。 こ の 円 の 内 部 の 点 を 式(5.43)
に な っ た の で,円
の 面 積 は 次 の 値 で 近 似 で き る。
(5.44) 〔 注1〕Lengthを 〔 注2〕〓 の 中 か ら〓
使 って,条 件 を満 足 す る点 の個 数 を数 え る。 で,〓
とな る もの を選 び 出 す。
問20 円 の シ ミュ レー シ ョ ンを ラ ンダ ム な点1000個 〔 例 題21〕A,Bの2人
が じ ゃん け ん を し,Aが
け た と き 得 点 か ら1点
引 く。 こ れ を4回
図5.38
〔 解 〕−1,0,1の
で 行 い,π の近 似 を行 え 。
乱 数 を4個
足 し4回
勝 っ た と き 得 点 に1点
繰 り 返 す と き,A君
加 え,負
の得 点 を調 べ よ。
じゃん け ん の モ デ ル
の 得 点 を 作 り,100回
繰 り返 して 度 数 分 布
を 作 る。 SeedRandom[1735] 〔注3〕
(図5.39) 〔注3〕Random[Integer,{−1,1}]で,−1か
ら1ま
で の 整 数 の乱 数 を生 成 す る。
図5.39 じ ゃん けん の得 点 分 布
〓
問21 4回 目 にAが ・参 考
得 る得 点xの 確 率 分布 を 計 算 し折 れ 線 グ ラ フを描 き,上 と比 べ よ。
正 規 分 布 と比 べ る
〔 例 題21〕
の リ ス トbを 使 っ て 平 均 値 と 標 準 偏 差 を 求 め,正
う。 こ の 考 え 方 は,デ
図5.40
規分布 と比較 しよ
ー タの分 布 を調 べ る と きの基 本 で あ る。
得 点 と正 規 分 布
図5.41
正規分布
〔 注1〕
〔 注2〕
(5.45)
(図5.40) モ ン テ カ ル ロ法 で 作 っ た じ ゃ ん け ん の デ ー タ は 正 規 分 布 に 近 い こ と が わ か る 。 〔 注1〕
平 均 値 と標 準 偏差 を求 め た。
〔 注2〕
平 均m,標
準 偏 差sの 正 規 分布N(m,s2)は
次 の式(5.46)で
求 め られ る。
(5.46)
各mの
グ ラ フ は 図5.41の
よ う に な り,x=mで
最 大 値〓
を と り,m−s
≦x≦m+sに
全 体 の 約68%が
入 る。
練習問題 1. あ る ス ー パ ー で は,A∼F社 数 量(ダ
か ら毎 月靴 を仕 入 れ て い る。 表5.18は
各 社 か らの 仕 入 れ
ー ス)と 仕 入 額(万 円)で あ る。 表5.18
(a) 1ダ ー ス当 た りの 平 均 単 価 が 最 も高 い会 社
靴 の仕 入 れ
お よ び低 い 会 社 を あ げ よ。 (b) 靴1足
の 平 均 価 格 を 求 め よ。
2. 次 の 表 は,1995年
の,日 本 の無 配 偶 者 の割 合 で あ る。 年 齢 を27.5,32.5,…
に と り,
各 割 合 を 年 齢 の2次 関 数 で 近 似 せ よ。 ま た,男 女 の 相 関 図 の 関 係 を 調 べ よ。 表5.19 独 り者 の割 合
3. 次 の表 と 図 は 水 の 温 度 と密 度 の 関 係 で あ る。 密 度 の リス トを 作 り,温 度 の2次 関 数 で 表せ。 表5.20 水 の 密 度
4. さい ころ を2個 投 げ る と き,次 の確 率 を求 め よ。 また,シ 回数−(b)の
回数}を20回
(a) 和 が6に
な る
ミュ レー シ ョ ンで{(a)の
計 算 し,正 に な る回 数 を調 べ,そ の 確率 を 求 め よ。 (b) 和 が7に な る
5. 10本 の く じが あ り,そ の 中 の3本 が 当 た り くじで あ る。A,Bの を100回
モ ンテ カ ル ロ法 で 行 い,A,Bの
当 た る回 数 を調 べ よ。
順 に く じを 引 く実 験
第6章 離散構造 数 や集 合,リ
ス トな どの仕 組 み につ い て,こ れ まで の話 題 を もと に調 べ よ う。
6.1 指 数 の 構 造 指 数 表 現 を 中心 に数 の性 質 を探 り,そ の基 本 的 な原 理 を 明 らか に しよ う。 [1]
指 数 の 原 理
指 数 が もつ 基 本 的 な性 質 を も とに,指 数 の 問題 を解 決 す る。 指 数abは,指
数
bを 変 え た と き,次 の よ うに そ の意 味 が 変 わ る。 ① a3=a×a×a;自
然数
② a-2=1/a2;負
の整 数
③ a1/2=√a;有
理 数(分
① → ② → ③ の よ う に,指
(6.1) (6.2)
数)
数 の 範 囲 を 広 げ,そ
(6.3) の 意 味 を変 え る こ とを 指 数 の
拡 張 と い う。 指 数 の 拡 張 を す る場 合 に 基 本 と な る性 質 を 探 ろ う。
問1 Mathematicaを (a)
(b)
用 い て次 の 式 を 求 め よ。 (c)
〔 例 題1〕
次 の 式 が 成 り 立つ こ と をMathematicaで
(a)
(b)
〔 解 〕Mathematicaで
確 認 せ よ。
(c)
は,各
式 を 次 の よ う に して 確 認 す る こ と が で き る 。
(6.4)
割 り算23÷22は23-2と
同 じで,指
基 本 法 則am÷an=am-nが
数 の2を3,4,…
自然 数m,nで
(a)
と す れ ば 表6.1に
成 り立 て ば,次
な る。
の 計 算 が で き る。
(b) 表6.1 わ り算 と指 数 計 算
基 本 法 則(ab)c=abcが
有 理 数(分
数)b,cで
も 成 り 立つ と す れ ば 次 の 計 算 が
で きる。
(6.5) こ こ で,a2=2と
な る 数aは2の
平 方 根 だ か ら,次
の こ とが いえ る。
(c)
(6.6)
問2 次 の式 につ い て基 本 原 理 を探 り,そ れ が成 り立 つ こと を示 せ 。 (a)
数c>0,d>0の
(b)
と き,次
これ らの法 則 か ら,d>0に
(c) の 基 本 法 則 が 成 り立 つ 。
つ いて 次 の式 が 成 り立つ。
〓dの 正 のn乗 根
問3 nn(n=±1,±2,…)が
[2]
最 も小 さ い と きのnの 値 を求 め よ。
複 素 数 の 指 数
虚 数 単 位i,つ
ま りi2=−1と
な る 数 を 使 っ て〓
な どの数 を考 え よ
う。
〔 例 題2〕
次 の 式 を 複 素 数a+biの
(a)
形 で 表 し,そ
うな るわ け を い え。
(b)
〔解 〕ComplexExpand〔
注1〕〓
と す れ ば,次
のよ うに
な る。
(6.7) そ の わ け は,次
の よ うに して示 さ れ る。
(a)
(6.8)
(b) 〓
と す れ ば,
(x+yi)2=i(x,yは
をSolve[{x^2==y^2,2x*y==1},{x,y}]で
実 数)だ
解 け ば ,Iを
か ら,
含 ま な い 実 数 解 は,
〓(複 号 同順)
だか ら正 の方 を選 ぶ と〓 〔 例 題2〕 で はaが 複 素 数 の 範 囲 で 指数 法 則〓 て い る。 こ の よ う に,指 〔 注1〕
数 法 則 が 複 素 数 の 計 算 で も成 り立つ。
複 素 数 の 範 囲 で,展 開 を行 う。
(6.9) を使 っ
問4 次 の式 を複 素 数a+biの
(a)
(b)
〓の意味
[3]
n乗 す る と−1に 面 上 の 点 に と り,そ
〔 例 題3〕x3+1=0の 〔 解1〕
形 で 求 め よ。
な る複 素 数a+biの1つ
を(−1)1/nと
表 す。 方 程 式 の解 を平
の 意 味 を 考 え よ う。
解 を 求 め,そ
の解 を描 け 〔 注2〕 。
因数 分 解 して解 を求 め る。
(6.10)
を プ ロ ッ トす れ ば 解 が 図 示 で き る。
3点〓
ListPlot[a,AspectRatio->Automatic,PlotStyle->PointSize[0.1]] 図6.1は,複
素 数a+biを
平 面 上 の 点(a,b)で
を 虚 数 部 分bに
表 した 平 面 の こ と を 複 素 数 平 面 と い う(図6.2)。
図6.1 x3+1=0の
表 す 。x軸
解
を 実 数 部 分aに,y軸
図6.2
〔 解2〕Solveで
複素数平面
解 を表 す 。
(6.11) 解 は〓
(6.12)
複 素 数 ら し くa+biの
形 に表 す。
解 は〓
(6.13)
上 の 解 で 式(6.10),(6.12),(6.13)を
比 べ る と次 の こ と が わ か る 。
(6.14) 〔注2〕x3+1=0の
解 は 次 の よ う に 求 め,図
示 す る こ と もで き る。
問5 x4+1=0の
式(6.13)の a+biの
解 を 式(6.14)の3つ
の方 法 で表 せ。
よ う に,r(cosα+isinα)の
形 の 複 素 数 は,次
形 に した複 素 数 を 極形 式 とい う。
の 変 形 で 極 形 式 に表 す こ と が で き る。
(6.15)
問6 〓
を,そ れ ぞれ 極 形 式 で表 せ 。
〔 例 題4〕(−1)x,ix(x=−1,−0.9,…,1)を
極 形 式 で 表 し,複 素 数 平 面 上 に 示
せ。 〔 解〕
(6.16)
か ら,
(6.17)
同 様 に,ComplexExpand[I^x]と
し て,
(6.18) (−1)xは
式(6.18)を
用 い て,次
の よ う に プ ロ ッ トす る。
(図6.3) … と す れ ば よ い(図6
.4)。
図6.3
問7 x6=64の
図6.4 ix
(−1)x
解 を 求 め,複 素 数 平 面 上 に図 示 せ よ。
6.2 数 の 性 質 整 数,有 理 数,無 理 数 に 特有 な性 質 をMathematicaを [1]
用 いて 調 べ よ う。
小 数 の数 字
〔 例 題5〕
次 の数 を小 数 で表 した と きの各 桁 の数 字 を101桁 ま で取 り出 し,そ の
現 れ 方 を 調 べ よ。 た だ しgを 黄 金 比 とす る。
(a) 〔 解 〕〓
(b)
か ら10aの
整 数 部 分1を
分)を 再 びaと す る。 この 再帰 手順 で10aの
取 り出 し,10a−(10aの
整 数部
整 数 部 分 を 取 り出 せ ば 各 桁 の 数 字
が 得 られ る。 〔 注1〕
(6.19)
〓
0,1,…,9の
各 数 字 の 度 数 は 次 の 手 順 で 求 め ら れ,ほ
ぼ 同 じ割 合 で 現 れ る 。
〓(図6.5) (b) 式(6.19)を
次 の よ う に変 え れ ば よ い。
(6.20)
結 果 はe={6,1,8,0,3,3,9,8,9…},各
図6.5 1/7の
図6.6
数 字 の度数
分 数 は 循 環 小 数 で 表 さ れ る の で,そ 環 しな い の で,図6.6の
数 字 の 度 数 は 図6.6の
の 度 数 は 図6.5の
よ う に な る。
g−1の 数 字 の 度 数
よ う に な る。 無 理 数 は 循
よ う に 度 数 は 一 様 に な ら な い こ と が わ か る 。 一 方, 〔注2〕
に よ っ て,1/7の g− 1の 小 数101桁
小 数 で 隣 り合 う数 字 の 相 関 図 が 得 ら れ る(図6.7)。 の 相 関 図 も 得 ら れ る(図6.8)。
同 様 に して,
図6.7
1/7の相関
〔 注1〕Floor[a]は,aを 〔 注2〕
問8
[2]
図6.8
図
越 え な い最 大 の整 数 を 出力 す る。
隣 同 士 の 数 の ペ アを 点 に して,グ
π=3.14159…
g−1の 相 関 図
の小 数 以 下100桁
ラ フで 表 示 す る。
に お け る0か ら9の 度 数 を調 べ よ。
連 分 数 で表 す
有 理 数 と無 理 数 の 違 いを,連 分 数 で 表 して 調 べ よ う。 〔 例 題6〕
(a) 〔解1〕(a)
次 の 数 を連 分数 で表 せ。 (b) 黄 金 比〓 10÷7=1…3,7÷3=2…1だ
か ら,
(6.21) を分 母 と分 子 に代 入 して い く と連 分 数 が で き る。
(6.22)
式(6.22)で
は 各 分 子 が1だ
か ら,各 分 数 の 前 の1,2と
数 と 最 後 の 分 母3で
(6.23) の よ うに表 す こ とが で き る。 逆 に この 数字 か ら連 分 数 を作 る こ とが で きる。 (b)
か ら関数〓
は,〓
の合 成 で連 分 数 を求 め る。
(6.24)
式(6.24)にx=1を
代 入 して み る と,分
母,分
子 に フ ィ ボ ナ ッ チ数 列 が 現 れ
る。
(6.25) Mathematicaで
は,次
の よ う に して 分 数10/7の
連 分 数 の 式(6
.23)を
求 め る こ
とが で き る。
同様 に(b)の
答 え が 次 の 式 で 得 られ る。 式(6.26)の
形 を 連 分 数 の 標準 形 と い
う 。
(6.26) 〔 例 題6〕(a)は,有
理 数(分 数)を 連 分 数 にす る とき ユ ー ク リ ッ ドの 互 徐 法 と
同 じ手 順 で 行 い,連 分 数 は有 限 で 終 わ る こ とを 示 して い る。(b)は,ル
ー トを
含 む無 理 数(代 数 的 無 理数)を 連 分 数 にす る と循 環 した定 数 が 無 限 に続 く こ とを示 す 。 な お,π の よ うな無 理 数(超 越 的無 理 数)の 連 分 数 は循 環 しない定数 が現 れ る。 問9 次 の数 を連分数 に展開 し,式(6.26)の (a)
形 で表せ。
(b)
[3] 整 数 の 性 質 約 数,倍
数,素 数 を 中心 に整 数 の性 質 を調 べ よ う。
〔 例 題7〕377と620(フ 〔 解1〕GCDで
ィボ ナ ッチ数 列 で 隣 り合 う2数)の 最 大 公約 数 を求 めよ。
最 大 公 約 数 を求 め る。
最 大 公 約 数 は1 〔 解2〕
素 因 数 分 解 す る。
共 通 な 素 数 は な い の で,最 〔 解3〕
大 公 約 数 は1
ユ ー ク リ ッ ドの 互 除 法 で 求 め る 。 (620を377で
割 っ た 余 りが233)
(余 りが0に な る式 の 直前 の式 の 余 りが 最大 公 約 数)
だ か ら,最 大 公 約 数 は1 〔 解4〕
ユ ー ク リッ ドの互 除 法 の手 順 を再 帰 式 で 作 って 求 め る。
(6.27)
2つ の 整 数 の 最 大 公 約 数 を 求 め る と き,素
因 子 分 解 や ユ ー ク リ ッ ドの 互 除 法 が
有 効 で あ る 。 こ の よ う な 手 順 の こ と を ア ル ゴ リ ズ ム と い い,〔 解3〕
や 式(6.27)
の 手順 が そ の例 で あ る。 〔 注3〕g[m,n]はm>nの [m,n]を,mの
整 数 を 扱 う。 数nの
代 わ り にnを 置 き換 え,n=0に
問10 100以 下 の正 の 整 数nで,nとn+10が
〔 例 題8〕2000の 〔解1〕2000=2453だ
代 わ りにmをnで
割 っ た余 りMod
な るま で 繰 り返 す アル ゴ リズム で あ る。
互 い に素 で あ る組 の個 数 を求 め よ。
約 数 とそ の 個 数 を求 め よ。 か ら,
表6.2 約 数 の構 造
約 数 は2m5n(m=0,1,2,3,4,n=0,1,2,3) 表6.2の
よ う な 構 造 を し て い る。
約 数 の 個 数 は5×4=20 約 数 の 和 は,
〔解2〕
約 数 を 求 め る 関 数Divisorsと
約 数 の 関 数DiverseSigmaを
使 う。
約 数 の 個 数 は20個,そ 〔 注4〕aの
の 和 は4836。
約 数 をdiと す れ ば,DivisorSigma[k,a]で(di)kの
と き は(di)k=1だ
か ら約 数 の個 数 を,k=1の
和 を計 算 す る。k=0の
とき は約 数 の和 を表 す。
問11 2025の 約 数 とそ の 個 数,そ の和 を求 め よ。 整 数aの
約 数 が1とa自
身 だ け の 場 合aを
素 数 と い う。 素 数 が 多 く現 れ る 数 列
を 調 べ よ う。 次 の 例 題 の 数 を メ ル セ ン ヌ 数 と い う 。
〔 例 題9〕2n−1(nは 〔 解〕
素 数)を
素 数 を20個
作 り,そ
小 さ い 方 か ら20個
れ ら に つ い て2n−1を
あ げ,素
数 か ど うか 調 べ よ。
計 算 して 素 数 か ど うか 判 定 す
る。
メ ル セ ン ヌ 数 は 小 さ い 方 か ら4個
は 素 数 で,最
初 の20個
中9個
は素 数 に な る 。
問12 10個 の 各 フ ェ ル マ ー数2^(2^n)+1(n=1,2,…,10)が
素 数 か ど うか 調 べ よ。
〔 例 題10〕n以
数〓
下(n≦1000)の
素 数 の 個 数 を 求 め,関
べ よ。 〔 解〕
自然 数nま
で の 素 数 の 個 数 をPrimePi[n]で
求 め プ ロ ッ トす る。
と比
図6.9
図6.10か き る。aの
素 数 の 個 数 とlog3x
ら,1000ま
図6.10
で の 素 数 の 個 数 は 対 数 関 数log3.2xで
各 数 値 に 最 も適 合 す る 関 数 の 詳 し い 調 査 は,こ
〔 注5〕PrimePi[n]は,正
問13 2か ら1000ま
素 数 の 個 数 とlog3.2x
の整 数nま
近 似 す る こ とが で
こ で は 省 く。
で の 素 数 の個 数 を与 え る関 数 で あ る。
で の各 整 数 に つ い て約 数 の個 数 を調 べ,最
も多 い数 を あ げ よ。
6.3 集合 と論 理 の 仕組 み リ ス トを 用 い て 集 合 と論 理 の 仕 組 み を 調 べ よ う。
[1]
集 合 演 算
リス トを 有 限 集 合 と み て 集 合 の 計 算 法 則 に つ い て 調 べ よ う 。
〔 例 題11〕
奇 数 の 集 合 をa={1,3,5,7,9},素
倍 数 をc={3,6,9},全
数 の 集 合 をb={2,3,5,7,9},3の
体 集 合 をu={1,2,3,…,10}と
す る と き,次
の集 合 を求
め よ。 (a) 〔 解〕 (a)
a∩(b∪c)
(c)
リ ス トa,b,cが
あ る と き,各
a∩(b∪c) Intersection[a,Union[b,c]] {3,5,7,9}
(a∩b)∪(a∩c) 集 合 は次 の よ う に し て 求 め ら れ る 。
(b)
(a∩b)∪(a∩c)
Union[Inetersection[a,b],Intersection[a,c]]
{3,5,7,9}
問14〔
例 題11〕
(a)
の 集 合a,b,cに
a∪(b∩c)
集 合a,b,cと
つ い て,次
(b)
の演 算 を 行 え 。
a∩(b∪c)
そ の 間 の 演 算 は,次
の 基 本 法 則 か ら成 り立 っ て い る。
① べ き の 法 則;a∪a=a,a∩a=a ② 交 換 法 則;a∪b=b∪a,a∩b=b∩a ③ 結 合 法 則;(a∪b)∪
c=a∪(b∪c),(a∩b)∩c=a∩(b∩c)
④ 分 配 法 則;a∩(b∪c)=(a∩b)∪(a∩c) a∪(b∩c)=(a∪b)∩(a∪c) ⑤ 相 補 の 法 則;a∪a=U;全 ⑥
問15〔
[2]
体 集 合
ド ・ モ ル ガ ン の 法 則;a∪b=a∩b,a∩b=a∪b
例 題11〕
の 集 合a,bに
つ い て ド ・モ ル ガ ン の 法 則;a∪b=a∩bを
確 認 せ よ。
論 理 演 算 「数2は
の よ う に,正
集 合{1,2,3}の
し い(真)か
「数xは{1,2,3}の
要 素 で あ る」
そ う で な い(偽)か
要 素 で あ る 」 はxに
に 真 の と きTrueを,偽
(6.28)
が 明 確 な 文 章 を 命 題 と い う。 ま た,
の と きFalseを
よ って真 偽 の い ず れ か を と る。 この よ う 返 す 関 数 を述 語 関 数 と い う。 述 語 関 数 を
用 い て 命 題 の 真 偽 を 判 定 しよ う 。
〔 例 題12〕
次 の 命 題 の 真 偽 を 判 定 せ よ。
(a)命
題3=22,3<22の
〔解 〕(a)
{3==2^2,3<2^2} {False,True}
だ か ら,そ (b)
れ ぞ れ 偽,真
PrimeQ[1999]
そ れ ぞ れ の真 偽
(b)
1999は
素 数 で あ る。
{True} だ か ら1999は
素数
TrueとFalseを
返 す 述 語 関 数 に は次 の よ うな例 が あ る。
例1. 3!=4
意 味 は3≠4,結
果 はTrue
例2. 3<=2^2
意 味 は3≦22,結
例3. OddQ[{−1,4}]
意 味 は 奇 数 の 判 定,結
果 は{True,False}
例4. MemberQ[{0,1,2},1]
意 味 は 要 素 の 判 定,結
果 はTrue
果 はTrue
問16 次 の真 偽 を判 定 せ よ。 (a) 23>32 命 題p,q
(b) 0は 偶 数 で あ る
に つ い て 表6.3の
命 題 を 作 る こ と が で き,こ
れ ら を 論 理 演 算 と い う。
表6.3 論 理 演 算
〔例 題13〕pの
真 偽 お よ びqの
真 偽 に よ っ て 論 理 和p∨qの
真 偽 が ど う な るか 調
べ よ。 〔解 〕
述 語 関 数orで
真 偽 を調 べ る。
{or[True,True],or[True,False],or[False,True],or[False,
{True,True,True,False} 論 理 和p∨qは,表6.4の
よ う にp,qが
そ れ 以 外 は 真 に な る 。 表6.4を 問17 論 理積p∧q,お
〔 例 題14〕
命 題p,qに
(a) p∧q
False]} 表6.4 真 理 表
共 に 偽 の と き 偽,
論 理 和 の 真 理 表 と い う。
よ び 条件p→qの
つ い て,次
真 理 表 を作 れ。
の論 理 を 簡単 に せ よ。
(b) p→q
〔 解 〕 論 理 演 算 の 関 数LogicalExpandを
用 い る。
〓
(a)
LogicalExpand[!(p&&q)] だ か ら,
(b)
LogicalExpand[Implies[!p,q]] だ か ら,p→qはp∨qと
〔例 題14〕
の 結 果 な ど か ら,次
同 じ。
の こ と が わ か る。 (6.29) (6.30)
p→qはp∨qと
同 じ
式(6.29),式(6.30)を
論 理 に つ い て の ド ・モ ア ブ ル の 定 理 と い う。
問18 命 題p,q,rに
つ いて,次 の 命 題 を 簡 単 に せ よ。
(a) p∨q∨r
[3]
(6 .31)
(b) (p→q)→r
論 理 式 の 利 用 例
論 理 式 を 使 っ て 解 決 す る 例 と して 方 程 式,恒 〔 例 題15〕
次 の 数 を 求 め,論
(a) x2−2x−1=0の (c)
等式 の 問 題 を 示 す 。
理 の 使 わ れ 方 を調 べ よ。
解
(b) xの
方 程 式ax+b=0の
解
100ま で の 素 数
〔 解 〕(a)
(6.32) 式(6.32)は,x2−2x−1=0が
真 と な る の はx=1+√2ま
た はx=1−√2
で あ る こ とを示 す。
(b) 〔注1〕
(6.33) 式(6.33)は,ax+b=0を 〓を 示 す 。
満 た す の は, a=0かつb=0,ま
た はa≠0かつ
(c)
Select[Range[100],PrimeQ]
(6.34)
{2,3,5,7,11,…97}
式(6.34)は,1か
ら100の
〔注1〕Reduce[]は,特
各 整 数 が 素 数 で あ る も の を 選 ん で い る。
殊 条 件 に よ る解 も含 め て,方 程 式 を解 く ことが で き る。
〔 例 題16〕a(x−1)2+b(x−1)+c=x2がxの
恒 等 式 で あ る と き 定 数a,b,cの
値 を定 め よ。 〔解 〕
Clear[a,b,c] SolveAlways[a*(x−1)^2+b*(x−1)+c==x^2,x]〔
注2〕
よ っ て,a=1,b=2,c=1 こ の 問 題 で は,条
件a(x−1)2+b(x−1)+c=x2が
常 に 真 と な るa,b,cの
値
を 求 め て い る。 〔注2〕SolveAlways[方
程 式,変 数]は,任
意 の 変 数 に つ い て,方 程 式 が常 に真 と な る パ
ラ メ ー タの値 を決 め る。
問19 次 の各 問 に 答 よ。 (a) xの
方 程 式ax2+bx=0を
解 け。
(b) 次 の式 がxの 恒 等 式 にな る よ う にa,b,cの
値 を定 め よ。
6.4 数 ベ ク トル と 行 列 リ ス トを 用 い て 数 ベ ク トル と行 列 の 仕 組 み を 調 べ よ う。
[1]
数 ベ ク
トル
a=(a1,a2,a3),b=(b1,b2,b3)の 次 の 性 質 を もつ も の を3次
よ う に 順 序 を つ け た3個 元 数 ベ ク トル と い い,そ
の 数 の 組 で,
れ ぞ れ の 要 素 を 成 分 と い う。 (6.35)
(6.36) 式(6.35)をべ bは,リ
ク トル の 和,式(6.36)を
ス トa={a1,a2,a3},
ト ルa=(a1,a2,a3),
ス カ ラ ー 積 と い う 。 こ の 数 ベ ク ト ルa,
b={b1,b2,b3}で b=(b1,b2,b3)に
表 す こ とが で き る。 数 ベ ク つ い て,aの
内 積,大
き さ を次 の よ
う に定 め る。 a,bの
内 積〓(6.37)
aの 大 き さ│a│=〓
(6.38)
こ こ で,│a│=√a・aが る 。 ま た,a,bの
各 成 分 が 等 し い と き,ベ
す べ て の 成 分 が0の 〔 例 題17〕
成 り立つ の で,ベ
ベ ク トル(0,0,0)を
ク トル の 大 き さ は 内 積 か ら求 め ら れ ク トル が 等 し い と い いa=bと
零 ベ ク トル と い いoで
数 ベ ク トルa=(2,−1,4),b=(3,2,−6)に
書 く。
表す。
つ い て,次
の もの を求
め よ。 (a) a+2b
(b)
〔 解1〕(a)
(b)
〔 解2〕Mathematicaで
は,次
の よ う に して 求 め る 。
(a)
(b)
(6.39) 問20 a=(2,−1,4)に
つ い て,内
積 を 用 い て 成 分 の 和,平
方 和,a/│a│を
求 め よ。
〔例 題18〕
数 ベ ク ト ルa=(2,−1,4),b=(3,2,−6),c=(1,3,−8)に
pa+qb+rc=(0,0,0)と
な る 定 数p,q,rの
つ い て,
値 を 求 め よ 。c=(1,3,−10)で
は ど
うか 。
〔 解〕
し た が っ て,p=q=r=0 c=(1,3,−10)の
と き,c={1,3,−10}と
し た が っ て,p=r,q=−r,rは 〔 例 題18〕 (a)
で は,数
じ手 順 で 求 め る 。
任意 の 実 数
ベ ク トルa,b,cの
c=(1,3,−8)の
し,同
間 に 次 の 関 係 が あ る。
と き,
(6.40) (b)
c=(1,3,−10)の
と き,
pa+qb+rc=(0,0,0)を
(a)
の ベ ク トルa,b,cを
満 た しp=q=r=0で
一 次 独 立 と い い,(b)の
な いp,q,rが
あ る。
数 ベ ク ト ルa,b,cを
一次従 属
と い う。
問21 次 の 中 か ら一 次 従 属 な3個 の ベ ク トル を 取 り出 せ 。
〔例 題19〕
ベ ク ト ルc=(1,10,r)とa=(2,−1,4),b=(3,2,4)に
つ い て,
(6.41) が 成 り立つ よ う に,定 〔 解〕
数p,q,rの
し た が っ て,p=−4,q=3,r=−4
値 を定 め よ。
式(6.41)の
よ う に,定
数p.qでcが
〔 例 題20〕5個
の デ ー タ2,1,5,−2,4の
表 せ る と き,cをa,bの 平 均 値mと
一 次 結 合 と い う。
分 散υ を 数 ベ ク トル の 内 積 で
表せ。 〔 解1〕
こ の デ ー タ の 平 均 値mと
分 散υ は次 の 式 に な る。
(6.42)
(6.43) 〔解2〕
内 積 を利 用 す る。
(6.44) 平 均 値 はm=a.b/5=2,分
散 はυ=(a−m).(a−m)/5=6
問22 内 積 を利 用 して,6個
〔 例 題21〕aを
の デ ー タ;−1,−2,7,2,6,0の
定 数 と す る 次 の 連 立 方 程 式 の 解 を,ベ
平 均 値mと
分 散υ を求 め よ。
ク トル を 用 い て 表 せ 。
(6.45) 〔 解1〕a×(1式)−2×(2式)
a≠2,a≠−2の
a=−2の a=2の
と き,〓
と き,解 と き,2つ
x=tと
(6.46)
な し。 の 式 はx+y=1で
す れ ばy=1−tだ
か ら,
一 致 す る か ら不 定 解 。
(6.47) 〔解2〕
し た が っ て,a=2の
と き,x=1−y
の と き,〓 式(6.47)に
お い て(0,1)は,a=2の
で 特 殊 解,t(1,−1)は,定
と き の 方 程 式(6.45)の
数 を0,a=2と
解 の1つ
なの
の解 なの
し た 方 程 式〓
で 基 本 解 と い う。 問23 次 の 連 立 方 程 式 の解 を,ベ ク トル を用 いて 表 せ 。
[2]
行
第1.3節
列
で 推 移 行 列 を 扱 っ た 。 こ こ で は,実
際 の 数 か ら な る 行 列 を 作 り,そ
和 と 積 を 求 め て 演 算 の 性 質 を 調 べ よ う 。 な お,行 い る が,Mathematicaの
列 は 普 通A,Bな
記 号 と の 混 同 を 避 け る た め,こ
の
ど大 文 字 を用
こ で はa,bな
どの小文
字 を 用 い る。 〔 例 題22〕
次 の2×2行
列 a,bを 作 り,そ
の 和b+b,積ab,baを
求 め よ。
(6.48) 〔 解〕
リ ス トの リ ス トで 行 列 を 作 る 。
和a+bはa+b//MatrixFormで
求 め る。
2×2行
列 の 積a×bはa.b//MatrixFormで
求 め る。
2×2行
列 の 積b×aはb.a//MatrixFormで
求 め る。
行 列 a,bの 演 算 は 次 の よ う に な る 。
行 列 の 積 は,普
通ab=baと
い 。 し た が っ て,例
は な ら な い 。 つ ま り,積
え ばaabb=ababは
問24 〔 例 題22〕 の行 列a,bでa−b,aaを 式(6.48)の 縦 にm行,横n列
よ う に 数 を 縦 に2個,横 並 べ た 行 列 をm×n型
の 交 換 法 則 が 成 り立 た な
成 り立 た な い。
求 め よ。 に2個
並 べ た も の を2×2行
の 行 列 と い い,第i行j列
列 と い う。 の 数aijを
第
ij 成 分 と い う。 特 に,n×n行
列 をn次
正 方 行 列 と い い,1×n行
列 ベ ク トル と い う。 ま た,各 a=bと
列 を 行 ベ ク トル,n×1行
成 分 が す べ て 一 致 す る 行 列a,bを
列 を
等 し い と い い,
表 す。 行 ベ ク トル の 例
問25 〔 例 題22〕 の行 列a,bに
列 ベ ク トル の 例
つ い てa=bが
成 り立つ と き,p,q,r,sを 求 め よ。
行 列 の 足 し算 や か け 算 な ど で 中 心 的 な 役 割 を 演 じ る 行 列 に,零
行 列,単 位 行 列,
対 角 行 列 が あ る。 そ の例 を3×3行 列 で 示 す。
零 行 列o=〓
単位行列e=〓
Mathematicaで
〔 例 題23〕
対角行列p=〓
こ れ ら の 行 列 を 作 ろ う。
上 の 零 行 列o,単
位 行 列e,対
角 行 列pを
作 れ。
〔 解 〕 零 行 列o=Table[0,{3},{3}]//MatrixForm
(6.49)
単 位 行 列e=IdentityMatrix[3]//MatrixForm
(6.50)
対 角 行 列p=DiagonalMatrix[{a,b,c}]//MatrixForm
(6.51)
n×nの
単 位 行 列 をn次
の 単 位 行 列 と い う。
問26 行 列aの 第ij成 分 を 第ji成 分 に 置 き換 え た行 列 をaの 転 置行 列 と い い,Transpose [a]で 行 う こ とが で き る。(6.53)の 問27 2×2行 列 の単 位 行 列e,対 行 列aをn回 る。 ま た,行 列 と い いa-1と
行列aの 転 置行 列 を求 め よ。
角 行 列pを 作 れ 。
か け た 積anをaの 列a,bと
単 位 行 列eに
表 し,Mathematicaで
累 乗 と い い,MatrixPower[a,n]で つ い て,次
の 性 質 が あ る と きbを,aの
はInverse[a]で
求 め られ 逆 行
求 め る。
(6.52) 逆 行 列 が 存 在 す る行 列 の こ とを正 則 行 列 と い う。
〔 例 題24〕
次 の 行 列aの
ま た,a-1を
求 め よ。
累 乗an(n=0,1,2,3,4,5)を
求 め,そ
の性 質 を調 べ よ。
(6.53)
〔解 〕
行 列 をa={{0,0,1},{1,0,0},{0,1,0}}と
し,aの
累 乗 を 求 め る。
Table[MatrixPower[a,n]//MatrixForm,{n,0,5}]
成 り立つ 性 質 は, a0=e;単
a3=e,a4=a,a5=a2=a-1 よ っ て,集 〔例 題24〕
位 行 列,a1=a,a2=a-1
合{an}は,集 の 場 合,逆
合{a,a2,e}で
表 さ れ る。
行 列 の 式(6.52)は,次
の よ うに な る。
(6.54) し た が っ て,a-1=a2,かつ(a2)-1=a,つ
ま り a2はaの,aはa2の
な る。
〓の累 乗 を 求 め,そ の 性 質 を 調 べ よ。
問28 行 列
上 の 集 合U={a,a2,e}に
は 次 の 性 質 が あ る。
逆 行 列 に
① 積 に つ い て 閉 じて い る(積 ② Uの
要 素a,b,cと
の 結 果 も こ の 集 合Uの
積 に つ い て 結 合 法 則a(bc)=(ab)cが
③ Uの 要 素aに
つ い てae=ea=aと
④ Uの 要 素aに
つ い てaa-1=a-1a=eと
こ の 性 質 を もつ 集 合Uを,(積 〔 例 題24〕
で はa3=eに
要 素 に な る)。
な るeが
成 り立 つ 。
あ る。
な る 逆 行 列a-1が
に つ い て の)群
あ る。
と い う。
な る の で,群{a,a2,e}を
位 数3の
巡 回 群 と い う(図
6.11)。
図6.11
問29 x4−1=0の
[3]
参
解 は,数 の積 に つ い て位 数4の 巡 回 群 にな る こ と を示 せ 。
考
数 学 的 な 考 察 を 続 け る た あ に,い (1)
くつ か の 題 材 を 補 う。
00に つ い て
Mathematicaで00を
〔 例 題25〕00の
計 算 す れ ば エ ラ ー が 起 こ る。 そ の 理 由 を 考 え て み よ う。
値 は存 在 しな い こと を示 せ 。
〔 解1〕z=xyの3次 6.13に
巡 回 群
な る 。 図6.13か
元 グ ラ フ をx>0の らx≒0の
と きyは
範 囲 で 調 べ る 。 図6.12を 急 激 に 減 少 し,特
に,〓
回 転 す る と図 の付近 で は
値 が定 ま らな い。
(図6.12)
(図6.13)
図6.12 z=xy
〔解2〕xyの xy
=kと
値 が,例
図6.13 z=xy(回
え ば0.1,0.3,…,1.9に
な る点(x,y)の
転 し た グ ラ フ)
軌跡 を考 え る。
な る 関 数 は次 の 式 で 求 め られ る 。
(6.55) (6.56) k=0.1,0.3,…,1.9に y≒0の 値 は存在
つ い て,式(6.56)の
と きxyは,0.1,0.3,…,1.9の
グ ラ フ は 図6.14に
値 を と る こ と が わ か る。
しな い。
図6.14
x ,yを
複 素 数 と しxyを
考 え る こ と もで き る 。
な る 。x≒0, し た が っ て,00の
〓は,Log[k,x]と
〔 注1〕
同 じ 関 数 で,kを
底 と す る 対 数logkxを
表 す。
(2) 連 立 方 程 式 〔 例 題26〕 次 の連 立 方 程 式 を行 列 で表 し,そ の解 を求 め よ。
(6.57)
〔 解1〕
行 列aと
ベ ク トルu,bを
連 立 方 程 式(6.57)は,次
次 の よ うに決 め る。
の よ うに行 列 の積 で表 す こ とが で き る。
(6.58) aの逆 行 列a-1を か け る と,次 の式 が成 り立つ。
Mathematicaで,こ
よ っ て,解
の 式 を 実 行 す る。
はx=3,y=7,z=−2
〔解2〕
式(6.58)にSolveを
〔 解3〕
行 列aと
用 い る。
列 ベ ク トルbにLinearSolveを
用 い る。
LinearSolve[a,b]〔
注1〕
{3,7,−2} 連 立 方 程 式 を 行 列 で 表 す と,式(6.58)の 〔注1〕LinearSolve[a,b]は,a.x==bを
(3)
よ うに
「一 次 方 程 式 」 に な る 。
満 た す ベ ク トル を 求 め る。
固 有 値 と 固 有 ベ ク トル
ベ ク トルu〓
行列〓
に つ い て次 の式 が 成 り立
(6.59)
つ。
こ の と き の−2,2を Mathematicaで
行 列pの は,次
固 有 値,u,υ
を 固 有 ベ ク トル と い う。
の よ う に して こ の 行 列pの
固 有 値 と 固 有 ベ ク トル を求
め る。
(4) 固 有 多 項 式
行列〓
に つ い て,数ad−bcをpの
行 列 式 と い い,Det[p]で
求 め
る。 n×n行
列qの
上 の 行 列pと2次
場 合 もDet[q]で の 単 位 行 列e,変
求 め る こ とが で き る。 数xに
つ い て,
(6.60) を,行 列pの 固 有 多項 式 とい う。 この方 程 式 の 解 が 行 列pの 固 有 値 にな る。 固有 多 項 式 のxに 行 列pを 代 入 した式 は,
(6.61) つ ま り,常
に 零 行 列 に な る 。 こ れ を ハ ミ ル ト ン の 定 理 と い う。
3次 の正 方 行 列pに
つ い て も同様 の 手 順 で 固 有 多項 式,固 有 値 が 求 め られ る。
例 え ば,
よ っ て,p3+2p2−4p−3e=oに
な る。
pの 固 有値 は−3,〓 〔注2〕Eigensystem[p]は,pの
固 有 値,固
有 ベ ク トル を 並 べ て 出 力 す る。
練習 問題 1. 0<a<bの
2.
と き,aabbとabbaの
ど ち らが 大 き い か 。
x=2-n,y=1/n, (n=1,2,3,…)に
また,x≒0,y≒0の 3. 2つ の 命 題a,bの Xor[真,真]は
つ い てxyを
とき,xyが3に
な る よ う に,x,yをnの
排 他 的 論 理 和Xor[a,b]は,次 偽,Xor[真,偽]は
(1) 論 理和││,論
理 積&&,否
求 め よ。
の真 偽 を返 す 述 語 関 数 で あ る。
真,Xor[偽,真]は 定!を 用 い てa,bの
(2) 3つ の 命 題 の排 他 的論 理 和Xor[a,b,c]を
式 で 作 れ。
真,Xor[偽,偽]は 排 他 的 論 理和Xor[a,b]を
偽 作れ。
作 れ。
4. f[x_]:=1+1/x;Nest[f,1,6] によ って で き る分数 の 分母 お よ び 分 子 は フ ィ ボ ナ ツチ 数 列 に な る こ とを示 せ。 5. 円周 率 π につ いて 次 の 問 い に 答 よ。 (1)
πの 小 数 の数 字1,4,1,…
の 最 初 か ら100個 の 隣 接 す る数 の相 関図 を 作 れ。
(2)
πを 連 分 数 の 標 準形 に した と き,最 初 か ら100個 の度 数 分布 表 と隣接 す る数 の
相関図を作れ。 6. 次 の連 立 方 程 式 の解 を,ベ ク トル を用 いて 表 せ。
7. 行 列
〓を 作 り,行
列pn,(n=0,±1,±2,‥)を
求 め,成
り 立つ 性
質 を調 べ よ。 8.
行 列〓 ま た,p3,p4を
に つ い て,行
求 め,sp+teの
列u=p2−(a+d)p+(ad−bc)eを
形 に 表 せ 。 こ こ にeは
求 め よ。
単 位 行 列,s,tは
定 数 と す る。
問 お よ び練 習 問題 の解 答 (1) 問の解答 第1章
問1
Mathematica (2)
(1)
問2
〓と す る 。
〓か ら47桁
問3
〓で確認
問4
近似値
〓で2進 の 厳密 値〓
問5
〓で16進 問6 最 大 公 約 数12345679,最
近似値
の厳密値
小 公倍 数888888888 〓か ら
問7 問8 (1)
〓理 由〓
(2) 問9 〓で 〓な ど で33.51032164
問10
〓と し,次 式 で
問11 9.921567416
(1) (2) 〓で
問12 問13
〓等 と入力 〓左 に同 じ
〓等 で商−a+x,
問14 余 り〓 問15
〓 で〓
問16
問17
Table[Random[Integer,{1,6}],{10}]で1か
問18
グ ラ フ は 放 物 線 に 近 い 。 あ る デ ー タ か ら そ の 直 前 の デ ー タ を 引 い た 値 が1.9,1.4,1.0,…,− 0.4と0.4ず
ら6の
乱 数 を10個
作 る。
つ 減 少 して い く。 〓か らSolve[f[x]=y,x]か
問19 Together
ら
〓ゆえ に〓
問20 両 者 の 漸 近 線 が と も に
〓前 者 は 定 義 域 がx≦−3,x≧3,後
〓グ ラ フ は 解 図1.1
解 図1.1
双 曲 線
問21 解 図1.2
解 図1.2
リサ ジ ュー
者 は値域 が
問22 解 図1.3幅
が 同 じ螺 旋(ア ル キ メデ スの らせ ん)に な る。
解 図1.3
問23
FilledPlot[{4−x,x},{x,0,2},AspecRatio−>Automatic]
問24
解 図1.4順
ら せ ん
に 左 に 平 行 移 動Plot[Evaluate[Table[{2^k*2^x},{k,0,4}]], {x,−4,4},PlotRange−>{−1,10}]
解 図1.4
平 行移 動
問25
〓 (解 図1.5)
解 図1.5
2k2-xの
平行移動
問26 解 図〓
解 図1.6
問27
(1)
問28
楕 円 面
(2)
〓か ら
解 は〓 問29 (1)
(2)〓
〓 (複号同順)
〓が 皆 約1だ か ら
〓な ど 。
問30
〓か ら
〓等式
問31
問32 解 図1.7か
〓の 解 。
ら解 は 大 体−2.9,−2.7,1.2,近
似解 は
解 図1.7 y=cosxとy=x/3
(2)
問33 (1) (1)は
問34 (1)
問35
(1)
問36
(1)
〓か ら
(2)
〓か ら
(2)
〓か ら
(2)
問37
結果
;{False,True,False,True}か
ら1番
目 と3番
目
問38 〓と す る 。 グ ラ フ は 解 図1.8
解 図1.8
場合 分けの関数
問39 (解1) (解2)
〓な ど
問40 反 復;〓 再 帰;〓 問41
〓に 近 づ く。
第2章
離散化のアイデア
問1
(1)
問2
グ リー ニ ッ ジ標 準 時 か ら の 時 間 差,Date[9]で
1.23ナ
ノ秒
(2)
5.99エ
クサ トン 東 京 の時 刻
問3
問4 問5
〓で5桁 の精 度 〓で4桁 の精 度
問6
2を00102,3を00112の
問7
10進 数;121,122,2進
よ う に 各 桁 の 数 字 を4桁
の2進
数 で 表 し て い る。
数;1111001,1111010
問8
〓誤 差 の 最 大 値0.24
問9 問10 (1)3人
以上
(2) 11人 以 上
問11 略 問12 略
〓か ら
問13
問14
問15
(1)
ル ー プ;A,C,両
方 向;AC,BC
(2)
ル ー プ;R,両
問16
第3章
数 え 上 げの 方 法
問1 (a) 学 校 の 発 行 す る整理 券 で
(b) 負 け た学 校 数 で
方 向;PR,QS
問2
人 の 両 手210=1024,蛙
の 両 手28=256
問3
(a)8×6+5=53
(b)各
問4
(a)4×3=12
問5
1問 だ け正 解;4+3+4=11人,第3問
問 6
(a)
問7
同 時 に4台;4×7=28本,同
ル ー トの 和8+6+5=19
(b)4+3=7
100/42の
整 数2
正 解;9+5+4=18人 (b)72 時 に5台;5×6=30本
問 8 KNOW,KNWO,KONW,KOWN,KWNO,KWON,NKOW,NKWO,NOKW, NOWK,NWKO,NWOK,OKNW,OKWN,ONKW,ONWK,OWKN,OWNK, WKNO,WKON,WNKO,WNOK,WOKN,WONKで4!=24 問9
KN,KO,KW,NK,NO,NW,OK,ON,OW,WK,WN,WOで4P2=12
問10
(a)5P3=60
(b)15P3=2730
(c)48P17=1509687361581479577649152000
問11
問12
(a)2×3=6〓(b)2×3×3=18
問13
(a)13C6=1716
問14
(a)11!/(4!7!)=11C4=330
問15
(a)
問16
8C3=56通
(b)213=8192
25=32通
問17 6C3=20通
(b)も
り
り 。3辺
(b)
同 じ
2×163−1=8191
と も周 を 共 有 しな い 三 角 形 は56−8×(1+3)=24通
り
問18
問19
(a)
(b)
問20 6H3−1=55通 問21
(a)
り
20C4=4845通
り
問22 問23 3通
問24 問25
り,全
部 で62通
り
(b)
15C4=2730通
り
り
の係数 は 問26
〓の係 数 は,
〓同 じ値 に な る。
問27
〓の母関数
問28 数 列
第4章 数列 を作 る 問1
(a)
(b)
(c) 問2
(a)
問3
(a)
(b)
(b) 問4
〓か ら〓
問5 (a) 一 般 項 は
〓 で〓 〓で和 は
和は (b) 一 般 項 は
〓 で〓
和は 問6
〓で (b)
(a)
(c)
問7 〓 で〓
問8
それぞれ周期 π
つ ま り〓
〓周波数〓
問9 問10 〓は
問11
〓だ か ら2数 は ほ ぼ等 しい。
問12 問13 問14
〓 (万 円) 〓 で〓 98年 以 降 〓か ら約18時
問15
間 か か る。
〓 で〓 問16
(a)
〓か ら
約25枚
(b) n=1の
と き1=1で
成 り立 つ 。n=kで
両 辺 に(−1)k(k+1)2を
加 え る と,次
成 り立つ
とす れ ば
の 式 か らn=k+1で
も成 り立つ。
(右辺)〓 した が って,す べ て の 自然 数nで 予 想(a)が 問17 an=0.5(1+1/n)ら
し い 。n=2の
と き3/4で
成 り立つ
成 り立 つ 。n=kで
〓両 辺 に1−1/(k+1)2を (右 辺)=0.5(1+1/(k+1))と
な っ てn=k+1で
成 り立つ と す れ ば, か け る。
も 成 り 立つ。
問18 〓
で{1,2,3,5,8,13,21};フ
問19
ィ ボ ナ ッ チ 数 列 に な る。
〓 で〓 〓 で〓
問20
〓か ら,
問21
〓と し 〓か ら,
問22 収 束;±1,±1.3,分
岐点
問23 問24
〓を 作 り片 々 引 けば, 〓確 認 はSeriesで
〓≒
±1.366か
〓 NestList[f,0.,100]と
ら−1
.3(x=x2−0.5の
よ う に 修 正,k≧2.8か
ら 解 図4.1の
解 図4.1
解)
し て 調 べ る 。 周 期4
式(4.55)でf[x_]:=k*Sin[x];式(4.56)で[f,0.1,n],式(4.57)で{k,1 3,0.01}の
行 う。
.5, カ オ ス が で き る。
第5章
デ ー タ処 理 と 確 率
問1
解 図5.1
問2
度 数 分 布 表(解
図5.2),度
数 多 角 形(解
図5.3),パ
解 図5.2
解 図5.3
レ ー ト図(解
図5.4)
解 図5.4
問3 平 均 値63.75,分 散453.988,標 準偏 差21.8605,メ
ジア ン68.5
問4 平 均 値 は ほぼ 同 じで 標 準 偏 差 が 大 き い か ら女 子 よ りば らつ きが大 きい。 問5 平 均 値3.01,標
準 偏 差1.6217で 共 に小 さい。 小 人 数 化 が 進 ん だ 。
問6
〓な ど(解
図5.5)(解
図5.6)。
負 の相関 が
あ る。
解 図5.5
問7
解 図5.6
〓強 い負 の相 関 が あ る(解 図5.5)。
問8 〓 肥 満;11番,や
せ;4,5,6,9,10番
〓と比 べ 身 長 に比 して 体 重 が 増 え な い。
問9
〓で 西 暦2000年
問10
に15.8(%)の
問11 〓で 〓(図5.26),280円
で最 大
予想。
問12 問13 問14 問15 3!=6通 問16
りの う ち3人 と も違 う場 合 が2通
りだ か ら1−2/6=2/3 (1−11/25 も可)
(a)
(b) 問17 Aが
当 た る確 率3/10,
Bが 当 た る確 率3/10 2/9+7/10 3/9=3/10
で 同 じ。
〓 で〓
問18 問19 〓
bか
ら2∼12の
各 度 数 は9,26,21,40,58,60,50,42,25,26,3
こ れ は 理 論 値 の100倍;10,20,30,40,50,60,50,40,30,20,10に
近 い(解
図5.7)。
解 図5.7
問20 式(5.42)で〓
に 代 え る。 結 果 は764に
を〓
な り
問21
〓理論値 〓(解 図5.8)で
ほ ぼ 合 う。
解 図 5.8
第6章 離散構造 問1
(a)
問2
(a)
(b)
(c)
(b)
(c) 問3 〓 問4
か ら〓 (a)〓
で最小−1
(b)〓
問5
問6
問7
(解 図6.1)
解 図6.1
問8
(b)
問9 (a)
〓に よ る 。40個
問10 問11 約 数
〓個 数15,そ
の 和 は3751
問12
〓に よ る。4番 目 まで は素 数 。
問13
〓に よ る。 最 大32個
問14
(a)
〓 によ る。
(b) 〓に よ る。
問15
〓結果 は共 に 問16
(a)
問17
(a)
問18
(a)
(b)
2^3>3^2に よ る 。〓
(b)
(b)
問19
〓か っ
(a)
ま た は(a=0か
つb=0かつc=0)ま
た は(a=0かつb≠0か
(b) 問20
〓成 分 の 和;a.bで5,平
方 和;a.aで21,
〓 で〓 問21
b,c,dが
一次従属
問22 m=a.b/6で2,υ=(a−m).(a−m)/6で35/3
問23
a=1の と き
問24 問25
問26 Transpose[a]で,〓
問27 〓
で〓
〓 で〓 問28
〓単 位 行 列,〓
は集合〓
問29
(2) 練習問題 の解答 第1章
Mathematica
1. 右 の 表 か ら,Round,Floor,Ceilingは 入,切
り 捨 て,切
り上 げ で 整 数化
Table[{Round[x],Floor[x],Ceiling[x]}], /.x−>−1.6な
どを入 力
四捨 五
で 表 され る。
つx=
−c/b )
2.
〓で そ れ ぞ れ,
〓媒介変数表示
〓か ら,
3.
〓で 解 図1.1
解 図1.1
4.
放 物 線
解 図1.2
円
(1) 〓
で 解 図1.2 (2) 〓
とす れ ば,〓
面積 は 〓 で〓
5.
だ か ら,〓
と い う双 曲 線 〓で 解 図1.3
解 図1.3
双 曲 線
と 弦
6. 3元2次
7.
連 立 方 程 式〓
を 解 く。〓
〓か ら〓
(1)
(2)
(3)
8.
〓で 解 図1.4の
よ うに な る。
解 図1.4 y=exと
その 接線
9. .〓 グ ラ フ は 解 図1.5
解 図1.5
10. (1)
(2) 〓 (3) 〓
分岐 の 関 数
〓で で〓 で〓
だ か ら3辺
は15,9,12
第2章
離 散 化 の ア イデ ア
1.
〓時 速1679Km,秒
速463.9m
2. 437=31で31の5∼9進 3. 3つ
数 は111,51,43,37,34だ
の 試 験 が50点
以 上 の 者x人,2つ
か ら9進
の 試 験 が50点
法 が答 え。
以 上 の 者y人
〓か ら,x=14(人)
〓の と き〓
4. 再 帰 式;
nの式
〓(解 図2.1)
5.
〓2回 は
6.
解 図2.1
第3章 数 え上 げの方法 1.(1)
(2) (3)
PをAと
し,点Cよ
り少 し上 に点Qを
とる。19個
2.(1)
(2)
1,2,3が
そ れ ぞ れ1,2,3番
目 の 場 合 をA,B,C,そ
〓(通 り) 〓(通 り)
(3) (4) 3. (1)〓
〓(通 り) (Binomial[12,6]で
求 め ら れ る)
の個数を
とす る。
②
(2)
(3) (4)
〓か ら
4.
〓の係数 は 5.
(1)
(2) (3)
第4章 数列 を作 る 1.
(a)
①〓
③
④ (b) ①〓
② など
③〓 2. (a) 再 帰 式
〓明示式〓 〓でn=60,丸60年
(b) 3. 再 帰 式〓
明示式 は階差 の和か ら 〓数 学的帰 納法〓 で 正 しい とす れ ば,〓
で ② は正 しい。
後
① か ら〓 よって〓 で も ② は正 しい。 す べ て の 自然 数nで
② は正 しい。
4.
〓か ら〓
数学 的帰納法;
〓の と き〓
ら成 立 。
だか 〓か ら
〓で成 立 つ とす れ ば
だ か らn=m+1で
も成 り立 つ 。
〓で ハ ノイ の 塔 の 数 列 が2桁 ず つ 現 れ る。
5.
〓で フ ィ ボ ナ ッ チ数 列 が2桁 ず つ 現 れ る。 ハ ノ イ の 塔 の 数 列,フ
ィ ボ ナ ッ チ 数 列 の 母 関 数f(x),g(x)は
式(4.52),問21か
ら
6.
〓と し,〔 例 題25〕
で(解
と 同 様 に〓
4.1)。
解 図4.1
第5章 デ ー タ処 理 と確 率 1.
(a)
〓 F社 が最 も高 く,A社 (b) 平 均;〓
と して,
〓12か
が最 も低 い。
ら0.1106(万
円)
2. 男 子;〓
女子;〓 独 身 者 は男女 と も40∼50歳
が 低 い。 若 年 で は男 が,老 年 で は女 が 高 い。
3.〓
〓 で〓
4.
(a)〓
(b)〓
〓で40個
が負
図
確率 は〓
から
5. 〓
〓 (Aが8,9,10つ
(an>bnの
と きen=bn,他
ま り 当 た り に な る 回 数)で32
はen=bn+1)
(Bが 当 た る 回数) 例 え ばA,Bが
当 た る回 数 の様 子 と平 均 は次 の よ うに共 に0.3に 近 い。
第6章 離散構造 〓か ら〓
1.
〓の場 合,〓
2.
〓の場 合,〓 3.
(1)
〓か ら,〓 (2)
Xor[True,True,True]でTrueな 偽 真 真,真
4. 〓
偽 偽,偽
真 偽,偽
ど か ら,a,b,cが 偽 真,偽
真 真 真,真
真 偽,真
偽 偽 の と き,真,偽,偽,偽,真,真,真,偽
とす れ ば,〓
〓か ら〓
〓か ら〓 〓は フ ィボ ナ ッチ数 列 で
〓も 。
偽真,
5. (1)
π=3.141592654…
の 隣 接 数 の 組 は(1,4),(4,1),(1,5),(5,9),…
〓で 解 図6.1 (2) 〓
〓で 解 図6.2
〓で 解 図6.3
解 図6.1
π│の│10進数 展 開相 関 図
解 図6.2
πの 連 分 数 展 開100ケ 1∼292の 分 布(1∼16)
解 図6.3
πの連 分 数100ケ (0∼16)
タの 相 関 図
タ
6. 〔解1〕
〓か ら
〔 解2〕〓 〓か ら〓 7. 〓
〓で
〓で
{pn│n整
数}は{e,p,p2,p3}つ
ま り,位
数3の
巡 回 群 に な る。
. 〓で
8
〓零行列
索
引 重 ね書 き
あ 行 ア イ テ レー シ ョ ン
41
アスキー
51
アニメー ション
28
ア ル ゴ リズ ム
4
記数法
51
一次結合
185
一 次従属
184
一 次独立
184
陰 関数
102
22
円グ ラフ
132
黄金比
19
オ ク タ ル
7
折れ線 グラフ
132
か
行
カ ー デ ィ ナ ル ス数
59
カ ー ネル
1
回帰 直線
147
階差数列
104
ガ ウス の整 数 カ オ ス
14 126,128
確率分布
158
確率変数
158
5
偽 基準音
ア ンサ ー機 能
13,63
仮数部分
176
ア ンサ ー
一般 項
27
数 ベ ク トル
38 108
軌道
48 125
基本解
186
逆関数
21
行 ベ ク トル
187
行列 行列 式
行列 の加法
64,186
194
64
行列 の実数倍
64
行 列 の積
69
極形式
170
極座標
24
極方程式
24
虚数
9
虚数単位
167
近似値
2
空間座標
29
組 合せ
86
組 合せ論
73
組 込 み 関数 組 込 み定 数
経路
4,11 4
66
桁落 ち
49
集合演算
59
原始関数
36
12音 階
厳密値
2
周波数
108
重複組合せ
90
公差
102
合成 関数
21,41
110
重複順列 16ビ
83
ッ トコ ー ド
50
89
樹形図
80
公比
102
述 語 関数
179
固 定 小 数 点表 示
5,48
出力 セ ル
構成的組 合せ論
固有多項式
194
固有値
193
固 有 ベ ク トル
193
根元事象
152
さ 行 再帰
41
再帰関係
55
再帰関数
104
再帰式
ジ ュ リア集 合
3 130
順列
79
順列 の 個数
81
条件
39
昇順
79
情 報 エ スケ ープ
4
初項
102
真 真理表
38
180
105
最小公倍数 最 小2乗
法
最 大公 約 数 サ イ ンカ ー ブ
3次 元 数 ベ ク トル
7,16 147
推移行列 数 学 的帰 納 法
7,16
数値解
数量化
109
182
数列 ス カ ラ ー 積
事象
69 118
30 44 102 183
152
80
正規化
49
指数
165
正規分布
163
指 数 の拡 張
165
正 弦 曲線
109
整数 の分割問題
89
辞書式 順序
指数部分
5
指数 法 則
167
正則行列
4分 位 数
137
精度
160
成分
シ ミユ レ ー シ ョ ン
189 6,49 182
積 事象
155
積 の法則
74
積分 定数
37
セ ッション
1
絶対単位
44
接頭語
45
セル
3
零行列
188
零 ベ ク トル
183
強い正の相関
142
デ ィ オ フ ァ ン トス 方 程 式
定積分
91
37
デ ー タの構 造 化
64
デ フ ォ ル ト値
19
転置行列
188
導関数
36
漸化式
55
等差数列
102
漸 近線
20
同値
全 体集合
59
動 的 シ ステ ム
39 124
等比数列 素 因数 分 解
8,176
相 関図
172
底
素数
大小関係
独立試行
代数 的な解 多項係 数 多項式 展開 単位行列 単 位 の変 換
158
度数多角形
135
8
度数分布表
135
な 行 188
186
7
た 行 対角行列
102
特殊解
内積
63
39 30
2項 係 数
95
2項 定 理
17,96 188 45,47
95 94,95
2項 方 程 式
31
2次 関 数 モ デ ル
148
2進 数
7
入力 置換
80
超越方程式
33
調和音
112
直積
60
直線 モ デル
145
直交座 標
24
3
入力 セル
3
ノ ー トブ ック
1
は 行 媒 介 変数
23
23
ヘルツ
108
155
偏差値
139
95
ベ ン図
59
媒介変数表示 排反 パ ス カ ル の三 角 形 8ビ
ッ トコ ー ド
発散
125
鳩 の巣原理 ハ ノ イ の塔 ハ ミル トンの定 理 パ ラメー タ パ レ ー ト図
反復
51
78
115
194
棒 グラフ
132
母関数
123
補集合
59,60
ボ ック ス プ ロ ッ ト
140
23
ま 行
135
41
交 わ り積 集 合
58
反復法
124
丸め
6
繁分数
42
マ ンデ ル ブ ロ集 合
130
微分
36
無向 グラフ
68
微分係数
35
結 び和集合
58
標準偏差
137 明示式
フ ィボ ナ ッチ数 列
複素数
17,119
命題
168
不 確 か な現 象
151
不定積分
36
負の相関 フ ラ ク タ ル
142
39
分散
137
ヘキサデシマル ベ ク トル の 和
177
モ デル 化
52
137 6
7
183
54
モ ンテ カル ロ法
128
べ き
137
メ ルセ ンヌ数
モ デル の 評 価
5,48
分岐
平均値
179
メジア ン
9,167
複素数平面
浮動小数点表示
105
160
や 行 ユ ー ク リ ッ ドの 互 除 法
176
有限数列
102
有向 グラフ
67
有効桁数 有理数
6 166
要素 の個数
59
余事象
155
弱 い正 の相 関
142
連分数
173
論理
39
論理演算
180
ら 行 ラ ジア ン孤 度 乱数
わ 行
46 18, 160
和事象
155
和の法則
リー フ プ ロ ッ ト
77,155
134 英 字
・記 号
リカ ー ジ ョ ン
41
離散化
44
answer
離 散 的 な量
18
ASCII
51
離散的表現
44
False
38
リス ト リスト 処 理
13 61
立 方 根
31
リプ レイ
4
領域
26
隣接行列
66
列 ベ ク トル
187
Hz JISコ
4
108 ー ド
n次 正 方 行 列 n進 数 Permutation Replay
50 187 7 79 4
True
38
Venn図
59
〈 著者紹介〉
片 桐 重 延 学 職
歴 歴
東京教育大学理学部卒業(1953) 日本私学教育研究所研究員 日本数学教育学会監事 理学博士
室 岡 和 彦 学 職
歴 歴
東京教育大学理学部卒業(1969) 日本無線株式会社 東京都立井草高等学校教諭 お茶の水女子大学付属高等学校教諭 教育学修士
新 ・数 学 と コ ン ピ ュー タ シ リー ズ10 Mathematicaに 1997年4月20日
よ る離 散 数 学 入 門 第1版1刷
発行
著
者 片 桐 重 延 室 岡 和 彦
発行者 学校法人 東 京 電 機 大 学 代 表 者 廣 川 利 男 発行所 東 京 電 機 大 学 出 版 局 〒101 東 京 都 千 代 田 区 神 田 錦 町2‐2 振 替 口 座 00160‐5‐71715
印刷 三功 印刷(株) 製本 (株)徳 住製本所 装丁 高橋壮一
C
電 話 (03)5280‐3433(営
業)
(03)5280‐3422(編
集)
Katagiri
Shigenobu
Murooka
Kazuhiko
Printed
in Japan
*無 断 で転 機 す る こ と を禁 じま す。 *落 丁 ・乱 丁 本 は お取 替 え い た しま す。 ISBN 4‐501‐52610‐6 R
C3355
〈日本 複 写権 セ ン ター 委 託 出 版 物 〉
1997
プログラミング教科書 高 校 生の た めの FORTRAN JIS基 本 水 準 に よ る
ビギナーズ FORTRANプ
秋冨 勝 他共著 B5判 128頁 2色 刷 FORTRAN学 習 ・演 習の テキ ス トとして,2色 刷で 見やす く学び やす く編集 した。JIS基 本水準 に基 づき, さらに上位 水準 で学 んで ほ しい事 につ いて も記述。
若山芳三郎 著 A5判 200頁
高校 生のための 基 礎BASIC
高校 生 の ため の
新JISフ
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ロー チ ャー ト
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好評 の前 著 「プ ログ ラム例 に よるFORTRANの 入 門」 をJISの 改 正,入 力方 法 の変化 等に あわせ て書 き改 めた もので あ る。
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色刷 で見や す く学びや す く編 集 した。特 に高 校生 に 親 しみの もて るプ ログラ ムを選び 基 本を重視 した。
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秋冨 勝 他 共著 B5判 104頁 2色 刷 BASICの 学習 ・パ ソ コン演 習の テキ ス トとして,2
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若山芳三郎 著 B5判 88頁
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ワ ー プ ロ ・表 計 算 ・図 形 ・BASIC 秋 冨 勝 他 共著 B5判 148頁 2色 刷 市販 ソフ トで も評価 の高 い一太郎,Lotus1‐2‐3,花 子にBASICの 基礎 を取 り上げ,そ の 操作 法が 取得 で きる よ うに,コ ンパ ク トに1冊 にま とめ た。
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P‐62